体験消費時代のマーケティングヒント

2021-03-24 10:24:00
ファンづくりのマーケティング「オンラインの時代こそファンづくりが重要になる」

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

ニューノーマルの時代は、オンライン化が加速する。

今や「モノ」中心の時代は終わり、「良いモノを作れば売れる」という時代は過ぎ去りました。成熟社会といわれる今日、世の中にはモノがあふれています。モノづくりのレベルはどんどん上がり、品質の良い商品を提供できる会社は今やそこら中にあります。

 

しかしながら、単に品質が良いだけでは、今の消費者は「買いたい気持ち」になってくれませんね。世界に名をとどらかしてきた日本の優秀なモノづくりの大企業ですら、現在苦境に陥っているのも、ここに要因があるような気がします。

 

そして2020年、新型コロナウイルスは世界中で猛威をふるい、経済・社会に大きな影響を与えました。こうした中で、感染抑止や終息に向けて、人々は働き方や生活様式の変化を求められています。従来は常識であったものが通用しなくなり、新しい価値観やルールに従って暮らすニューノーマル時代が来ています。

 

その中でも特に大きな変化がオンライン化の加速です。新型コロナウイルス感染拡大の中で、Eコマースや宅配を利用する人は大きく伸びました。そしてこの流れは今後も拡大していくことが予測されます。

 

オンラインの時代こそ、ファンづくりが重要。

オンラインの時代になると、消費者のWebによる情報収集の機会がますます増加していきます。そしてオンライン上での評価や口コミも購入を左右する貴重な情報になってきます。

 

つまり、オンラインの時代が進めば進むほど、存在価値のない会社、つまり提供価値に魅力が伝わらない会社やお店は消費者から見向きもされなくなりEコマースの世界では価格競争に飲み込まれていく ことになります。

 

また、SNSやシェアリングサービスなど個人が主役のプラットフォームが普及し、今や誰もが情報発信や価値創造の“主役”になれる時代です。ブランドの情報やコンテンツも、企業発のものよりも顧客の体験や評判がより大きな影響力を持つようになっていきます。

 

私たちの購買意思決定の基準も単に「高い「安い」もしくは「デザインの良し悪し」だけに、もはや止まりません。その商品やサービスが「どこの誰によって売られているのか」「その商品にどんな思いが込められているのか」など、売り手のストーリーや情熱までもを確認し、モノを買うときの判断材料にしています。

 

ファンづくりにおいても、従来の品質や広告などによってつくられたイメージから、顧客の体験や関係による価値へ、そして今日では、企業と消費者が共にブランドを創る「共創」の時代になっています。例えば、コロナウイルスで飲食店は大きな打撃を受けていますが、「このお店は潰しちゃいけない」というファンがいることで、クラウドファンデングでお金が集まり再スタートすることも可能になります。

 

新型コロナ禍で経済的にも厳しい状況が続いている中、独自の価値に磨きをかけることで、お客様との生涯にわたる絆をつくり、どのような事態が起きても揺るがない強い企業をつくっていきましょう。

 

さぁ、あなたの会社やお店やブランドもファンづくりのマーケティングで儲かる仕組みをつくっていきましょう。

あなたのマーケティングパートナー和田康彦が全力でサポートします。

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2021-03-23 15:50:00
これからは小さな会社や個人の時代!

 

みなさんこんにちは。和田康彦です。

今、日本の経済は変革期を迎えています。日本企業の99%が中小企業といわれていますが、日本の経済が元気になるためには、小さな企業や個人が元気にならなくてはいけません。

 

高度経済成長期といわれた1960年代は、「大きいことはいいことだ」というキャッチコピーがテレビCMで流れるくらい、大量生産大量消費の時代でした。当時の小売業の王様は、巨大な店舗面積を誇る百貨店であり、大型店を全国にチェーン展開する総合量販店でした。

 

しかしながら、かつて栄華を誇った大手メーカーや百貨店、総合量販店などの大規模小売業の不振が物語っているように、今は規模の大きさが強さを意味しない時代になりました。

 

逆に、経済の成熟化、需要の多様化、人口減少、少子高齢化、環境問題といった時代のトレンドは、小さな企業にとって追い風となっています。ただ、小さな企業の多くがこの時代の追い風を生かし切れていません。

 

小さな企業や個人がこの時代の追い風を受け止めるには、小さなヨットのように、適切に帆を上げて、風をしっかり受け止めることが不可欠になります。つまり、帆を上げるとは「看板商品を育て、ワクワクする売り場を作り、お客様との絆を深める」ことです。そしてそれを支持してくれるお客様こそが、あなたの会社というヨットを動かして目的地に運んでくれる風になるのです。

 

ファンづくりとは、お客様に好きになってもらうこと

では、あなた自身の身の回りを思い浮かべてみてください。日用品でも食料品でも、ファッションでもスポーツ用品でもアプリでも何でも結構です。他の会社や商品が数多くある中で、強く惹かれ、愛用し、思わず友達や知り合いに薦めた事のあるものがひとつやふたつは必ずあると思います。

 

それって、その会社や商品を支持していることに他なりませんよね。つまり、私たちは、その会社や商品が提供してくれている価値を無意識に支持して、購入しているわけです。

 

「まさにこの機能を探していたんだ」かもしれないし、「このメーカの味、とても好みに合う」かもしれません。「他に比べてデザインがダントツにいいよね」かもしれないし「面白ーい、これ、まさに私のツボ」かもしれません。その企業姿勢や社会貢献を強く支持している場合もあるかもしれません。

 

そんな企業や商品が大切にしている価値にグッとくる人、その価値にワクワクし喜ぶ人、その価値を支持し友人に薦める人、それが「ファン」といえます。そんなファンという風に押されて、企業というヨットは前に進んでいくわけです。

 

つまり、ファンづくりマーケティングとは、①「自らの強みを認識し、顕在化させ、それを磨くことで独自の価値(魅力)を生み出し②その生み出した「価値」に対して共感共鳴してくれるファンを大切にしながら、③中長期的に売上や価値を上げていく方法ということができます。

 

21世紀はファンづくりの時代

21世紀は、ファンづくりの時代と言われています。「モノ」中心の時代は終わり、「良いモノを作れば売れる」という時代はもはや過ぎ去りました。成熟社会といわれる今日、世の中にはモノがあふれています。モノづくりのレベルはどんどん上がり、品質の良い商品を提供できる会社は今やそこら中にあります。

 

 

しかしながら、単に品質が良いだけでは、今の消費者は「買いたい気気持ち」になってくれませんね。世界に名をとどらかす日本の優秀なモノづくりの大企業すら、現在苦境に陥っているのも、ここに要因があるような気がします。

 

さぁ、あなたの会社やお店やブランドもファンづくりのマーケティングで儲かる仕組みをつくっていきましょう。 

あなたのマーケティングパートナー和田康彦が全力でサポートします。

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2021-02-27 17:50:00
徹底した顧客志向で、ニトリ、ワークマンのブランド評価が急上昇。

インターブランドジャパンは、日本企業のブランド価値ランキング(2021年版)を発表しました。上位100ブランドの合計評価額は前年より3.9%減少。海外展開の進んだブランドで苦戦が目立つ一方、国内ブランドでは「ワークマン」「ニトリ」が評価を伸ばしました。

 

2020年に世界を覆ったCOVID-19によるパンデミックは、僅か数ヶ月という期間の中で、世界中の人々のこれまでの行動、考え方、価値観に多大な影響を及ぼし、今もなお、取り巻く社会環境は変化を続けています。

 

今回の人々の行動や価値観の変化は、企業にとっては、社員の働き方はもちろんのこと、モノづくりや

サービスのあり方の前提を大きく変え、2020年は、そうしたさまざまな足元の変化に対して、ビジネスとしてどのように可及的に対応するかが課題となった一年となりました。

 

社会の情報化・デジタル化とともに、顧客は自分たちの価値観に照らして「良いもの」を見定める洞察力と、それを他の人々に伝える発信力を持つようになっています。また、ソーシャルメディアを通じて、顧客の間に、大量の情報が高速で飛び交う時代の中で、人々の価値観は急速に変化し、多様化し続けています。

 

そのような環境下において、今、強いブランドに求められる要件は、力強いリーダーシップ(Leadership

のもとで、顧客を巻き込むブランド体験(Engagement)を提供し、顧客との持続的な関係性

(Relevance)を併せ持つことだと同社は分析しています

 

Leadership:強く対応力のあるブランドを構築する

インターブランド社の分析によると、

 「空気で答えを出す会社」Daikin26位、前年比+18%)、

「アミノ酸のはたらきによって食と健康の課題解決企業になる」 Ajinomoto43位、前年比+19%)、

「アソビきれない毎日を。」BANDAINAMCO55位、前年比+19%)、

「循環型社会の実現」Mercari94位、前年比+19%

といった明確なパーパスを持つブランドは、コロナ禍においても、社員一人ひとりが何をすべきか方向性が明らかなため、速やかに結束力を持ってアクションすることができ、ブランド価値とビジネス双方を大きく伸長させています。

 

また、企業目標にブランド価値を設定し「ブランド価値経営」を実践しているKirin22位、前年比

+11%)、Yamaha30位、前年比+8%)、Ajinomoto43位、前年比+19%)は、トップの強いコミットメントのもと、全社活動としてブランディングを推進し、ブランド価値を向上させています。

 

Engagement:企業と顧客との相互の関係を形作る

また Nintendo (8位、前年比+31%)は、コロナ禍で人々が不自由な生活を強いられる中、他のプレーヤーと交流しながら村をつくるソフト「あつまれ どうぶつの森」を提供。

 

WORKMAN78位、前年比+57%)は、ブランドの熱いファンであり、ブランドの価値を共有しているブロガー達と「製品開発アンバサダー」として契約し、プロダクトを共創することで、顧客視点のユニークな商品を創出し続けているなど、顧客を巻き込み、対話し、共創を実現したブランドが成長していることを明らかにしています。

 

UNIQLO6位、前年比+16%)は、コロナ禍において、独自技術のエアリズムでマスクを生産、また、“服を次に生かす”「RE.UNIQLO」を開始するなど、常に独自のブランド体験を創出しています。

 

Relevance:顧客との絆を強化しロイヤルティを生み出す

Sony3位、前年比+14%)は、クリエイティブ・エンターテインメントブランドとして、コロナ禍で最前線の医療に従事する人々、遠隔で学ぶ子供や教師、エンターテインメント業界全体に携わる人々を含む、COVID-19の影響を受けた世界中の人々を支援する1億ドルの救援基金を創設するなど社会貢献活動にも積極的に取り組み、その存在感を増しています。

 

Fujifilm38位、前年比+21%)は、新型コロナウィルス感染症に対する効果が期待されている抗インフルエンザウィルス薬「アビガン錠」の増産体制の構築、AI技術を用いた新型コロナウィルス肺炎の診断支援技術開発の開始など、迅速な対応力で、総合ヘルスケアカンパニーとしての信頼感を獲得しています。

 

Nitori69位、前年比+39%)は、顧客のニーズに合った商品を迅速に開発することを通して、「低価格」で「機能的」な商品であることを堅持しながら、「お洒落さ」や「楽しさ」を増幅させ、情緒的にも選ばれるブランドに進化しています。

 

ニューノーマル時代は、ブランド価値といった目には見えない無形資産づくりが企業経営の要になります。あなたの会社でも、徹底した顧客志向のもとで、顧客の生活が豊かになるブランド体験を提供し、持続的な顧客との関係づくりを目指していきましょう。

2021-02-15 10:34:00
患者(生活者)視点のサービスで成長を遂げるクオール薬局とは。

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

今回のコラムでご紹介する「クオール薬局」は、1992年の創業以来、調剤薬局業界で5本の指に入るほど目覚ましい成長を遂げています。

 

20206月現在、全国で813店舗を展開し、20203月期の売上は1,6541,100万円。2020年度の調剤薬局売上高ランキングでは、3位に位置しています。

 

◆変化する調剤薬局市場

①「門前薬局」から「かかりつけ薬局」が主流の時代へ

調剤薬局は全国に約6万店がひしめき、規制に守られてきた業界といえます。しかしながら、超高齢化を迎えて国民医療費の抑制が大きな課題であるわが国では、薬価・診療報酬改定など、調剤薬局業界にとって厳しい環境が続いています。一方で、社会保障や医療の質に対する国民意識の高まりの中、厚生労働省は、2025年までにすべての薬局を「かかりつけ薬局」に転換する、との方針を発表しました。

 

②大手チェーンによる集約と、異業種からの参入が進む

また、調剤薬局は「かかりつけ薬局」として多様な医療ニーズへの対応が求められるようになり、今後は、大手チェーンによる集約が進むとともに、スーパーマーケットやドラッグストア等の異業種からの参入が増加すると予想されています。すでに米国では昨年、アマゾン・ドット・コムがアマゾン「アマゾン薬局」をスタートしています。

 

このように、調剤薬局は、従来、大学病院など大病院の周辺に出店し、特定の医療機関からの処方箋を多く集める「門前型」が一般的でしたが、厚生労働省発表の方針のもと、一人ひとりの患者へのサポートをより充実した「かかりつけ薬局」への移行が進みつつあります。今後は、患者が能動的に調剤薬局を選ぶ時代となり、生活者の様々なニーズに対応できる薬局のみが生き残っていくと考えられます。

 

◆クオール「Qol」に込めた使命

クオール薬局の「Qol」は、「Qaulity Of Life」の頭文字から生まれたもの。この社名には、医療を通じて患者の質的向上を願うという強い想いが込められています。それは、「私たちはすべての人々のクオリティオブライフに向き合きます。いつでも、どこでも、あなたに」という企業理念からも読み取れます。

 

主力の調剤薬局事業と医療関連事業

同社は1993年、クオール薬局の第一号店を東京日本橋兜町に出店。その後、医療機関と11の信頼関係に基づく「マンツーマン出店」を基本として、北海道から沖縄まで日本全国に調剤薬局を展開しています。マンツーマン薬局は、医療機関との連携を確立することにより、安心・安全な医療を提供することができ、地域や処方元医療機関の特性に合わせることができます。このように同社は、地域に必要とされるかかりつけ薬局として、質の高い医療と健康サポート機能を備えた薬局を拡充することで成長してきました。また、積極的なM&Aを通して、着実に業容を拡大しています。

 

一方で、MR(医療情報担当者)や医療従事者の紹介派遣業や出版事業、医薬品製造販売事業も展開しています。

 

強みは「専門性」×「利便性」

高度で幅広い専門性をもつ薬剤師の育成

同社は、高度かつ幅広い専門性をもつ薬剤師を育成するために様々なプログラムを開発。また高度先進医療に対応するための社内認定制度「QOL認定薬剤師制度」を独自に実施。「QOLがん認定薬剤師」や「QOL糖尿病認定薬剤師」など、薬剤師資格の範囲を超えた高い専門性をもった薬剤師を育成しています。

 

患者の利便性を追求した生活密着型店舗展開

創業以来、地域や処方医療機関の特性に合わせた「マンツーマン薬局」を基本として店舗づくりを行ってきた同社は、「あなたの、いちばん近くにある安心」をスローガンに、利用者の利便性に立脚した多様な形態のクオール薬局を展開しています。ローソンやライフと連携した「街ナカ薬局」、ビックカメラと連携した「駅チカ薬局」、小田急や東急と連携した「駅ナカ薬局」など、さらなる利便性を追求した店舗に出店を加速しています。

 

患者(生活者)視点での価値提供「6つのホスピタリティ」

同社の成長の原動力には、常に生活者視点(患者視点)に立った価値提供があります。以下、クオール薬局が大切にしている「6つのホスピタリティ」を紹介したいと思います。

 

1.どなたにも心地よい場所を目指して

一歩入った瞬間から、くつろげる薬局になるように。クオール薬局は店舗ごとに快適さを追求しています。

 

2.スピーディな調剤でお待たせしません

調剤の正確性と待ち時間の短縮を支えるのは、クオールが独自開発した「クオール・オールインワンシステム」。患者さまの個人情報保護はもちろん、電子薬歴、在庫管理、調剤過誤防止システムを統合管理しています。

 

3.高度先進医療に対応した薬剤師を育成しています

クオールでは、抗がん剤などの高度先進医療に対応するため「QOL認定薬剤師制度」を独自に実施。「頼れる薬剤師」の育成を目的として、研修制度やe-ラーニングシステムなど、教育研修制度の充実に力を入れています。

 

4.異業種と連携し、もっと便利な薬局へ

クオール薬局の目標は、地域の人々が何でも相談できる「かかりつけ薬局」になること。コンビニエンスストアや家電量販店など異業種との連携により、処方箋調剤だけではなく、セルフメディケーションのお手伝いをすることによって、地域のみなさまの健康を支えていきます。

 

5.薬局にこないときも、応援しています

クオール薬局では、服薬指導や健康相談に役立つオリジナルツールもご用意しています。「QOL向上商品」は、患者さまのクオリティ オブ ライフを向上させることを目的に、薬剤師・管理栄養士の知識を活かして開発したプライベートブランド商品。ご自宅でのヘルスケアを応援します。

 

6.在宅治療中の患者さまにお薬をお届けします

クオール薬局では、在宅医療における“かかりつけ薬局の薬剤師”の役割の重要性を見据え、創業当時から在宅医療に取り組んでまいりました。治療効果を高め、服薬の自立を促すとともに、患者さまのADLQOLを考慮した服薬管理、地域の医療従事者と連携を図ることによって、患者さまとそのご家族をサポートします。

 

「非対面で薬を売る」クオール薬局が挑む未来の店づくり

クオール薬局では今、デジタル技術を駆使した次世代店舗の実現に向けての取り組みが始まっています。

 

65歳以上の高齢者の割合が人口の35%に達する2040年を想定し、店のあり方をゼロベースで見直す将来設計を作成するオンライン医療プロジェクトチームを設置。対面を基本とする薬の販売規制の緩和を見据え、ロボットを使う遠隔服薬指導や宅配サービスなどを考えています。

 

すでに実施しているICTを活用したサービスとしては、全国のクオール薬局で患者の個々の情報を照会できる「クオールカード」、パソコンからアクセスできる遠隔ロボット「newme(ニューミー)」を通した健康維持コンテンツンの提供、電話を用いたオンライン服薬指導などがあります。さらにナチュラルローソンを利用したロッカーでの薬の受け渡しサービスも始まっています。

 

今後、病院や薬局への訪問もままならない患者が増えれば、遠隔の服薬指導や薬の受け渡しのニーズはさらに高まることが予想されます。

 

患者が自宅から薬剤師の服薬指導を受けると、薬を積んだ自動運転車が指定の場所に届く。そんな日も近いかもしれません。

 

以上、今回のコラムでは、調剤薬局業界3位の「クオール薬局」成長の背景を見てきました。今回ご紹介した、クオール薬局が提供する「6つのホスピタリティ」には、「クオール薬局」ブランドが躍進してきた本質を見て取ることができます。

 

あなたのブランドや会社も、今一度生活者に提供する価値を明文化して全社で共有してみてはいかがでしょうか。

2021-02-14 16:36:00
ニューノーマル時代は、生活者に支持されるブランディングがますます重要になる。

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

先日のコラム「2020年の家計調査から読み解く生活者心理」2020年家計調査から読み解く生活者心理。 - 「生活者視点マーケティング」 Lifevalue Lab. (womanmarketing.net)でもお伝えしましたが、新型コロナウイルスへの感染防止で外出を控える動きや在宅勤務が広がり、自宅で過ごす時間が増えたことで消費者の行動は大きく変化しています。

 

総務省の家計調査では、202012月の消費支出のうち食料では冷凍調理食品やチューハイ・カクテル、即席麺などが前年同月を上回りました。

 

また、加湿器や空気清浄機を含む冷暖房用器具、ゲームソフトなども増加しています。

 

20年の食品スーパーの売上高(既存店)は、家庭で調理する「内食」需要の高まりなどで前年比5%増加。即席麺大手の日清食品ホールディングスの20412月期連結決算は純利益が前年同期比41%増と過去最高となり、任天堂のゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」は大ヒットしました。

 

一方、家計調査では航空や鉄道などの交通費、パック旅行費、映画・演劇などの入場料、食事代、口紅などへの支出が大きく減少。巣ごもりの恩恵を受ける食品メーカーも、飲食店やホテル向けは落ち込んでいます。

 

また、本日2021214日付日本経済新聞では、スーパーに並ぶ商品の種類が減っていることを報じています。

 

日経POS(販売時点情報管理)のデータによると、2020年に食品・日用品の7割の品目で商品数が減少したとのこと。新型コロナウイルス感染を警戒して、生活者の間に、事前に決めたものを短時間で買って帰る傾向が広がり、定番商品が強さを発揮。小売店やメーカーは品ぞろえを絞っているそうです。

これにより、強い看板商品の少ないメーカーが苦戦を強いられるなど、業界地図に異変が起きる可能性があると伝えています。

 

電子チラシ「Shufoo!」を手掛けるワン・コンパス(東京・港)が2012月から実施したアンケートでは、スーパーでの滞在時間が「20分未満」という回答が41%に達し、コロナ前より11ポイント高い結果に。「事前に買う商品を決めて購入」も3割とコロナ前の2倍に増加。買い物に出かける頻度も下がっています。

 

その結果、なじみがある定番の商品が選ばれやすくなっているそうです。

 

スーパーの販売情報を集める日経POS2012月のデータで主要な670品目(商品数100種以上)を調べると、口紅(18%減)、乳酸菌飲料(13%減)など67%の品目で商品の種類が減少。食品・日用品は多くの商品が小売店の棚を奪い合っており、淘汰が進んでいることが明らかになりました。

 

総務省の家計調査を見ると、消費支出(2人以上の世帯)は家での食事が増えた食料ですら回復がにぶいことがわかります。先行き不透明感で節約志向が続き、メーカーや小売店は商品数を増やしにくい環境です。もともと食品・日用品は消費者の関心を引こうと頻繁に新商品を投入し、商品数が多すぎ、短期間で消えていく商品が多いのも現実です。環境問題や持続可能な社会づくりが叫ばれる中、感染拡大が沈静化しても、商品の淘汰が続く可能性が考えられます。

 

つまり、ニューノーマル時代に企業が成長を続けるためには、生活者になじみのある強いブランドを育てていくことが重要な課題となるのです。