体験消費時代のマーケティングヒント

2020-04-28 14:32:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。

今日の日本経済新聞では、一橋大学の楠木教授がコロナ時代の仕事論を教示してくれていますので、引用してご紹介させていただきます。

「コントロールできないものをコントロールしようとする。ここに不幸の始まりがある。コントロールできないことについてはジタバタしないに限る。世の中には「どうしようもないこと」というのがある。

新型コロナウイルスはその最たるものだ。普通の人ができることは限られている。手洗いやマスク着用など公衆衛生のための基本動作を徹底する。不要不急の外出をせず社会的距離を確保する。リモートワークに切り替える。個人情報を積極的に提供する。できることはこれぐらいで、あとはどうしようもない。

 

今日のわれわれは人類史上空前の「無痛社会」に生きている。昔と比べて世の中の「理不尽」は明らかに少なくなっている。それはそれで社会の進歩だ。しかし、いつの間にか「何でもかんでもコントロールできる」と思い上がっていたのかもしれない。世の中はコントロールできることばかりではない。コロナ騒動はこの当たり前のことを再認識し、生き方を内省する好機だと思う。

 

戦争や疫病と無縁な平時でも、思い通りにならないのが人の世。仕事やキャリアも例外でない。仕事に限って言えば、自己評価には意味がなく「お客」の評価がすべて。「お客」をコントロールすることはできない。つまり仕事というのは、定義からして思い通りにならないものなのだ。

 

競争戦略の分野で仕事をしているので「ストーリーとしてのキャリア戦略」を話してくれというリクエストを受ける。「計画無用、戦略不要」としかいいようがない。

 

仕事生活は長く続く。若い人であれば、10年、20年後に自分が何をもってお客に価値を与えられるかわかるわけがない。キャリアは滑った転んだの経験の中から事後的に見えてくるものだ。だとしたら、ときどきの自然な流れに逆らわず、流れに乗っていく。キャリアとはそういうものだ。

 

美空ひばりいわく「川の流れのように」。テレサ・テンいわく「時の流れに身をまかせ」。合成すると「川の流れに身をまかせ」。ただし、川の流れに身をまかせるにしても「良い流れ方」というものがある。目の前にあるお客をきっちりと満足させ、できれば期待以上の驚きを与える。これを日々繰り返し気長に積み重ねていく。これが良い流れ方だと思う。

 

もちろん、すぐにはうまくいかない。流れていく過程で思い通りにならないことも多い。だが自分の土俵でいい仕事をして、お客にそれをどうしても欲しいと思わせることが実績となり、信用となり、自信となる。この3つさえあれば、他はどうでもいい。」

2020年4月28日 日本経済新聞朝刊より

 

2020-04-27 16:15:00

 

みなさんこんにちは。和田康彦です。

「エシカル」とは英語で「倫理的な」という意味で、法律の縛りはないけれども多くの人が正しいと思うこと、または本来人間が持つ良心から発生した社会的規範を意味します。 

 

そこから派生して、今では、人や社会、地球環境、地域に配慮した考え方や行動のことをさすようになりました。 

 

日本においては、消費者庁が 2015 5 月から 2 年かけて「『倫理的消費』調査研究会」を開催し、エシカル消費の枠組みづくりが行われました。 

 

エシカル消費は間口が広く、「エシカル」という大きな傘の下に「フェアトレード」を筆頭に「オーガニック」や「地産地消」「障がい者支援につながる商品」「応援消費」「伝統工芸」「動物福祉」「寄付付き商品」「リサイクル・アップサイクル」「エシカル金融」など幅広い消費の形があります。 

 

日本では東日本大震災後、被災地の商品を買って復興を応援する「応援消費」が盛り上がりました。また最近では、環境にやさしい企業を支持する人が増えてきています。 

 

今回の新型コロナウイルスの中でも、テイクアウトや宅配の利用で営業できない飲食店を応援する動きが広まっています。

エシカル.jpg 

 

アフターコロナは、すべての環境や人と調和する時代へ。エシカル消費の機運がよりいっそう高まっていくことが予測されます。

 

2020-04-24 16:17:00

 

みなさんこんにちは。和田康彦です。 

 

新型コロナウイルスで外出自粛が続く中、誰もが家で過ごす時間が長くなっています。 

 

スウェーデン発祥のホームファニッシングカンパニーイケアでは、これまで以上に大切な家での暮らしを、より快適にするためのソリューションを提供しています。 

イケア.png

 

イケア公式サイト上のデジタルショールームでは、スマホやパソコンからルームセットを見ることができます。 

 

テレワーク導入により家がオフィスになったり、今まで以上に家で子どもと共に過ごす時間が増えたり。生活が変化しつつある現在、新しいライフスタイルに適応するために、限られた空間から少しでも過ごしやすいスペースをどのように作り出すか、あるいはどう収納に工夫を凝らすかなど、日々の暮らしのアイデアを紹介しています。 

 

今後はイケアのインテリアデザイナーによる、家での暮らしを快適にする実用的なアドバイスの動画なども公開していく予定です。 

 

またインスタグラムでは“#家でイケアとできること”キャンペーンを開催。ハッシュタグから選ばれたポストは、イケアのウェブサイトやインスタグラムで紹介していくそうです。 

 

#家でイケアとできることURL

 

https://www.ikea.com/jp/ja/campaigns/at-home-with-ikea-pub9bf267f0

 

デジタルショールームURL

 

https://www.ikea.com/jp/ja/stores/tokyo-bay/digital-showroom-tokyo-bay-pub51709b1b 

 

外出が規制される中、お客さまと企業がつながっていくためにはデジタルしかありません。女性消費者目線でいかに役立つ情報を発信し、お客さまの幸せに貢献できるか。今、女性消費者はおうち時間を楽しく快適に過ごす知恵やアイデアを求めています。顧客と一緒になってこの難局を乗り越えていこう、という企業姿勢が共感を呼びます。

 

 

 

 

 

2020-04-23 17:27:00

 

みなさんこんにちは。和田康彦です。 

 

台湾、ドイツ、ニュージーランド、フィンランド、アイスランド…。これらの地域・国には二つの共通点があります。 

 

一つはいずれの国も女性が指導者であること。そして二つ目が現時点で新型コロナウイルスへの対策が一定程度奏功していることです。 

 

ドイツのメルケル首相は、パンデミックに迅速に対応し、感染者数と死亡者数を抑えていることで世界各国から称賛されています。 

 

また、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相も3月に観光業を停止し、最も高いレベル4のロックダウンを実施。その結果、人口約500万人の同国では感染者数1409人、死亡者数11人に抑えられています。 

 

台湾の蔡英文総統も中国での新型コロナウイルスの感染発生を確認後、迅速な対応かつ検査の強化やマスクの増産など具体的な対策を行い、感染者数395人、死亡者数6人に抑えています。 

 

カトリーン・ヤコブスドッティル首相が率いるアイスランドは、人口の10%が新型コロナウイルス検査を受けており、世界のどこよりもずっと高い数字を実現し、ロックダウンすることなく、上手く感染拡大に対応しています。 

 

さらに、フィンランドを率いるサンナ・マリン首相やノルウェーのエルナ・ソルベルグ首相の新型コロナウイルス対応も支持を受けています。

 

 

 

では、一体なぜ女性リーダーが迅速で的確な対応で人の命を救うことができているのでしょうか。 

 

私は、女性だけが持つ子供を産み、育てるという「母性」が、直観的にウイルスの危険度を察知し、人の命を救うために何が重要かを判断させたのではないかと思います。 

 

男性リーダーはとかく理性で判断する傾向が強いので、人の命を救うことが大切だとは思いながらも、経済的なことを含めてバランスで考えてしまいがちです。それゆえ、判断が遅れたり、決断が揺れたりしているのではないでしょうか。 

 

それに対して女性リーダーは「命を救う」という目的に対して、すべてを総動員させてまっしぐらに取り組んでいるように見えます。そして、その愚直な想いや行動力がまわりの共感を呼び、多くの関係者を巻き込むことで成功しているのではないかと思うのです。 

 

古来から引き継いできた女性の子を産み育てるというDNAは、今回のような有事の時こそ「腹の据わった」行動として発揮されるのではないでしょうか。

 

2020-04-22 15:08:00

 

みなさんこんにちは。女性を笑顔にするマーケティング研究会の和田康彦です。 

 

新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるい異常なまでの状況下、女性消費者の意識や価値観に大きな変化が生まれています。 

 

リーマンショックや東日本大震災の時も人びとの価値観は大きく変化しましたが、影響を受けたのは一部の人に限られていました。ただ今回は、世界中の老若男女、富める人もそうでない人も同じように命の危険にさらされているのですから、その影響度ははかり知れません。 

 

本当に大切なものは何か?本当の幸せって?多く世界中の多くの人が私たちの人生において何が大切なのかを考えなおしているように思います。 

 

いま、私たちは生きる原点に立ち返り、より少ないもの、必要なものだけで暮らす術を求められているのではないでしょうか。 

 

また、気候変動という差し迫った問題を改めて考えさせられるきっかけにもなっています。今回のウイルスも地球の生態系のバランスが乱れてきていることと無縁ではないような気がします。 

 

これからの企業は、地球環境への影響を無視した商品づくりやムダな経営はもはや成り立ちません。消費者にとって本当に必要なものを高品質で、サスティナブルな仕組みで提供できる企業に生まれ変わる必要があります。 

 

そのためには、自企業だけでなくサプライチェーン全体でムダなく、地球にやさしいシステムを構築していかなければいけません。 

 

女性消費者は今後、今まで以上に社会的意義のあるブランドや企業を支持していくことは間違いありません。

 

 

 

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