体験消費時代のマーケティングヒント

2023-10-11 12:33:00
日々の経営において、「即断、即決、即実行」を心がけていますか。

みなさんこんにちは、顧客創造マーケティングの和田康彦です。

 

▪開発からわずか3ヶ月でリリースにこぎつけたLINE

今やスマートフォンユーザーのほとんどの人が利用しているLINEの登録者数は、約9500万人(20236月末)。私たちの日常生活になくてはならないコミュニケーションアプリに成長しました。

 

LINEがリリースされたのは、2011年の623日です。その年の3月、東日本大震災が発生。被災地では電話回線がつながりにくくなりコミュニケーション手段が途絶えてしまう事態に陥りました。

 

そこで、NHN Japan傘下のネイバージャパンは、ネット回線を利用したメッセージアプリの開発に着手。震災からわずか3ヶ月でLINEのリリースにこぎつけました。その後10月には無料通話とスタンプ機能をプラス。リリースから半年で1000万ダウンロードを達成しています。

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現在のLINEの確固たるポジションを生み出した原点は、当時の顧客ニーズを素早くとらえ、驚くほどのスピード感でリリースできたことに尽きると思います。

 

わずか1年余りで会員数83万人。スピード成長の「chocoZAP

また、先日も取り上げたRIZAPグループ(東京都/瀬戸健社長)が運営する会員制トレーニングジム「chocoZAP」(チョコザップ)http://womanmarketing.net/info/page/3

は、20227月のスタートからわずか1年余りで、会員数83万人、店舗数は1026店(20239月末)とスピード成長を遂げています。

 運動習慣にない人や女性にターゲットを絞って急成長する、チョコザップの差別化戦略とは。

インターネットやテクノロジーの進化によって、時代が変化するスピードやモノや情報が広がるスピードは、10年前と比べても桁違いに早くなっています。そのような環境の中で、経営におけるスピードの重要性も年々高まってきています。

 

ピラミッド型組織からフラットな組織へ

日本の企業文化は、縦型のピラミッド型組織が一般的であり、昔から報連相、つまり報告、連絡、相談が重視されてきました。

 

今でも、報告のために分厚い報告書を作成したり、何枚ものパワーポイントの資料を作成することに時間をかけている企業が多いのではないでしょうか。

 

日本の企業では、「報告や計画書を作ることが仕事である」と勘違いしている人がまだまだ大勢を占めているような気がします。

 

もちろん、計画や準備をすることは非常に大切なことですが、実行力がなければ、計画も準備も絵に描いた餅になってしまい、成果を上げることはできません。

 

このような企業風土を生み出してきた背景には、日本企業の減点主義による人事評価が影響しています。失敗すると減点されてしまうという恐怖心から、社員はチャレンジしなくなり、上司からの指示を待つ「指示待ち人間」を大量に生み出してしまったのです。

 

つまり、スピード感を重視した経営を実現してくためには、フラットな組織文化を醸成していくことが何より重要になってきます。

 

アイデアや意見の中身を正しく議論し、即断、即決、即実行する

例えば、星野リゾートの星野佳路氏は、経営情報を公開すること、役職で呼ぶことを禁止すること、立派な机など偉い人信号をなくすことを通して、一人一人が自由に意見を出せる環境をつくることに専念してきました。

 

そして、誰が言ったかではなく、「何を言ったか」を重視することで、アイデアや意見の中身を正しく議論し、即断、即決、即実行することで、国内はもちろん海外でもブランド力の高いリゾート施設を運営する会社に変貌を遂げてきました。

 

スピード経営を実行するためには、まず自律型組織の醸成から

ところで、スピードという言葉には、「他に先んじるはやさ」と「仕事を素早くやる」のふたつの意味があります。

 

世の中の変化がますます早くなる中、経営者は常に感度の高いアンテナを張り巡らせ、状況の変化を誰よりもはやくつかまえていかなければいけません。

 

また、従業員がキャッチしたちょっとした変化も、いつでも経営層に届く仕組みづくりの大切です。

 

経営は変化に時代の変化に対応していくことがとても重要です。そのためには、日ごろからつとめて従業員の声を聞き自由にものを言いやすい空気をつくっておくこと、できるだけ仕事を任せて自主性を活かしていくことなど、自律型組織を醸成していくことが何より重要なポイントになります。

 

ところで、ユニクロを展開するファーストリテイリング社の社名は、直訳すると「はやい小売業」です。

 

「お客様の求めているものをいかに素早くキャッチして、いかに早く商品化して、いかに早く提供するか」という行動指針を会社名に表しているそうです。

 

スピードを重視した経営こそが、グローバルブランド確立の鍵といえそうですね。

 

 

2023-10-10 15:29:00
昨日より今日、あなたの会社は進化していますか。

みなさんこんにちは、顧客創造マーケティングの和田康彦です。

 

「経営とは、スポーツである」

大リーグで活躍する大谷翔平選手もかつてのイチロー選手も、もともと運動能力に恵まれていたとはいえ、所詮人間ですから宇宙人のような並外れた運動能力を持っていたとは思えません。

 

地道なトレーニングを毎日毎日繰り返し徹底してやり抜くことで、並外れた能力が開花したのだと思います。つまり、一日一日、あたり前のことを当たり前に積み重ねていく先に進化が生まれるのです。

 

経営も同じことが言えます。あなたの会社は、昨日より今日、少しでも進化していると思いますか。

 

昨日よりもバックヤードが整頓されて働きやすい環境になった。

昨日よりも、商品陳列が整理整頓されて、商品を選びやすくなった。

昨日よりも今日は欠品率が下がった。

昨日よりもスタッフの笑顔が多くなり、明るい職場になった。

昨日よりも、スタッフがテキパキと動いている。

 

などなど、一日一日、地道なことに磨きをかけていくだけであなたの会社は日々進化していきます。

 

そして、お客様はその微細な進化に反応し、また来店しようという気持ちになってくれるのです。

 

経営にとって一番大切なことは、スポーツ選手と同じように、地味なトレーニングを毎日欠かさず徹底してやり抜くことです。

 

トレーニングとは、掃除であったり、挨拶であったり、発注精度であったり、日々の業務そのものです。

 

そしてあらゆるプロセスを見直して、コツコツと無駄を省く工夫を繰り返し改善していくことも大切です。

 

一日一日、目の前のお客様一人一人を大切にして、少しでも喜んでいただくことに集中する。

経営は、あたり前のことを当たり前に実行する会社だけが成長します。そして、日々チェックし、次の方向を考え計画を見直すことも大切です。

 

一週間に一度、先週に比べて、何がどのように進化したのか、従業員と話しあってみましょう。来週、さらなる進化を遂げていくために。

 

2023-10-10 12:51:00
お客様に心から喜んでいただくために大切な3つのこととは。

みなさんこんにちは、顧客創造マーケティングの和田康彦です。

 

前回は、会社は「お客様のため」に存在し、お客様を喜ばせることこそが企業経営の原点であるというお話をさせていただきました。

 

今回は、お客様に心から喜んでいただくためには、どのような心構えを持つべきかという点について、3つの視点からお話させていただきます。

 

    どんな時も、お客様がビックリすることを考えることを習慣化しよう。

例えば、アップル社からiPhoneが発売されたとき、世界中の人々は、その機能はもちろん、片手で撫でるように操作できる斬新さに目を奪われました。

 

アップル社は、iPhone発売前からも、斬新なデザインのMacや、本体に搭載されている記憶装置に数百から数万曲の音楽を保存することができる携帯型デジタル音楽プレーヤーiPodなど、世界中の人々がビックリする革新的な商品を次々に生み出し、今や世界有数のブランド価値を持つ企業に成長しました。

 

また、ユニクロは、当時高価だったフリース素材の服をビックリするような低価格で売り出したり、薄くて暖かいヒートテック素材を開発したりするなど、私たちを感動させるモノづくりで世界を代表するアパレル企業に躍進しました。

 

このように、お客様がこれまでに体験したことのない商品や感動するサービスを常日頃から考えることを習慣化し、お客様が欲しいと思っているものをお客様が想像もしない形で提供することが、お客様に心から喜んでいただくために大切なポイントとなります。

 

    お客様の潜在ニーズや本質的な欲求に目を向けよう。

先ほどのアップル社のiPhoneiPodも、誰もが想像もしていなかった画期的な商品でした。お客様に、「今どんな商品が欲しいですか」と尋ねても、決してiPhoneiPodのアイデアは出てこなかったでしょう。

 

お客様の要望に応え、期待を超えるような商品やサービスを開発するためには、「お客様がどんなことを考えているのか」「お客様がどんなことを実現したいと考えているのか」「お客様にとって幸せとはどんな状態なのか」など、徹底的に知ろうとする好奇心や努力が必要になってきます。

 

とはいえ、お客様に直接聞いた要望やアイデアをそのまま鵜のみにして商品をつくっても、思ったほど支持されないという結果になることも多々見受けられます。

 

なぜなら、お客様は、自分が本当に求めているものは何かという潜在的なニーズには気づいていないからです。

 

お客様は、自分がまだ見たことのないモノや体験したことのないモノを求めています。ですから私たちは、お客様がまだ見たことのない商品やサービスを具現化して、「あなたが欲しいと思っていたものは、これじゃないですか」ということを繰り返し繰り返し提案していくほかはないのです。

 

つまり、重要なことは、過去を分析する論理的なアプローチではなく、お客様の心の状態を推察する想像力なのです。

 

そのためには、「こんな商品やサービスがあれば、きっとお客様は幸せになるだろうな」と、お客様の幸せな姿をどんな時も空想していることが大切です。

 

    「自分たちが本当に満足できるもの、お客様に薦めたいもの」を販売しよう。

「せっかく割引価格で購入できる社員販売制度があるのに、毎年利用者が減っている」というお話をある経営者からお聞きしたことがありました。その会社は、年々売り上げを落としていき、ついには倒産してしまうという悲しい事態に陥りました。

 

あなたの会社で働いている授業員は、あなたの会社の商品を利用していますか。

 

お客様に心から喜んでいただきたいと思ったら、その商品やサービスを提供する従業員一人一人がその商品やサービスに誇りを持ち、心から愛して、お客様に薦められるものでなければなりません。

 

従業員一人一人が自慢できるような商品やサービス、お店作りをすることがお客様にファンになってもらうための王道です。

 

売り手が自信がないモノ、売り手の愛情が伝わらない商品やサービスや接客は、お客様にすぐに見抜かれてしまいます。

 

「自分たちが本当に満足できるもの、お客様に薦めたいもの」を販売できているかを、今一度従業員の皆さんと確認してみましょう。

2023-10-10 11:29:00
お客様を喜ばせたいと腹の底から思っていますか。

みなさんこんにちは、顧客創造マーケティングの和田康彦です。

 

突然ですが、「会社は誰のためのものですか」と質問されたら、あなたは何と答えますか。「株主のため」「社員のため」など、色々な答えが聞こえてきそうですが、本質は「お客様のため」です。

 

お客様のためにを徹底していくことで、成果を生み出し、結果として株主や社員も幸せになれるのです。

 

商売の原点は、どんな時代でも「お客様のため」にあります。「そんなこと当たり前で、重々わかっている」という声が聞こえてきそうですが、案外、お客様のことを忘れて、自己都合で商売しているケースも多く見受けられます。

 

例えば、商品開発や品揃え、売り場づくりや接客、広告宣伝やチラシ作り、ECサイトの使い勝手や商品の配送、販促施策や支払い対応、クレーム処理に至るまで、商売に関するあらゆることを、お客様視点に立って考え行動できているでしょうか。あなたの会社でも今一度点検してみてください。

 

商売は毎日、お客様から投票をいただいているようなものです。投票=お客様にお支払いいただくお金で商売は成り立っているので、お客様を真から喜ばせようと思って日々活動していないと、お客様はあなたの会社に投票してくれなくなります。

 

お客様を喜ばせたいと腹から思うことで、創意工夫やアイデア、知恵が沸いてきます。商売の神様は、きっとあなたの会社を成長に導いてくれるに違いありません。

 

何か特別なことをしなくても、お客様を喜ばせることに集中していくことで、お客様はきっとあなたの会社のファンになってくれます。

 

顧客創造の原点は、お客様を喜ばせることにあります。

2023-10-10 10:37:00
突然訪れる会社の危機に対する準備はできていますか。

みなさんこんにちは、顧客創造マーケティングの和田康彦です。

 

ここまで、「使命感の追求こそ、経営者の本道である」ということを何度もお話してきました。

 

とはいえ、全社一丸となって、誠実に使命感の追求に邁進していたとしても、大地震や水害などの気候変動リスク、リーマンショックのような経済危機がいつ何時訪れるかわかりません。

 

使命感を追求する経営者は、このような突然訪れる会社への危機に対して、いつでも対応できるように準備しておくことも重要です。

 

つまり、あらゆる危機を想定して、経営者として自分がとるべき行動原則を日ごろから準備しておくことが、あなたの会社を守り抜いていくために必要なことなのです。

 

ファーストリテイリング社の柳井正氏は、自著の「柳井正の希望をもとう」という書籍のなかで、危機に対する心構えや行動原則を述べていますので参考にしてください。

 

    まずは経営者として先頭に立つ。何かが起こったら、率先して情報を収集し、できるだけ早く対応策を決断し、具体的な行動に落とし込む。

    その決断に沿って、各現場のリーダーが権限を持って、刻々と変化する現実に対応していく態勢を整える。

    また、従業員や社会に向かってはすぐに第一声を準備する。準備ができ次第、なるべく早く発信する。

    その際、自分たちにとって不都合で、過酷な現実であっても、それを直視し、受け止めることが重要。何よりも大切なことは情報公開である。

    きちんと情報を公開することで、従業員や世間一般との間に信頼関係ができる。危機に際して世の中との信頼関係を築くのもトップの役割である。

 

いかがですか。このところ企業や政治家の不祥事が相次いでいますが、ほとんどの企業や政治家は、真実を公表せず、社会との信頼を断ち切るような行動をとっている事例を多く見かけます。

 

突然の危機が訪れた時も、経営者は自社の使命感の上に立った判断をし、使命感を追求していくための最善の行動をとっていかなければいけません。

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