体験消費時代のマーケティングヒント
みなさんこんにちは。和田康彦です。
あなたのご家庭ではモノを買う時や旅行プランを検討する時、あるいはスマホの契約会社を選ぶときなど、最終的に誰の意見や意思で決めることが多いでしょうか。
我が家の場合を振り返ってみると、食品から日用品、家電製品などほとんどのものが妻と一人娘の意見によって決められていたことに改めて気づきます。またマンションや車といった高額商品を購入する際も、最終的に契約書に押印したのは私でも、そこに至るまでには女性である妻の考え方や嗜好、理想とするライフスタイルなど彼女の影響力が相当大きかったことを思い出します。現在、マンションのリフォームを考えているところですが、こちらも妻の理想を聞きながらプランを練っているところです。
このように、女性が消費に影響力を持つことは今や当たり前。ある調査によると、消費の8割は女性が意思決定権を握っていると言われています。日用品をはじめ、旅行、食事、レジャー、教育、贈答品、家電用品、さらにはクルマや住宅・リフォームなどの消費も、ほとんどのケースで女性が意思決定していると言っても過言ではありません。また、20~50代の既婚女性に聞いた調査では、約7割の家庭では妻が家計管理をしていると回答しており、財布の紐も女性である妻ががっちり握っていることがわかります。
つまり、消費者向けの商品・サービスを扱う企業においては、女性ファンを増やすマーケティングを実践し、女性客に選ばれる企業やブランドにならなくてはもはや生き残る道はありません。
最近結婚した娘を見ていても、式場決定から当日のプランニング、引き出物や料理、パートナーの衣装に至るまでほとんどの選択を彼女がリードしていました。また付き合い始めた頃からすでにパートナーのファッションは彼女が選択しており、いまや男性ファッションとて、女性に選ばれないと売れない時代になってきているのです。ユナイテッドアローズやビームスなど人気のセレクトショップが、メンズとレディス、あるいはキッズまでを複合した品揃えを強化してきているのも、女性がパートナーである男性の洋服選びに影響を及ぼしている時代を象徴しているように思います。
☛消費が成熟化しモノが売れなくなる時代になっても、生活者の「しあわせになりたい」という欲求は決して小さくなることはありません。そもそも消費とは「しあわせになりたい」という欲求を満足させるための行為といってもよいと思います。だとすれば、消費の8割を握ると言われている女性が今どんな「しあわせ」を求めているのかを理解し、満足させられる商品やサービスを提供すれば必ず女性客から選ばれるお店やブランドになることができるのです。
みなさんこんにちは。和田康彦です。
iPhoneもスターバックスもディズニーランドもインスタグラムも顧客のニーズを聞いて生まれたものは一つもありません。
顧客には、自分の欲しいものが分からないのです。
それらの商品やブランドは、ただ開発者たちが自分が作りたいから創ったのであり、人がきっと気に入ってくれるに違いないという確信があったから生まれたのだと思います。
決して、入念なリサーチや過去の成功事例やマーケティングセオリーから生まれたものではありませんね。
多分、私たちをワクワク・ドキドキ幸せな気持ちにしてくれる商品やサービスを開発した人に共通しているのは次の質問ではないでしょうか。
「顧客のハートに火をつけるためにはどうすればいいか」
「女性のハートに火をつけるには、ワクワク・ドキドキさせること」が一番大切です。
さぁ、あなたも私も「女性のハートをワクワクドキ・ドキさせるにはどうすればいいか」を常に質問し続けましょう。
みなさんこんにちは。和田康彦です。
あなたの周りにも、普段の何気ない所作が上品で美しい人が何人かいると思います。
そのような人は、私の周りにもいますが、多分、幼少期の頃から厳しくしつけられて、身体の隅々にまで「美しい所作」のDNAが宿っているのではないかと思います。
さて、企業に目を向けても、組織のDNAや自社の美学や哲学をしっかり浸透させているプロセスから生み出される商品やサービスには、一点の曇りがなく、そうした一連のアウトプットを連ねる「一貫性」があります。
確固たる価値観が組織に浸透し、その価値観が業務プロセスを制御するようになれば、組織の自助作用で、製品やサービスには高い付加価値が生み出されます。
何年も続く欧州のラグジュアリーブランドには、女性を魅了する美しい本物の価値が宿っています。だから見ているだけでもワクワク・ドキドキし、高くても買ってしまうのですね。
普段の業務プロセス、普段の活動の隅々にまで組織が持つ価値観が浸透してはじめてアウトプットされる製品やサービスに違いが生まれます。そして、その「違い」を世の中に浸透させることでブランドになるのです。
みなさんこんにちは。和田康彦です。
日本も欧米諸国も、大量生産、大量消費の物流経済は何年も前に終わって、現在は価値を重視する価値経済になりました。
商品やサービスも人間の五感に訴え、ドキドキ・ワクワクを提供する五感商品が主役です。
企業活動の基軸がモノの提供から、体験や経験といった使用価値(コト)の創出と提案になったのです。
安いから売れる、ではなく、気持ち良いから、楽しいから売れる、という新しいモノサシが生まれました。
五感商品は人間の感覚に訴えかけます。デザインが良い、肌触りが素晴らしい、美味しい、良い香り、心地よい音・・・。さらに健康によい、環境にやさしいという、物量経済の工業製品ではなおざりにされてきた評価軸が加わってきました。
人と人の絆を育んでくれる、というつながり価値も大切になってきています。
「女性マーケティングラボ」がフォーカスしているのは、あくまでも「人間そのもの」や「人と人の絆」です。消費者、特に女性は客観的、「論理的な情報ではなく、あくまでも好きや嫌いといった主観的な感情で動かされています。
これからの時代は、近代科学が切り捨ててきた人間的アプローチこそが、顧客の心を動かすうえで重要になってきます。
「女性マーケティング」では、現象的なアプローチ、すなわち「人の思い」や「印象」「感情」「五感」といったモヤモヤしたものを対象にしているのでわかりづらい点もあるかもしれませんが、今やすっきりとしたマーケティング理論で人は動きません。好き嫌いなどの極めて人間的な要素で動いていることを改めて認識することが大切です。
みなさんこんにちは。和田康彦です。
最近は大切な打ち合わせもメールで済ませてしまうことが多くなりましたが、本当にそれで良いのかなと思うことが度々あります。
ビジネスは、あなたの会社と B社との法人取引が基本です。ただ、実際は会社対会社といった抽象的な関係でなく、購買窓口のあなたと営業マンのBさんという顔の見える人間関係が決め手になると思うのです。二人のウマが合う、合わないという人間ならではのモヤモヤ・ドロドロがビジネスの成否を決めているのではないでしょうか。
つまり、相手との絆をいかに太く、強固にするかが、営業という仕事であれば成果を出すポイントになります。だからこそ、たまには電話する、実際に会って打ち合わせするといった人間味を感じる時間をあえて作ることがますます重要になっていくと思います。
社内でも同じことが言えると思います。「忘年会スルー」や「新年会スルー」といった言葉も聞かれますが、たまには同僚や上司とはランチをしたり、お茶したりして井戸端会議をすることが、イノベーションを生み出すきっかけになると思います。