体験消費時代のマーケティングヒント
みなさんこんにちは。和田康彦です。
総務省は11月30日、2020年国勢調査の確定値を公表しました。国勢調査は、人口や就業実態などを把握するため5年に1度実施する調査。日本に3カ月以上住む外国人も含み、日本に在住する全員を対象にしているため調査結果が最も実態に近いとされています。
今回は、2020年の国勢調査結果から、マーケターとして押さえておきたいポイントを整理してみました。
▶総人口は、1億2614万6099人(前回調査より94万8646人減少。2回連続で減少。39都道府県で減少。)
▶65歳以上人口は、3602万6632人(前回調査より6.6%増加。高齢人口比率は過去最高の28.6%。65歳以上人口の割合は世界で最も高い)
▶14歳以下人口は、1503万1602人(前回調査より5.8%減少。14歳以下人口の割合11.9%は世界で最も低い)
▶生産年齢人口(15~64歳)は、7508万7865人(前回調査より3% 226万6232人減少。総人口に占める割合は59.5%で70年ぶりに6割を切る。1995年のピーク時は8716万4721人。)
▶世帯数は、5583万世帯(前回調査より4.5%増加、過去最高。)
▶一世帯人員は、2.21人(前回調査より0.12人減少。)
▶単身世帯数は、2115万1000世帯(前回調査より14.8%増加、全体の38%を占める。)
▶単身高齢者は、671万6808人(前回調査より13.3%増加。男性230万8171人、女性440万8635人。65歳以上の5人に1人が単身生活者。)
▶50歳時点での未婚率は、男性25.7%、女性16.4%(2000年調査時は、男性12.6%、女性は5.8%)
以上、2020年の国勢調査結果~マーケターが押さえておきたいポイントを整理しました。年々進む高齢化、少子化、単身化、未婚化で日本の消費市場は縮小傾向を辿っていくことが予測されます。
縮小する市場の中で、いかに生き残っていくか。そのカギを握るのは、一人一人のお客様を大切にして末永いお付き合いをしていくことのほかに道はありません。
みなさんこんにちは。和田康彦です。
讃岐うどんチェーン「丸亀製麺」などを展開するトリドールホールディングスの業績が、コロナ禍の中でも好調です。
同社の2021年9月中間決算(国際会計基準)は、丸亀製麺の「うどん弁当」の販売増などを受け、売上高が20、7%増の766億円、純損益は54億円の黒字(前年同期は20億円の赤字)となりました。今年4月発売のうどん弁当はコロナ禍の持ち帰りニーズに合い、約半年間で1300万食を超える好調な売れ行きになっています。
コロナ禍で時短営業を余儀なくされた飲食店の多くが、活路を見いだしたテイクアウト。中でも、丸亀製麺は「うどん弁当」の導入で頭一つ抜けるヒットを飛ばしました。
2021年4月に発売した「丸亀うどん弁当」は、6月までだけで約31億円を売り上げ、半年で1300万食を突破。5月からは持ち帰りの専用窓口も設け、国内の丸亀製麺800店舗強のうち約100店舗に設置しました。その結果、店内での飲食需要の落ち込みを補い、4~9月期の丸亀製麺の既存店売上高は18%増えました。
人気の理由は、手軽さと安さ。お店と全く同じ打ちたて、ゆでたての冷たいぶっかけうどんが、別に入っているだしをかけるだけで自宅で手軽に食べられ、揚げたてのてんぷらが付いて1食390円(税込み)からと、店舗で同じ組み合わせを頼むよりも安いことがテイクアウト需要を掘り起こしました。
「コンビニ弁当はもう飽きた」「デリバリーは便利だが、出費がかさむ」――。長引く巣ごもり生活で、これまでの中食に不満を募らせていた消費者の心をつかんだ結果と言えます。モバイルオーダーの導入や、注文・受け取り専用窓口の設置など、感染リスクを抑える工夫で安心感を演出したことも奏功しました。2021年7~8月には、「丸亀こどもうどん弁当」を販売。ファミリー需要をさらに多く取り込んでいます。
好調の理由をトリドールHD社長 粟田貴也氏は2021年11月25日付日本経済新聞で以下のように語っています。
「飲食店へ足を運ぶ動機づけには、商品にストーリーが必要だ。『丸亀製麺』では店内での手作りや出来たてにこだわり、店舗を製麺所に見立て来店客の前で披露することに意味があると考えている。持ち帰り弁当も単なる物販では選ばれない。消費者の感情に訴えかける接点が重要だ。マネジメント部分はデジタルで限りなく省力化し、接客に人を充てる。需要の掘り起こしには地域に密着した人材登用を通じた『現地化』が大事で、今後は地域を知るパートらを店長にしていきたい」
粟田社長が語っているように、丸亀製麺が好調なのは、消費者の感情、つまり五感に訴求し、お客さんの心を動かすことに成功した結果と言えます。
店舗を製麺所に見立て来店客の前で手作りや出来立てを披露することで、丸亀製麺のこだわりや価値がお客さんに伝わり、その結果心が動いて、購入に結びつく。お客さんに買うという行動を起こしてもらうためには、お客さんの心を動かさなければいけません。
みなさんこんにちは。和田康彦です。
東京や大阪を中心に駅ナカや駅近で見かけるオシャレな花屋さん、青山フラワーマーケットは、「Living With Flowers Every Day」をコンセプトに、 花や緑に囲まれた心ゆたかなライフスタイルを提案するフラワーショップです。
1989年に事業を開始した青山フラワーマーケットは現在、国内に117、海外に2店舗を構えています。運営するパーク・コーポレーションはほかにも、植物を身近に感じられるカフェや、フラワースクール、植物を取り込んだ空間デザインなど複数の事業を展開しています。
2011年度の売上は52億9000万円、その後順調に成長し2019年度は87億3000万円にまで拡大。女性はもとより最近では男性客も取り込み、年間400万人以上のお客様に花のある生活を提供して人気を集めています。
●日本の生花マーケットは法人向けが中心
日本で最も売れている花は、菊、ユリ、バラ、カーネーション、胡蝶蘭、トルコキキョウで、これらで卸売市場の60%以上(金額ベース)を構成しているといわれています。つまり、日本の花き市場の需要の中心は、胡蝶蘭に代表されるギフトや葬儀といった法人需要であり、個人の需要としては、母の日に購入されるカーネーションが突出しているのが現状です。
多店舗展開している生花販売業者は多くはありませんが、そのほとんどの主要顧客は法人であり、ギフト需要に応えるために高価な胡蝶蘭や大輪のバラやユリを常に在庫。多くは結婚式の需要に備えてホテルに出店しています。
一方で、個人の需要をターゲットとする生花販売業者は、持ち帰りの利便性を考慮して住宅地の駅周辺や住宅街の中に出店。ほとんどの店が、個人需要の中心となる母の日のカーネーションと、仏壇に飾る仏花を頼りに商売を続けています。ただ、これらの需要だけで売り上げを安定させることは容易ではないので、地域のレストランやブティック、オフィスなどと活け込みの契約を結んだり、フラワー・アレンジメントの教室を開いています。
●花を通した「ライフスタイル提案」で幸せを届ける
青山フラワーマーケットのコンセプトは、「Living With Flowers Everyday」(花のある時間と空間)を提供すること。「Private & Daily」(個人の日常使い)の花に特化し、自らの事業を「花」を販売するのではなく、花がある生活を届けるサービス業と定義しています。
パリのマルシェをイメージした店内には、産地にこだわった季節の花を豊富にディスプレイ。洗練されたイメージを保ちつつ、新鮮で多様な種類の花を安価に提供することで、日常の生活に手軽な価格で花や緑を取り入れたいと考えていた女性の潜在需要を掘り起こしました。
●オシャレな花や珍しい花を買いやすい価格で提供
青山フラワーマーケットがオシャレな花や珍しい花を買いやすい手軽な価格で提供できるのは、
①「Private & Daily」な花なので、ギフトの花束によく使われる赤いバラなどを常時仕入れる必要はなく、旬のものを仕入れることで仕入れ値を抑えられる。
②また、「Private & Daily」な花は、需要が安定する傾向があり、ロス率が低いため高い原価率で提供できる。
③さらに、青山フラワーマーケットは駅ナカや駅近など、人通りが多いところへ多店舗出店することで、商品の回転率を高め、廃棄ロス率を低くすることができる
④多店舗出店することが、出店コストの削減や仕入れコストの低減にも繋っている。
以上のような点が挙げられますが、まさにフラワービジネスのイノベーターといってもよいでしょう。
●年間400品目以上、バラ1品種でも900以上の品種を扱う
青山フラワーマーケットの魅力は、いつ訪れても珍しい花の品種に出会うことができ、常に新しい発見があることです。取扱う品種は年間400品目以上。同じバラ1品目でも900以上の品種を扱っており、好奇心旺盛な女性の購買意欲を高めています。
この種類の豊富さが、店頭では多彩な色や質感を印象づけながらも全体として落ち着き感をアピール。野性味と洗練が共存する同店ならではの魅力を発信しています。さらに同社では新しい品種開発にも積極的に取り組み、他社には真似できない提案力を磨き続けています。
●冷蔵ケースのない、独特の雰囲気を生み出す店づくり
これまでの花屋では、ガラスキーパーといわれる冷蔵庫に生花が収められていることが常識でした。青山フラワーマーケットでは、この常識を覆し、店舗で花を買う経験を顧客が楽しめるものにするため、花をガラスのキーパーに入れず、近距離で香りを確かめながら花を選べるようにディスプレイしています。
顧客と花を隔てない店づくりは、訪れたお客様が近距離で花の香りを楽しめると同時に、花の色見や質感とも相まって五感を刺激され、「欲しい」という気持ちを高めることにつながっています。
また、全ての商品には価格を明示し、花についての情報を黒板やPOPによって伝達するなど、お客様の立場に立ったわかりやすい店づくりに取り組んでいます。
●人気の小さなブーケ「ライフスタイルブーケ」が売上を牽引。
同社の品揃えの特徴は、個人が日常に飾るのに適した多様な花の品揃えに特化している点にあります。例えばバラは中程度の茎の長さのものを常に多種類揃えていますが、法人需要で求められる大きなアレンジメントを作るのに必要な茎の長い高価なバラや胡蝶蘭はおいていません。また仏花に使われる伝統的な菊もおいてありません。
さらに同社の成長を牽引するのが、顧客が即座に持ち帰ることができるプレアレンジド・ブーケの提供です。個人が自分のために飾ると位置づけられたブーケは、さりげない、しかも素人には真似のできない組み合わせの小さな花束で、価格は350円から1500円。「キッチン・ブーケ」、「リビング・ブーケ」、「ダイニング・ブーケ」などの商品名で販売しており、通りすがりの人でも手にしやすく、衝動買いを誘っています。
さらに店頭では、ブーケに合うオリジナルのちょうどいいサイズのグラスを販売するなど、ブーケとのついで買いを促進しています。
●顧客の立場に立ったきめ細かなサービス
同社は常にお客様の立場で考えることを最重視しています。花屋の都合でお客様のことを考えるのではなく、顧客の視点でより良い体験の提供を目指してきたことが、成長を支える原動力になっています。
顧客と対面で向き合うのではなく、むしろ横に立ち同じ方を向くことを大事にしている青山フラワーマーケットは、花には必ず切り花用の鮮度保持剤を添え、お客様が一日でも長く楽しめることにこだわっています。
また、アレンジメントなどを入れる配送用の箱は、配送時に花が開いてしまうことも考えて大きめに制作。ブーケを束ねる輪ゴムは目立たない白を採用。切り花を入れる袋は、花が飛び出さないようにちょっと大きめに作ったり、小さな花束には袋の中で揺れても気にならないように小さめを作るなど、お客様の立場に立った小さなこだわりが女性ごころをつかんでいます。
さらに、市場から店までの花の輸送は陶器の運送を専門に行っていた運送会社に依頼。近い距離から眺められることの多い日常の花にとって、輸送中に花弁が折れたりしないことは最重要。陶器を扱っていた運送会社に依頼することで、花の品質を維持して店に届ける物流を実現しています。
●店舗に権限移譲、現場の挑戦力が成長を支える
同社の成長を支えているのは、20~30代を中心とした若い従業員が主体性をもって挑戦し続ける人材力です。青山フラワーマーケットでは、「Private & Daily」な花のニーズが店の客層によって異なるため、店舗に発注権限を与えています。さらに、店のスタッフの採用から収益管理まで店舗に権限移譲することによって、最適な発注と売り場構成が可能となり、廃棄率の低下にもつながっています。権限移譲は人材育成の機会ともなり、店舗運営の継続的な効率改善につながっています。
●2016年には、「幸せな気持ちになれるブランド」評価第一位を獲得
ここまで見てきたように、同社の価値提供は、モノとしての生花の販売ではなく、「Living With Flowers Everyday」(花のある時間と空間)というコンセプトの実現にあります。
「花のある時間と空間」は、店舗での購買経験に始まり、自宅までの移動の時間と空間、自宅での時間と空間までを含んでいます。そこで同社は、店舗での購買経験をより心地よいものにするために、新しい品種を積極的に取り入れる品ぞろえ、洗練されたビジュアル・ディスプレイ、商品知識豊富な店員の育成に注力してきました。
さらに自宅までの移動の時間も心地よくするために、オリジナルの紙袋やボックスの提供を行なっています。また、自宅で花を楽しむ時間を考慮して、保水ジェルによる水切れの防止、延命剤の添付なども行っています。
そして「1店舗まるごと経営」により、花や緑の知識をつけてお客様へ発信すること、お客様に喜んでいただくためのフェアの企画運営、自店の商品企画、スタッフマネジメント、商品管理(仕入れ・在庫管理など)、売上原価・人件費管理など、お店を「経営すること」は全てショップマネージャーに委譲。 店舗毎に異なる品揃えやディスプレイで顧客に感動を届けると同時に、各地域に根差したサービスや接客力がリピーターを生み出す経営力につながっています。
その結果、2005年にはデザイン・エクセレント・カンパニー賞、2007年には日本フラワービジネス賞、2009年にはポーター賞を受賞。さらに2016年には、日経リサーチ社による消費者調査、日本店大賞生活雑貨部門で「幸せな気持ちになれるブランド」評価第一位を獲得しました。
まさに「女性が幸せになるマーケティング」のお手本といっても過言ではない青山フラワーマーケット。
まずは、近くにあるお店を訪ねてお客様の立場でその魅力を体感してみてください。きっと、あなたの会社のマーケティングイノベーションのきっかけになることは間違いありません。
みなさんこんにちは。和田康彦です。
そごう横浜店は11月2日から15日の期間、3階プロモーションスペースに「アウターフィッティングセンター」を設置しています。
新たな取り組みとなる「アウターフィッティングセンター」では、メンズ、レディース合わせて33ブランド、約100着のコートを自由に試着可能できます。
売場開設にあたって顧客にコートに関するアンケートを実施したところ、90%以上の顧客が試着をしたいと回答している反面、接客をして欲しくない顧客が約50%であることに着目。従来の接客して販売する売場の他に、接客をせずに試着だけができる売場をそごう横浜店に期間限定で開設しました。
そごう横浜店の各ブランドで取り扱っているアウターの中からお勧め商品を一堂に集合。接客をされることなく、来場者のペースで自由に試着、ブランドを横断して比較検討も可能となっています。
お客様は、アウターフィッティングセンターで試着し、ショップで検討・購入する。自宅に戻ってほしくなった場合は、自宅にいながら店頭商品を買物可能な「アプリで在宅払い」で、購入することもできます。
お客様の気持ちに向き合って、今までの百貨店の枠にとらわれない自由な選び方ができる売場を提案することは、女性が幸せになるマーケティングのヒントになります。
みなさんこんにちは。和田康彦です。
新型コロナウイルス感染拡大下での家ナカ需要やDIY(日曜大工)人気の高まりなどにより、ホームセンター業界は好調に推移しています。
中でも、女性客に人気のあるカインズは、2021年2月期売上高が対前年度比10.1%増の4854億円と2ケタ伸長を遂げました。同社はSPA(製造小売)化や積極的なデジタル投資など、業界に先駆けて革新的な施策を推進し成長を続けています。
中でも、DIY関連用品の品揃えやサービスには特に注力し、女性が手軽にDIYを生活スタイルに取り入れることを応援しています。
具体的な取り組みとしては、「DIY をライフスタイル(生活文化)にする」ことを目指す「DIYer100万人プロジェクト」を推進。DIYに取り組む女性が自分らしいくらしと出会い、毎日を明るく楽しいものにすることを目指しています。
これまでは、DIY に取り組む女性が持つ困りごとを解決し、自分らしいくらしと出会い、毎日を明るく楽しいものにできるよう、店舗とオンラインを融合させた、カインズならではの DIY コミュニティづくりを進めてきました。
●DIYコミュニティ「Cainz DIY Square」が本格的にスタート
そして今回、カインズのDIYが楽しめる空間や、DIYを楽しむ仲間とのコミュニケーションの場としてDIYコミュニティ「Cainz DIY Square」が本格的にスタートしました。
DIYキャプテンからアドバイスを受けることができたり、ワークショップに参加して技術を磨いたり、オリジナル作品の作り方をシェアしてつながったりすることができる、カインズのDIYプラットフォームです。
幕張店を皮切りに、各地の店舗で展開を進める新しい概念の「工房」と、「コミュニティサイト」という、いわばオフラインとオンラインが融合した「場」=「Cainz DIY Square」をカインズが提供することで、DIYer同士の交流を促進し、DIYで得られる新しい体験や価値観をさらに豊かなものとし、お客様一人ひとりの自分らしいくらしの実現をサポートすることが目的です。
●コミュニティサイト「Cainz DIY Square」とは
コミュニティサイト「Cainz DIY Square」は、「カインズの店舗が近くになくてワークショップへの参加が難しい」、「DIYに関する質問がもっと気軽にできると嬉しい」などといったDIYにまつわるお客様の悩みを、デジタルを活用した取り組みで解決することが狙いです。
「Cainz DIY Square」が掲げる「きいて」「つくって」「つながって」「たのしむ」という4つのコンセプトを取り入れたコンテンツを通じてカインズが考える DIY の楽しさを伝え、DIYer同士の交流を深めていきます。
店舗におけるワークショップへの参加やくらしの中での様々な体験を、オンラインコミュニティで共有することで生まれる新たなつながり。カインズは、DIYにおけるそのようなリアルとオンラインの「新たな融合の姿」を目指しています。
具体的なコンテンツとしては、DIYの疑問を気軽に解決したり、おしゃべりが楽しめる<DIYトーク>。カインズのワークショップに参加して作った作品や自宅で作成したオリジナルのDIY作品を、自由に投稿できる<作品投稿>。オリジナル作品の作り方を共有できる場所<DIYレシピ>などがあり、店舗ワークショップへの参加、コミュニティでの活動によりDIYポイントが貯まるサービスも用意されています。
●「お客様一人ひとりの自分らしい暮らしをサポートする」姿勢が女性からの支持を集める
ホームセンター業界は、2000年ごろからの市場の飽和を受け、経営統合による規模の経済の追求、カテゴリー特化による経営効率改善などの対応が採られてきました。
一方でカインズは、買収を行わない有機的な手段で高い収益性を維持しつつ順調に成長を続けてきました。同社は、お客様一人ひとりの自分らしい暮らしをサポートする、小売業やホームセンターの枠にとらわれない独自性のある戦略で顧客から支持されています。
加えて、効率的な物流に支えられたローコストオペレーションによる日常消耗品の価格競争力、顧客視点の商品開発力による低価格だけれどデザインや使い勝手の良い商品に加え、近年では『楽カジKITCHEN』『楽カジLAUNDRY』など、品番を越えたテーマによる商品開発と店づくりによって売り場の付加価値を高めています。
また、10万点以上ある商品を店舗で見つけやすくする検索サービス、店舗在庫の見える化、サービスのオンライン予約など、デジタルも駆使してリアル店舗の魅力を強化している点も、成長の背景にあります。
消費不況といわれる中でも、消費の主導権を握る女性の気持ちにしっかり向き合って躍進するカインズからは、女性が幸せになるマーケティングの具体的ノウハウをたくさん学ぶことができます。