体験消費時代のマーケティングヒント

2023-09-21 17:08:00
女の健康や美に対するニーズは、深化・多様化している!

みなさんこんにちは。顧客創造マーケティングの和田康彦です。

 

▪資生堂が体の内側からの健康美をコンセプトにした新ブランドを発表

「資生堂」は920日、新ブランド「SHISEIDO BEAUTY WELLNESS」を来年2月に立ち上げると発表しました。新ブランドは、資生堂の代名詞である化粧品とは違い、体の内側からの健康美を掲げています。

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まずは漢方薬大手の「ツムラ」、食品メーカー大手の「カゴメ」の2社と提携。ツムラとは漢方の技術を生かし「サプリメント」をカゴメとは野菜や果実を原料に使う技術を生かし「飲料タイプのサプリメント」を販売する計画です。

 

2025年以降は中国などアジア地域で展開することも狙っており、今後10年で数百億円の事業規模を目指すそうです。

 

▪セブンイレブンは、女性向け健康商品を次々に導入

一方、セブンイレブンは、2023年度に「スムージー」を新規商材として導入しました。冷凍果実・野菜を使用し、店内の専用マシンで提供することで、おいしさ・安全安心の「ウェルビーイング」とフードロスを低減することによる「環境負担低減」の両立を目指したものです。

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上期の「スムージー」の売り上げは好調で、若年女性の購入率が高く、スイーツ・菓子との併買、週末に高い販売を見せているそうです。

 

同社によると、セブンカフェのコーヒーが、年齢層の高い男性の利用が多く、菓子パン、サンドイッチといった食事とともに購入されているのに対し、スムージーは、若年女性に好まれているそうです。また、スムージーは2024年中に、設備的に導入可能な店舗では全店で採用する予定で、10月より、バナナミルクスムージー、明治ブルガリアヨーグルトを使ったベリーベリーヨーグルトスムージーといった新商品も投入する計画だそうです。

 

健康志向を捉えた商品では、時間栄養学の考えを取り入れた「サイクルミー」シリーズの販売も好調だそうです。女性の購入率が高く、新たな客層の誘因、売り上げの創出につながっているといいます。

 

また、10月には、初のペストリー商品で、食物繊維が豊富な「チョコクロワッサン」などが登場する予定です。

さらに、人気商品の「もち麦もっちり!おむすび」シリーズで使用している、食物繊維が豊富なもち麦に含まれる栄養素「β‐グルカン」にも着目。もち麦の種類変更と使用量の増加により、「β‐グルカン」の含有量を1.4倍に増やすことで、食後の血糖値の上昇をおだやかにする効果が期待できる「機能性表示食品」として919日リニューアル発売しています。

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野菜を中心に複数の具材を使用したチルド弁当の「ビビンバ」についても、白米からもち麦入りご飯に変更することで、「機能性表示商品」として展開します。

 

▪女性の健康志向はポジティブに進化、体の内側から輝いていたい

いつの時代も、女性は健康で美しく輝いていたい!と強く思っていますが、健康や美に他にするニーズは深化、多様化しています。

 

従来はカロリーや糖質を減らす商品が求められていましたが、最近では食物繊維やたんぱく質を積極的にとれる商品のニーズが高まっています。

 

健康や美を維持したいというニーズから、もっと積極的に体の内側から健康になって輝いていたいというニーズへ。女性の向上心を満たす商品開発が、ますます求められています。

 

あなたの会社やブランド、商品やサービスは、女性の日々進化する向上心を満たせていますか。

 

2023-07-26 15:38:00
商売は顧客創造が9割!人口減少時代は、顧客との深く長いお付き合いが欠かせない。

みなさんこんにちは。顧客創造マーケティングの和田康彦です。

 

総務省は、2023726日付で住民基本台帳に基づく人口動態調査を発表しました。

 

それによると、202311日時点の日本人人口は12242万人で、前年比約80万人が減少。1973年の調査開始以来初めて全都道府県で前年より減少したことがわかりました。

 商売は顧客創造が9割!人口減少時代は、顧客との深く長いお付き合いが欠かせない。

それでは、今回の調査結果のポイントをみていきましょう。

 

    日本人人口は、12242万人で、過去最大の前年比80万人減少。福井県の人口約78万人を上回る。

 

    日本人人口は09年の12707万人をピークに14年連続減少。

 

    首都圏13県も2年連続で減少。

 

    日本に住む外国人は前年比29万人増の299万人で過去最高に。

 

    東京に住む外国人は6.3万人増えて約58万人。

 

    出生率の高い沖縄でも初めて減少に転じる。

 

    2067年には、日本の総人口の約1割が外国人になるとの予測も。

 

このところ新型コロナウィルスの感染拡大や景気低迷により、婚姻数や出生数も減少しており、今後も人口減は避けられません。

 

人口増加の時代は、新規顧客をどんどん獲得して、広いお客様とお付き合いしていくことが鉄則でした。

 

しかし、人口減少時代、つまり、顧客減少時代に転じた今、私たちがやらなければいけないことは、

    お客さまと深くお付き合いすることで、客単価をあげていくこと

    お客さまと長くお付き合いすることで、LTV(顧客生涯価値)をあげていくこと

2点が重要な取り組みポイントになります。

 

お客さまと深くお付き合いしていくためには、お客さまとの親密なコミュニケーションが欠かせません。そのためには、すべての従業員が、一人ひとりのお客さまに興味関心を持ち、お客さまのことをよく知ることからはじめなければなりません。

 

例えば接客に携わる従業員であれば、それぞれが顧客ノートをつくり、お客さまとの会話の中から得られた情報をメモしていくことから始めてはいかがでしょうか。

そして、お客さまと長くお付き合いしていくためには、お客さまに飽きられないことが最も大切です。

 

そのためには、定番商品であっても、日々進化させていくことを怠ってはいけません。そして、お客さまが、ワクワクするような新商品の開発やサービスの導入、お客さま参加型のイベント等を通して、常にお客さまを喜ばせる姿勢が重要になってきます。

 

商売は顧客創造が9割です。これから増えていく外国人居住者を顧客にしていくためには、何ができるかという視点も大切になってきます。

 

 

 

2023-07-25 10:11:00
商売は顧客創造が9割!お客様の喜びは、私たちの喜び!

みなさんこんにちは。顧客創造マーケティングの和田康彦です。

 

エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)傘下の阪急阪神百貨店は、現在、「お客様の暮らしを楽しく、心を豊かに、未来を元気にする『楽しさNo.1百貨店』」をビジョンに、事業を推進しています。

 

2023年度からは、ビジョンのさらなる具現化に向けて「顧客基点のワークスタイル変革推進」を重点取り組みの1つとし、社員が共有する価値観や行動指針を設定しています。

 

具体的には、大切にするマインド(バリュー)を「お客様の喜びは、私たちの喜び」と掲げ、「お客様の興味、関心ごと、課題に気づき共感し、心動く解決をし続けることでお客様と私たちが共に成長し喜ぶ」ことを目指して、「お客様の喜びのために、声を聴く、最善を尽くす、改善し続ける」といった具体的な行動を進めています。

 

そして、このたび、顧客基点で働く企業文化の醸成を目的に、新たに社内報奨の枠を設け、顧客の自己実現につながる取り組みを称える「カスタマーサクセスアワード」を新設したと発表しました。

 

今回の新アワード設立により、ビジョン具現化のためのバリューに基づく行動ができるよう社員を導き、顧客基点で働く企業文化を醸成していきます。

 

阪急阪神百貨店「カスタマーサクセスアワード」の対象者は、百貨店勤務の全社員(営業、後方スタッフ問わず)で、応募方法は、自薦による個人応募。

 

まず、自身の顧客を定め、その課題を考察し、取り組みテーマを設定。顧客の課題解決に向けた取り組みを実践し、そのプロセス・方法と結果などについて応募します。

 

審査基準は、顧客理解度・情熱(チャレンジ性)・創造性・顧客の共感度・継続性・インパクトの6項目。

 

アワードへのエントリーは6月末時点で約1100名に上り、これは百貨店勤務全社員の4人に1人が、バリューに基づく行動へのチャレンジを表明したことになるといいます。

 

全従業員が一体となって、顧客創造に向かって取り組んでいく!あなたの会社でも、従業員が同じ目標に向かって行動できる仕組みを考えていきましょう。

 

みんなで褒めたたえる組織文化が、顧客創造の原点になります。

2023-07-19 10:09:00
顧客体験価値を高めるために重要な5つの要素とは?

みなさんこんにちは、顧客創造マーケティングの和田康彦です。

 

先日、インターブランドジャパンは、顧客体験価値(CXCustomer Experience)のランキング™ 2023を発表しました。

 

本ランキングは、顧客視点でのすべての体験を通じたブランドの「顧客体験価値(CX)スコア®」を算定・分析しており、本年度で5回目となります。

 

商品やサービスの機能や性能などの機能的価値だけでなく、そのブランドや企業に関わるすべての体験を通じて顧客が経験する、喜びや満足感などの情緒的価値まで含めた総合的な価値を数値化しています。

 

▪顧客体験価値を高めるために重要な5つの要素

同社によると、これまでグローバルで行ってきた「顧客体験価値(CX)」の分析を通じて、顧客体験価値(CX)を高めるには、

    Relevance/ 私向けのものだと思える」

⇒商品に限らず、そのブランドのメッセージや企業の姿勢などが自分の考えや価値観に合っているか?

 

    Ease/ 私にとって意味がある」

⇒たくさんの選択肢の中で、自分がそのブランドを選ぶ意味や価値を示してくれているか?

 

    Openness/ オープンで、正直である」

⇒きれいごとでなく、顧客と真摯に向き合い、真に信頼できるブランドか?

 

    Empathy/ 私の立場で考えてくれる」

⇒自分を理解し、共感してくれているか?

 

    Emotional Rewards/ いい気分にさせてくれる」

⇒自分のことを大切に扱い、気持ちよくさせてくれるか?

 

5つの情緒的な要素(5 Emotional Cues)を顧客に感じてもらうことが重要だということが明らかになっています。

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そこで、「顧客体験価値(CX)ランキンキング™」では、顧客が求める体験価値の5つの要素を数値化し、顧客視点でのすべての体験を通じたブランドの現在を可視化することを目的として毎年発表されています。

 

▪ランキングトップ顧客体験評価 1位:帝国ホテル CXスコア6.53 (前回比:+0.15)

帝国ホテルは、昨年の14位から1位へと大きく躍進。「いい気分にさせてくれる」「私にとって意味がある」の評価が大きく向上しています。

 

回答者の声からは、“落ち着いていて配慮がいいのと、特に食事の面において損をすることはない。食事の中でもかなり質のいい食事が用意されていて、女性同士で来たりするのも人気になっている”(20代女性、現ユーザー)

 

“帝国ホテルに両親を招待したときに、スイーツを部屋まで運んでくれたし、テーブルセッティングもしてくれた。私のもてなしたい気持ちによりそってくれた” (30代女性、現ユーザー)

 

など、食事の際のもてなしや目配り・気配りなど、人を通じた「ホスピタリティ」が高く評価されていることがわかります。

 

帝国ホテルといえば、4年ぶりにインバウンド(訪日外国人)などの旅行宿泊サービスの動きが活発になっており、202346月の客室稼働率は7割弱にまで回復。コロナ前の8割にまでは届かないものの、戻りつつあります。

 

中でも注目すべきは、客室単価の上昇です。コロナ前は4万円前後で推移していましたが、ここ最近は5.56万円と約5割増となっています。

 

客室単価の上昇には、長い間の行動制限も解消され、旅行や会食を我慢していた人たちの財布の紐が一気に緩んでいることが背景にあります。

 

さらに、円安の影響で家族連れの海外旅行客が増え、高単価な部屋を選ぶ人が増えていることも一つの要因です。

 

また、日本人旅行客は、円安で海外旅行費が高騰しており、非日常の贅沢を国内の高級ホテルで楽しむ人が増加していることも、稼働率や客室単価の上昇に寄与しています。

 

客数はコロナ前の水準には戻ってはいないものの、付加価値を高めることで顧客単価を上げることに成功。その結果、安定した売上を維持しています。

 

また、コロナ禍の中でスタートした長期滞在者向けアパートメント事業も、新たな顧客創造に寄与。今後も継続していく予定です。

 

さらに、コロナ禍で認知が拡大した、ホテルメイド食品を扱う通販事業も、順調に推移。従来顧客だけでなく、若い人などの潜在顧客を生み出すことに成功しています。

 

一方で、人手不足が最大の課題となっており、サービスの維持していくためには、従業員の処遇改善により士気をあげていくことが欠かせません。

 

帝国ホテルが今後も顧客創造していくためには、さらにサービスの質を高め、顧客満足度を高めていくことが何より重要になってきます。

 

どんな商売も事業も、目的は「顧客を創造し続けること」であり、その結果が、売上や利益です。そして、顧客を創造していくのは、従業員に他なりません。

 

従業員一人ひとりが、もてる力を存分に発揮できる企業風土づくりこそが、顧客を生み出してく源泉になります。

 

今回ご紹介した顧客体験価値を高めるために重要な5つの要素

①「Relevance/ 私向けのものだと思える」

②「Ease/ 私にとって意味がある」

Openness/ オープンで、正直である」

④「Empathy/ 私の立場で考えてくれる」

⑤  Emotional Rewards/ いい気分にさせてくれる」

も、すべて従業員がお客様とのタッチポイントの中で生み出しているものです。

 

売上が伸びていない要因は、顧客数の減少、顧客単価の減少、購入頻度の減少のどれかに当てはまります。

あなたの会社でも、改めて顧客に目を向け、顧客創造経営に舵を切っていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

2023-07-05 15:19:00
深い顧客理解から、顧客が喜ぶ便益を生み出すことができる。chocoZAPに学ぶマーケティング。

みなさんこんにちは。顧客創造マーケティングの和田康彦です。

 

「結果にコミットする」という大胆なメッセージで、パーソナルジムビジネスを成功に導いたRIZAPグループは、経営多角化のため数多くの不振企業を買収。その結果自らも経営不振に陥ってしまいました。

 

その後、買収した子会社の立て直しに注力したものの、2019年、2020年と2期連続の最終赤字に。20213月期にようやく黒字転換を果たし、次への成長の期待が高まっています。

 

chocoZAP572店舗、会員数55万人に成長

20227月からは、新たな事業としてコンビニジム「chocoZAP(チョコザップ)」をスタート。24時間営業、月額3278(税込)で使い放題という、今までのなかった画期的なビジネスモデルが支持されて、今では、全国23都道府県に572店舗(20235月現在)、会員数55万人を集める新たな収益源に育ってきています。

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chocoZAPの特徴は、

    24時間使い放題で、月額3278(税込)という圧倒的な安さ。

    ウェアやシューズなどの着替えが不要で、入店したら着の身着のままですぐにトレーニングできるというこれまでになかった利便性。

    店内には、セルフ脱毛やセルフエステ用の機器があり、トレーニング目的以外でも利用できるという付加価値サービスによる女性客の取り込み。

があげられます。

 

そして、chocoZAPの圧倒的な安さは、

    昼の時間帯であってもスタッフが常駐しないことによる人件費の圧縮

    トレーニングマシンの使い方は、専用アプリの動画で説明するというデジタル化の推進

によって実現しています。

 

▪徹底した顧客理解が成功の要因

そして、chocoZAP成長の背景には、徹底的に顧客を理解することへの取り組みがありました。

 

本格的なオープン前には、コンビニジムのテスト店舗をいくつかオープンし、どのようなジムにすれば人が集まるかを徹底的にテストしています。

 

例えば、新規会員募集のチラシは何百種類もつくり、会員集めに有効なメッセージを検証したり、月額利用料も様々な料金のパターンをテストしたりと、顧客理解に基づいたマーケティングを推進することで、顧客心理を読み解くことにこだわってきました。

 

▪今後はワントゥワンのソリューションを提供

またchocoZAPでは、入会後にスマホアプリと連携する活動量計(ヘルスウォッチ)と体組成計を配布。スマホの歩行データなどと合わせて、会員の24時間365日分の活動状態を分析し、会員に最適なソリューションを提供することも視野に入れています。

 

例えば、これまでパーソナルジム事業で培ってきたRIZAPのノウハウも組み入れることで、今後は、会員への食事や運動指導などのフィードバックも提供も可能になります。

 

▪「より幸せに輝いて生きたい」という人間の本能に着目

RIZAPグループの企業ビジョンは「自己投資産業でグローバルNo.1ブランドとなる。」

より幸せに輝いて生きたいという人間の根源的な欲求を満たすための事業を展開しています。

 

モノに充たされた成熟時代は、より健康で、より輝く人生を送るための「自己投資」にお金を使う人が増えていきます。

 

あなたの会社やブランドでも、「より幸せに輝いて生きたい」といく人間の根源的な欲求を満たすために、どんな便益を提供できるか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

 

顧客、つまり人間への深い興味と理解こそが、顧客が心からうれしいと感じる便益を生み出す出発点になります。

 

 和田マーケティングデザイン研究室では

どんなご相談にも親身になってサポートさせていただきます。

お問い合わせは下記までお願いします。

 

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