体験消費時代のマーケティングヒント

みなさんこんにちは、顧客創造マーケティングの和田康彦です。
前回は、「会社にとって最も大切なことは、自社の使命感にもとづいて企業活動が行われていることである」というお話をしました。
http://womanmarketing.net/info/5377141
使命感とは、何のためにその会社をつくったのか、何のためにこの会社は存在するのかという企業の存在理由であり、社会や顧客に対する貢献点とも言えます。
このところ、巷を騒がしている中古車販売のビッグモーターですが、いったいどんな使命感にもとづいて経営していたのでしょうか。気になったのでホームページを拝見しましたが、残念ながら、使命感やビジョンに関する発信は見当たりませんでした。
会社というものは収益をあげて儲けなければいけません。しかし何が何でも儲けるためだったら何をしても許され、すべてはお金のためにだけに経営をするというのでは困ります。
今回のビッグモーターの件は、間違った会社経営ではいずれボロが表面化し、社会や顧客からしっぺ返しを受けるという厳しさを目の当たりにしました。
▪企業が大切にすべき使命感とは。
それでは、私たちが会社経営していくうえで大切にすべき使命感とは、いったいどんなものが良いのでしょうか。
まず大切なことは、使命感とは社会や顧客に対する貢献点であるべきであり、単なる経済的目的を超えたものでなければなりません。
会社というものは、社会に貢献できてはじめて社会から存在が認められます。先ほどのビッグモーターのように、儲けだけを考えて経営していたのでは、いずれ社会から退場命令を言い渡されます。
儲けることは重要ですが、利益は会社を経営してくための手段にすぎません。会社の最終目的は、お客様の生活の向上や幸せに役立つことであり、会社は「人間を幸せにするために存在している」といってもよいと思います。
経営者を筆頭に全ての従業員が社会を良くする使命を追いかけることで、その使命を具現化した商品やサービスが生まれ、その商品やサービスにお客様は共感してくれるのです。
さぁ、あなたの会社でも社会を良くしようという崇高な使命感を追い続ける経営を実践していきましょう。
その結果、たくさんのお客様から応援してもらえるすてきな会社に生まれ変わるでしょう。

みなさんこんにちは、顧客創造マーケティングの和田康彦です。
長い期間にわたって、社会から優秀だと認められている会社、リスペクトされている会社は、みなしっかりとした使命感に基づいた経営が行われている会社です。
例えばグーグルは、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という使命感を持ち、それを実行し続けることで世界を牽引する先端企業に成長しました。
また、ユニクロを展開するファーストリテイリングは「本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します」という使命感のもと、フリースやヒートテックなど画期的な商品を次々に開発して、今や世界第3位の売上を誇るアパレル企業に育ちました。
つまり、企業経営をしていく上で最も大切なことは、企業活動が自社の使命感にもとづいておこなわれていることです。
使命感とは、何のためにその会社をつくったのか、何のためにこの会社は存在するのかという企業の存在理由であり、企業活動の原点になるものです。
▪しっかりとした使命感にもとづいた経営が行われている会社とは
では、しっかりとした使命感にもとづいた経営が行われている会社とは具体的にどのような会社なのでしょうか。次の3つがポイントになります。
① 経営戦略や意思決定が使命感に沿って行われていること。またそこから外れたことはやらない経営ができている会社。
② その使命の実現に少しでも近づこうと、高い目標、あるべき姿を常に追い続ける挑戦をしている会社。
③ 社員が自分の会社の使命感をよく理解し、「それを実現するために、自分はこのような考えで仕事をしている。」という自分の意思をしっかり持って働いている会社。
あなたの会社は、しっかりとした使命感にもとづいた経営がされていますか。
会社を成長させ、長く繁盛させようと思ったら、自社の使命をすべての企業活動の中心に据えた経営をすることが何より肝要です。
自社の使命感を改めて認識してみましょう。

みなさんこんにちは、顧客創造マーケティングの和田康彦です。
マーケティングとは、まさに顧客を創造する活動です。そのためには、「目の前の顧客を大切にすること、目の前の顧客を思いやること」が重要になってきます。
少子高齢化が進み人口が減少する今、いかに顧客と繋がり続けていけるか企業活動の大きなテーマです。顧客との関係性を深めていくためにも、目の前の顧客を大切にし、思いやりをもって接していくことがとても大切になります。
経営にとって大切なことは、一日一日、一人一人の顧客を大切にすることです。そして、日々無駄を省く努力をし、あらゆるプロセスをコツコツと改善していくことです。
非常に地道なことですが、あたり前のことをしつこく継続的に実行できる会社だけが、成長し続けることが可能といっても言い過ぎではありません、
私たちは毎日、顧客から投票を受けているようなもので、その投票の結果が売上金額です。もし売上金額が計画を割っているとしたら、顧客は、自分たちの商売に対して不満に思っていると理解しなければいけません。
顧客の不満を解消するためには、一にも二にも基本の徹底が重要です。基本を徹底していくためには、全従業員の習慣にしていくことがいちばんの近道になります。そのためには、上司が率先して実践し、あたり前のことの重要性を全従業員が身体で理解していくことが本当に重要になってきます。
▪小売業、サービス業が絶対に習慣化しなければいけない7つの基本とは?
あなたの会社では当たり前のことや基本を地道にコツコツ取り組んでいますか。今日は、小売業やサービス業の方に取り組んでいただきたい7つの基本についておさらいしておきたいと思います。どれだけ実践できているかチェックしながら読み進めてください。
① 店内のすみずみまで掃除して、常に清潔で気持ちのいい状態を保とう。バックヤードもきれいな状態で商品を探しやすく、働きやすい環境にしよう。
② 商品の陳列はお客様から見てわかりやすく、きちんと整った状態にしておこう。乱れているところがあったらすぐに直そう。
③ 値札が見えやすいように工夫しよう。価格表示に誤りがないか気を配ろう。
④ 欠品がないように適正な在庫管理を徹底しよう。
⑤ 売れ筋商品を目につきやすいところに大量陳列し、死筋商品はできるだけ排除しよう。
⑥ スタッフが元気で明るいあいさつができるようにしよう。
⑦ お客様からのクレームは適切に対応し、二度と発生しないようスタッフ間で共有して問題快活をはかろう。
いかがでしたか。もし徹底できていないことがあれば、今日からできるようになるまで地道に取り組んでください。基本の徹底なくして成長や儲けはありません。
さぁ、あたり前のことを地道に徹底して、一日一日を大切に積み上げていきましょう。

みなさんこんにちは。顧客創造マーケティングの和田康彦です。
RIZAPグループ(東京都/瀬戸健社長)が運営する会員制トレーニングジム「chocoZAP」(チョコザップ)が会員数が80万人を突破したことを発表しました。
チョコザップがサービスを開始したのは22年7月のこと。フィットネスジム業界では異例の急成長を遂げ、23年8月15日時点で会員数は80万人、店舗数は全国32都道府県に880店を突破しています。
▪運動習慣のない人や女性にターゲットを絞って差別化
すでに世の中に多くのトレーニングジムがあるなかで、チョコザップが大きく差別化できたのは、運動習慣のない人や女性にターゲットを絞った点にあります。
そこで、チョコザップは、「初心者でも通いやすいコンビニジム」をコンセプトに、トレッドミル(ルームランナー)やフィットネスバイク(エアロバイク)、トレーニング初心者でも簡単に操作できる筋トレマシンなどを設置しています。
一方で、ダンベルやベンチプレスなど、筋トレ上級者向けのマシンは設置していません。これらを設置すると、筋トレ上級者の会員が増え、初心者が通いづらい環境になってしまうからです。
また、ジムにはトレーナーや受付のスタッフを配置するのが一般的ですが、チョコザップは無人。営業時間は24時間で、会員はチョコザップ専用のスマホアプリからQRコードをかざすと入店できる仕組みです。
また、服装自由のためウエアに着替えたり、靴を履き替えたりする必要がないのが特徴となっています。トレーニング以外のサービスが充実している点も強みで、多くの店舗にセルフエステやセルフ脱毛ができる美容機器を、一部店舗にはゴルフの練習ができる設備を設置しています。
会費は月額2980円(税抜)で、会員は全国のチョコザップの店舗を利用できます。
このように、チョコザップは商品を豊富に揃えるコンビニエンスストアのように、健康課題に向き合いながらさまざまなコンテンツを掛けあわせる「コンビニジム」を目指しています。
▪退会率を改善するためのパーソナライゼーション
これまでのトレーニングジム業態の収益面の課題は、退会率の高さにありました。一般的なトレーニングジムでは、入会した会員の半分が1年以内に退会するといいます。
それは「筋トレ上級者の設計による、筋トレ上級者のためのジム」になっているため、初心者が気おくれし、「自分はトレーニングに向いていない」と感じ、やがて退会してしまうという悪循環につながっていたためです。
そこで、チョコザップでは1週間以上来店のない会員に向けてアプリ上で来店を促す通知を配信しています。
また、防犯用AIカメラのデータからマシンが使われている頻度などチョコザップの利用実態も解析しています。データ分析により、会員が何を求めているかを理解し、利用率の低いトレーニングマシンを廃止する一方で、人気のあるマシンを積極的に導入しています。
26年3月期までに全国で2000店舗の出店を計画しているチョコザップ。今後は、アプリ上でRIZAPのトレーナーによるトレーニングプログラムや、適切な食事を提案する機能の追加を検討しているそうです。
▪チョコザップの戦略とは
企業戦略の基本は、①差別化が利益を生む ②戦略とは資源は配分である。この2点に尽きます。
チョコザップは、これまでの上級者をターゲットにしていたトレーニングジムと一線を画し、初心や女性にターゲットを絞ったことで差別化に成功しました。
そして、受付などの人件費には投資せず、徹底的に無駄を省いた運営で効率的な展開を可能にしています。一方で、デジタル投資は積極的に行い、利用者とのつながりや満足度の向上など、デジタルトランスフォーメーションで退会率を抑えることに取り組むなど、これからの企業戦略を考えていく上で学べることがたくさんあります。

みなさんこんにちは。顧客創造マーケティングの和田康彦です。
300円を中心したおしゃれな商品が並ぶ雑貨ショップ「3COINS」が、今すごい勢いで伸びているのをご存じですか。
いつ行っても、店内は女性客でいっぱい。生活雑貨、インテリア雑貨、服飾雑貨、モバイルアイテム、キッズアイテムなど300円で買えるデザイン性の高い商品が品揃えされていて、幅広い年代の女性客が楽しそうに商品を手に取っています。
株式会社パルグループホールディングスが運営する3COINSは、全国に268店(2023年2月現在)展開しており、23年2月期の売上は489億8千万円。前年度から110億円も売上を伸ばしている急成長ブランドです。
「あなたの“ちょっと幸せ”をお手伝いする」をブランドメッセージに掲げ、「ふだんの生活の中であったらいいもの」を基本価値として提供しています。
新商品発売時には即日完売する商品が絶えないなど、3COINS商品が人気を博している理由はいったいどこにあるのでしょうか。
▪あえて世代ターゲットを絞り込みすぎない。
いまや、インターネットやSNSの普及により、誰もが情報を取りに行けばたくさん取れる状態になり、世代による情報格差はなくなってきています。
また、ライフスタイルが多様化・細分化する事で、一人の消費者の中にも様々な嗜好が芽生えてきています。
これまでのマーケティングでは、対象とする顧客像を細かく設定したペルソナを設けることが定石といわれてきました。
ただ、3COINSでは30代女性という大まかなターゲット像を持ちながらも、あえて細かく絞り込むことはやめ、3COINSが提案する商品に共感する顧客を惹きつけていく「顧客吸引マーケティング」を重視しています。
女性消費者が興味を持ちそうな商品や好きな商品を次々に開発。女性顧客の好奇心を刺激し、新しい発見のある売り場づくりを通して3COINSが大好きなファンを増やしていく。それが3COINSの戦略なのです。
▪オタクバイヤーが大ヒット商品を次々に開発。
3COINSの商品に対しては、「痒い所に手が届く商品」「絶対、あの会社にはオタクがいるのでは?」とった声が多く寄せられているそうです。
それもそのはず、3COINSのモノづくりでは、20人のバイヤーたちが、それぞれの「好き」や「個性」を活かした商品開発に注力していることこそが、大ヒット商品を生み出す原動力になっているのです。
3COINSには、多種多様なカテゴリーがありますが、それぞれのカテゴリーに対して、年間でどういうものを売るか、どんな仕掛けをしていくかは、基本的にその担当者が自分で決めて自分で実行していくことがベースになっています。
商品企画に関しても、ブランドメッセージから外れておらず、バイヤー自身の熱量があればOK!というゆるゆるのマネジメント体制ですが、モノづくりをするバイヤーの「好き」という熱量が高ければ高いほど、やりたいことを掘り下げることができ、その結果、お客様に驚きや感動を与えて共感を得られるという好循環を生み出しているのです。
消費者がたくさんの情報を持つようになった今、薄っぺらいことをやるとすぐに見破られてしまいます。○○が大好きなオタクバイヤーがだからこそ、○○好きな消費者の気持ちがよくわかり、結果として大ヒット商品を生み出すことができるのです。
▪他企業やブランドとのコラボで新しい価値を生み出す。
売り切れが続出するほど人気が高いコラボ商品を次々に生み出している点も3COINSの強みの一つです。
コラボ商品は、それぞれのバイヤーの個性を発揮しやすく、相手先企業やブランド担当者の熱量も掛け合わされて、より情報力のあるコンテンツに仕上がります。
その結果、SNSなどでも拡散されて、顧客が顧客を呼び込み、大ヒット企画につながっていきます。
例えば、2022年10月に発売されたサウナポータルサイト「サウナイキタイ」とのコラボは、サウナオタクのバイヤーが企画。サウナアイテムの定番であるサウナハットやサウナマット、タオル、巾着など便利かつデザインにもこだわった商品を販売。店頭では、各店舗から近いサウナ施設の紹介POPも掲示するなど、企画の細部まで担当者のこだわりが見えるプロモーションを展開することでSNSでの話題化をはかりました。
その結果、サウナ好きの仲間を見つけたいと思っていた“サウナー”の間でコラボグッズは自然と認知が広がっていきました。このように、サウナという共通軸を突き詰めることで、結果的に多様な年代にアプローチでき、新しい“マス”の顧客を生み出すことに成功しています。
▪SNSでの情報発信も、担当者の個性に任せて成功
さらに3COINSは商品企画だけでなく、情報発信も担当者の思いや興味関心を尊重しています。
各店舗にはスタッフインフルエンサーは計約80人在籍しており、中には約10万フォロワーのスタッフもいるそうです。
そしてインフルエンサーにも、バイヤーと同様、自分の思いを軸に、できるだけ自由な活動をしてもらえるように意識した運営に注力しています。
SNSを運営するのは希望者のみに限定。Instagramでの発信を中心に、動画制作が得意な人は動画メディアも担当しており、インフルエンサーに会いに店に来てくれる顧客も多くいるというのも、3COINSの大きな強みといえます。
3COINSのインフルエンサーには、アルバイト、社員、学生、子育てしている人、店長として頑張りながら情報発信している人など多彩な顔触れで、発信したい内容のある人が自主的にインフルエンサーとしての活動をしているのも特徴です。
また、趣味もアイドル、料理など多岐にわたっており、3COINSの商品を使ってアレンジレシピを作るなど、発信する内容は本人に任せており、バリエーションは豊富なことも、幅広い顧客とのつながりを育んでいる背景にあります。
さらに、インスタライブやお客さまとのコミュニケーションも大切にしています。バイヤーは、アカウントに来たコメントは常にチェックして情報を商品づくりへと生かしており、共創好きな女性のこころをしっかりつかんでいるのです。
▪従業員の強みや個性を伸ばし、自律的行動を引き出していくことが重要。
以上、今回は3COINSが急成長している要因についてみてきましたが、従業員の熱量の高さが同社の急成長を牽引していることがよく理解いただけたのではないでしょうか。
オタクを本気でやっているバイヤーが、世の中にまだ無くて不便を感じているものや、あっても高すぎるものなどをオタクである自分たちの目線で開発する。その結果、女性消費者から大きな共感を得て、大ヒットを生み出している3COINS。
従業員の強みや個性を伸ばし、自律的行動を引き出していく経営スタイルが、企業の成長を牽引する時代です。