体験消費時代のマーケティングヒント

2020-02-02 15:51:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。 

古来より、日本人は、普段通りの日常を「ケ」の日、祭礼や年中行事などを行う日を「ハレ」の日と呼び、日常と非日常を使い分けていました。「ハレ」の日には、晴れ着を着たり、神聖な食べ物である餅や赤飯を食べたり、お酒を飲んで祝ったりして、特別な日を楽しみました。  

今でも、海外旅行に行ったり、高級レストランで食事をしたりといった特別な時間は「ハレの日」の行動といえます。  

ただそんな特別な「ハレの日」は毎日続くわけでもないので、多くの消費者は毎日の生活「ケ」の中にささやかな潤いや幸せを求めています。海外旅行や高級レストランでの食事といった大掛かりな幸せの追求ではなく、日々3分でもほっとする時間が多くの人にとってワクワク・ドキドキできる時間なのではないでしょうか。  

スターバックスで新発売されたフラペチーノを食べる。コンビニで買ったお気に入りのデザートを食べる。百貨店の北海道展でちょっと贅沢なお弁当を買ってみる。化粧品売り場で新しい化粧品を試してみる。年に1回のバレンタインデーで最高のチョコレートを自分にプレゼントする。などなど。  

みなさんにも経験があると思いますが、ちょっとした幸せの積み重ねの上に日々の生活があります。つまり多くの消費者、特に女性は、小さな変化やこだわりを求めているのです。日常=「ケ」の中でちょっと違う体験をする「ケの日ハレの日」体験の提供こそ、「ワク♡ドキ」マーケティングの要となります。  

東京・高円寺にある銭湯「小杉湯」は、昭和81933)年創業した老舗銭湯ですが、2016年以降20-30代の女性客が急増しています。浴槽をステージに、ミュージシャンが熱演を繰り広げる「銭湯フェス」やダンサーが前衛的踊りを披露する「踊る銭湯」、カゴメとコラボしてトマト色の湯を提供する「トマトの湯」、手ぶら女性でも楽しめる充実したアメニティや高級ドライヤー、今治タオルのレンタルサービスなど、ユニークなイベントやサービスで女性のこころと捉えました。まさに、女性の日常をちょっと幸せにワクワク・ドキドキさせることで成功した事例です。 

「ケの日ハレの日」体験をキーワードに、女性のこころを動かす「ワク♡ドキ」を創造しましょう。

 

2020-02-01 15:55:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

そもそも男と女は違う生き物です。脳の構造も違えば身体の構造も違います。つまり脳の構造が違うということは、男と女は全く違うフィルターを通して世の中を見ているということになります。最近では脳科学や医学、生物学、動物行動学など様々な分野で男女の考え方の違いや理由が明らかにされています。 

よく言われるのは、男は主に「左脳」を使って考え、女は「右と左の両方の脳」を使って考えるということです。男脳と女脳の大きな違いのひとつが、「脳梁」という左右の脳をつなぐ連絡橋の太さの違いです。女脳はこの脳梁の太さが男脳に比べて太いため、左脳で考えたことと右脳で考えことが常に行き来して、多くの情報を流せるようになっているようです。 

主に左脳を使って考えたり行動する男性は一般的に論理的でデジタル的といえます。だからどちらかというとスペックや機能を重視して消費する傾向が強いと言えるのです。 

一方女性は、右脳と左脳をバランスよく使って考えたり行動するので、男性に比べ情緒や、感情というあいまいな感覚を感じ通る力に長けているようです。男性のデジタル的に対してアナデジ的といってもよいでしょう。 

女性がおしゃべり好きというのも実はこの左右の脳をつなぐ脳梁が男性に比べて太いので、言語情報をはじめ多くの情報を次から次へと流せるようになっており、脳が次から次へとポンポンと言葉を発することができるようになっているのです。 

☛最近女性に人気のブランドやショップを見ていると、デザインやセンスを磨いてますますおしゃれになっていることがわかります。特に成長を続けている100円ショップの「セリア」や北欧家具の「IKEA」などはその典型といえます。これらのブランド以外でも、現在元気のいい企業はみなデザイン力の強化を掲げ、おしゃれなイメージを作り出すことで女性客の支持を得ていると言ってもよいと思います。

 ☛つまり、女性客に選ばれるためには「機能や品質といったロジック」よりも「センスがいい、楽しいといった感情」に訴えることが重要なのです。男性はスペックを比較し性能や品質の優位性で購入する人が多いのに対し、女性は品質や性能はもとより、その商品を自分の生活に取り入れた時に、どれだけ今までの生活より素敵になるかということをイメージできることが重要になってきます。

 ☛このところ若い女性に大人気のSNS「インスタグラム」はまさに、心地よい感覚を求める女性の脳をハッピーにするメディアとして多くの女性を虜にしていると言えるのではないでしょうか。

 ☛男女の生活行動の違いは、これまで説明したこと以外にも、女性は安心・安全好き、男性はチャレンジ好き。女性は過程を重視し、男性は結果を重視する。女性はあいまい、男性は明確。など色々あると思います。女性脳を理解して、女性をワクワク・ドキドキする商品やサービスを生み出しましょう

 

2020-01-31 15:57:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。

  

あなたのご家庭ではモノを買う時や旅行プランを検討する時、あるいはスマホの契約会社を選ぶときなど、最終的に誰の意見や意思で決めることが多いでしょうか。  

我が家の場合を振り返ってみると、食品から日用品、家電製品などほとんどのものが妻と一人娘の意見によって決められていたことに改めて気づきます。またマンションや車といった高額商品を購入する際も、最終的に契約書に押印したのは私でも、そこに至るまでには女性である妻の考え方や嗜好、理想とするライフスタイルなど彼女の影響力が相当大きかったことを思い出します。現在、マンションのリフォームを考えているところですが、こちらも妻の理想を聞きながらプランを練っているところです。  

このように、女性が消費に影響力を持つことは今や当たり前。ある調査によると、消費の8割は女性が意思決定権を握っていると言われています。日用品をはじめ、旅行、食事、レジャー、教育、贈答品、家電用品、さらにはクルマや住宅・リフォームなどの消費も、ほとんどのケースで女性が意思決定していると言っても過言ではありません。また、20~50代の既婚女性に聞いた調査では、約7割の家庭では妻が家計管理をしていると回答しており、財布の紐も女性である妻ががっちり握っていることがわかります。  

つまり、消費者向けの商品・サービスを扱う企業においては、女性ファンを増やすマーケティングを実践し、女性客に選ばれる企業やブランドにならなくてはもはや生き残る道はありません。  

最近結婚した娘を見ていても、式場決定から当日のプランニング、引き出物や料理、パートナーの衣装に至るまでほとんどの選択を彼女がリードしていました。また付き合い始めた頃からすでにパートナーのファッションは彼女が選択しており、いまや男性ファッションとて、女性に選ばれないと売れない時代になってきているのです。ユナイテッドアローズやビームスなど人気のセレクトショップが、メンズとレディス、あるいはキッズまでを複合した品揃えを強化してきているのも、女性がパートナーである男性の洋服選びに影響を及ぼしている時代を象徴しているように思います。  

☛消費が成熟化しモノが売れなくなる時代になっても、生活者の「しあわせになりたい」という欲求は決して小さくなることはありません。そもそも消費とは「しあわせになりたい」という欲求を満足させるための行為といってもよいと思います。だとすれば、消費の8割を握ると言われている女性が今どんな「しあわせ」を求めているのかを理解し、満足させられる商品やサービスを提供すれば必ず女性客から選ばれるお店やブランドになることができるのです。

 

2020-01-30 16:00:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

iPhoneもスターバックスもディズニーランドもインスタグラムも顧客のニーズを聞いて生まれたものは一つもありません。  

顧客には、自分の欲しいものが分からないのです。 

 

それらの商品やブランドは、ただ開発者たちが自分が作りたいから創ったのであり、人がきっと気に入ってくれるに違いないという確信があったから生まれたのだと思います。

 

決して、入念なリサーチや過去の成功事例やマーケティングセオリーから生まれたものではありませんね。  

多分、私たちをワクワク・ドキドキ幸せな気持ちにしてくれる商品やサービスを開発した人に共通しているのは次の質問ではないでしょうか。  

 

「顧客のハートに火をつけるためにはどうすればいいか」  

「女性のハートに火をつけるには、ワクワク・ドキドキさせること」が一番大切です。 

 

さぁ、あなたも私も「女性のハートをワクワクドキ・ドキさせるにはどうすればいいか」を常に質問し続けましょう。

 

2020-01-30 15:58:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

あなたの周りにも、普段の何気ない所作が上品で美しい人が何人かいると思います。 

そのような人は、私の周りにもいますが、多分、幼少期の頃から厳しくしつけられて、身体の隅々にまで「美しい所作」のDNAが宿っているのではないかと思います。 

 

さて、企業に目を向けても、組織のDNAや自社の美学や哲学をしっかり浸透させているプロセスから生み出される商品やサービスには、一点の曇りがなく、そうした一連のアウトプットを連ねる「一貫性」があります。 

 

確固たる価値観が組織に浸透し、その価値観が業務プロセスを制御するようになれば、組織の自助作用で、製品やサービスには高い付加価値が生み出されます。 

 

何年も続く欧州のラグジュアリーブランドには、女性を魅了する美しい本物の価値が宿っています。だから見ているだけでもワクワク・ドキドキし、高くても買ってしまうのですね。 

 

普段の業務プロセス、普段の活動の隅々にまで組織が持つ価値観が浸透してはじめてアウトプットされる製品やサービスに違いが生まれます。そして、その「違い」を世の中に浸透させることでブランドになるのです。