体験消費時代のマーケティングヒント

2018-02-10 14:37:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。 

 

「モノ消費からコト消費へ。」という言葉は、このところ耳にタコができるくらいよく聞かれるようになりましたが、モノを陳列している店頭で、お客様が「ワクワクしながら商品を選ぶ。探す」という体験価値を提供していくことは簡単ではありません。ただ、ネットで目的買いをすることが当たり前のスタイルになった今だからこそ、店頭で選ぶ楽しさやモノに触れる喜びを提供していかないと、店舗はどんどん淘汰されていくことが予想されます。 

 

ところでみなさんは「カレーなる本棚」という名前を聞いたことがあるでしょうか。実はコレ、食品専門スーパー「北野エース」が展開する、まるで本棚のようなカレー売り場の名称で、商標登録までしているというから驚きです。

 

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(写真は、株式会社エースホームページより) 

 

◆「カレーなる本棚」が誕生した背景

「北野エース」では十数年前に東京に進出した頃、食事に利便性が求められるようになり店舗では多くのレトルトカレーを取り扱うようになりました。2009年東武百貨店に「北野エース」が出店した際、大量のレトルトカレーをいかに少ないスペースで陳列、お客様に見やすく手に取っていただけるかを考えていた時に、担当者がふっとひらめいたのがレトルトカレーの箱を本棚に本が並んでいるように背表紙を見せるように並べる方法でした。 

 

翌年、2010年4月に調布パルコ店に出店する際に木什器を導入し「カレーなる本棚®」と名付けました。「カレーなる本棚®」の北野エースと知名度もあがり、2012年暮れには「カレーなる本棚®」を商標登録、翌2013年には(食品における)「ブック陳列」の商標登録をするという熱の入れようです。 

 

「カレーなる本棚®」に陳列されているカレーの種類は各店舗により異なりますが、店舗ごとの顧客のニーズやリクエストに応じて、日々店舗で入れ替えを行っているようです。果物を使ったカレーや北海道から沖縄までのご当地カレーなど約200~300種類を取りそろえており、レトルトカレーだけの売り上げでみると、毎年ずっと伸び続けており、まさに北野エースの目玉商品として集客にも寄与していることが推測されます。 

 

◆ニッチ戦略で独自性を追求する「北野エース」

さて、北野エースを展開する株式会社エースの創業は1962年。初代社長北野治雄により食料品・雑貨・衣料品を主とした大型総合スーパー「エース」が始まりです。その後1985年に当時はまだ珍しいディスカウントストア「ブルドッグ」を、1994年にはエース新鮮館をオープン。以後、先進的な店舗戦略で圧倒的な集客力を持った店舗を次々と出していき、2002年には関東エリアへ進出し、次々と出店を続けています。 

 

2017年12月期の売り上げは253億円。店舗数は全国に81店と規模は小粒ながら、独自のニッチ戦略で、北野エース好きなコアファンをきちんと掴んでいます。その背景には、北野秀雄社長の経営理念や、店づくり、品ぞろえ、サービスに対する確固たる考え方があるのです。 

 

北野エースが最も重視していることが、「他社ではまねできない新しい価値の創造」です。北野社長の言葉からも「生活者の二極化と多様化が進む今の時代に生き残ることを考えると、標準化や総合化ではなくニッチを追求しないといけません。いかにして他社ではマネのできない付加価値を生み出せるか。それは脱スーパーと専門事業化による新しい価値の創造だと考えております。加工食品や専門分野に特化することで的を絞り、そこに付加価値を作る。店舗でいうと「北野エース」、商品では「キタノセレクション」がそれに当てはまります。エースにしかない商品、エースでしか作れない商品を増やすことが個性となり、それが地域密着に欠かせないものとなります。商品戦略も業態も出店計画も、周りと足並みを揃えるだけでは価格競争の域から抜け出すことはできません。日本のエースになろう、ニッチからメジャーになろう、そして流通革命を起こそう。20年以上前から構想していたことが、ここに来て現実味を帯びてきました。」と、「独自性の創造こそが北野エースの存在価値」という確固たる信念が読み取れます。 

 

◆北野エースの圧倒的な3つの強み

最後に北野エースの具体的な強みを見ていきましょう。

 

☛小売りではなく「個売り」業 

「北野エース」「北野エースフーズブティック」「KITANOACEONE」など、首都圏・関西圏を中心に81店舗(2017年11月1日時点)を展開するエースには、一つとして同じ店はありません。立地や環境に合ったレイアウトに知恵を絞り、地域に暮らす人々の文化や生活スタイルに合った商品を豊富にそろえます。これまでの「小売」から、お客様個々の“ほしい気持ち”を満たす「個売」へ・・・。多くの顧客に愛されるかけがえのない店づくりへのこだわりが一番目の強みです。 

 

☛一人でも求める人がいれば、一個でも仕入れる主義 

価格競争の激しい現在、安さを売りにすることなく、多くの顧客から支持を得るために圧倒的な品ぞろえに注力。全国から500種類を集めたカレー売り場はその象徴。他にも、味噌90種類、醤油150種類、ドレッシング170種類など、種類の多さでエースを抜くのは至難の技。価格の安さではなく、品質と価値の高さで仕入れた商品が、「どうせ買うならいいモノを楽しく買いたい」というお客様のニーズにマッチ。たとえ一個でも「ほしい」というお客様の声に応える売り場づくりが二番目の強みです。 

 

☛初めての美味しさに出会う感動を、進化した小売サービスの一つに。 

新しくて珍しい品々を豊富にそろえるエースでは、商品知識を備えたコンシェルジュを各店に配置。顧客の求めに応じて、商品特性や美味しさをていねいに説明。 たくさんの商品の中から、顧客ひとりの好みや価値観、生活スタイルに合った理想の商品選びをサポートしている。顧客がより美味しいモノ、よりいいモノと出会い、より豊か買い物の喜びや感動を提供していることが三番目の強みです。

 

2018-01-04 14:32:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。

さて、百貨店各社では早くもバレンタイン商戦がスタートしています。高島屋は、若者に人気のボーカルグループ「リトルグリーンモンスター」とコラボレーションした商品や日本初上陸となる女性職人のチョコレートなど、多様化するバレンタインの楽しみ方を提案。今年は、おいしいだけでなく見た目もかわいい「インスタ映え」するチョコレートや、素材や製法・産地にこだわった「本物志向」のチョコレート、低糖質など体にうれしい「ギルトフリー」なチョコレートがトレンドになりそうです。一時は市場規模でハロウィーンに抜かれたバレンタイン市場ですが、昨年は、再びハロウィーンを上回りました。百貨店各社は、昨年を上回る売り上げ増を見込んで新しい取り組みにチャレンジしています。

◆うめだ阪急では、毎日通いたくなる”チョコのエキスポ”「バレンタインチョコレート博覧会」を開催。

女性客から圧倒的な支持を集める大阪うめだの阪急百貨店では、今年も1月24日(水)~2月14日(水)までの期間、9階フロア全てを使って、「バレンタインチョコレート博覧会」を開催。5つの会場をパビリオンに見立てて、国内外総勢300ブランド以上、約3000種類という圧倒的な品揃えで展開します。会場では、チョコレートソムリエのさつたかなこのチョコレートセミナーや、会場全体をインスタ映えする売場に仕立てるなど、阪急史上最大規模のチョコレート博覧会は、私たちマーケッターにとっても最新の女性マーケティングを学べる素晴らしい機会になることは間違いありません。

 ◆216ページもの部厚い「バレンタインチョコレート博覧会ガイドブック」には、食の最新マーチャンダイジングのヒントが満載。

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1月24日の博覧会スタートに先駆けて、1月14日からは、うめだ阪急地下1階のサービスカウンターで、バレンタインチョコレート博覧会2018の公式ガイドブックが無料配布されています。A5 判、216ページの豪華な仕様は「さすが、うめだ阪急!」と納得すると同時に、「ここまでやるか!」という驚きを感じる内容になっています。 

◆売場と連動した12のマーチャンダイジング(品揃え)切り口で多様化する女性ニーズに応える。

食のニーズは高度化、多様化しており、生活者の嗜好の変化を掴むことは年々難しくなっています。バレンタインチョコレートに関しても、以前の義理チョコだけでなく、最近では自分へのご褒美チョコや女子友同士で交換するチョコなど使用シーンも多様化しています。また、インスタ映えを狙って購入する女性や値段が高くても本当に美味しいものを求める女性、健康にも配慮しながら大好きなチョコを味わいたい女性など、チョコレートを購入する動機もますます多様化しています。

 

さて、「バレンタインチョコレート博覧会ガイドブック」からは、阪急うめだ店が300ブランド以上、3000種類に及ぶ品揃えをどのようなテーマで集め、品揃えしているのかがよくわかります。つまりそこからは阪急流のバレンタインチョコレート・マーチャンダイジングの肝が読み取れるわけです。それでは具体的に品揃えテーマの切り口と展開されているブランドを見ていきましょう。(太文字ブランドは新規展開ブランド) 

テーマ①「4人のカカオティエ」

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チョコレートの原料となるカカオの探求に情熱を傾ける作り手「カカオティエ」。まだ見ぬ味を求めて産地を巡る人、カカオ農家とともに品質向上に取組む人。カカオへの熱意がみなぎる4人のカカオティエの紹介を通して4つのチョコブランドを紹介している。

小山進「パティシエ エス コヤマ」、土屋公二「ミュゼ・ドゥ・ショコラ テオブロマ」、八木克尚「バニラビーンズ」、マルベル・リーバマン「カカオマーケットbyマリベル」

 テーマ②「7つのカカオトリー」

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カカオの産地と強く結びつき、カカオに関する深い知識を持つ7つのショコラトリ―を”カカオトリー”と名付けクローズアップ。カカオ愛がにじみ出た自信作を紹介している。

ベルギー「ピエール マルコリーニ」、ベルギー「ブノワ・ニアン」、スペイン「カカオ サンパカ」、フランス「ミシェル・クルイゼル」、イタリア「ヴェストリ」、イタリア「ヴェンチ」、アメリカ「ファイン&ロー」

 テーマ③「カカオワールド」

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カカオを知ればチョコがもっと好きになる。”カカオワールド”が今年も登場。カカオ生産国の紹介や、チョコレートソムリエイチオシチョコ、国際大会受賞チョコ。その他、カカオから作った様々な品も豊富に紹介している。

01.シングルカントリーカカオ

東南アジア、南アメリカ、アフリカなど、カカオが栽培されている5つの国をクローズアップするとともに、ひとつのカカオ生産国にこだわってチョコレート作りを行うブランドを紹介している。

「アンチドート」「オハベルデ」「カカオ研究所」「カカオハンター」「ショコラマダカスカル」「スローウォーターカフェ」「Dari K」「パカリ」「ビオルコム」「ピピルティンココア」「フォンデリア デル カカオ」「マルゥ」

02.チョコレートソムリエ さつたにかなこの情熱

さつたにかなこが様々な国を巡る中で出会った一枚など、その確かな目で選ぶおすすめチョコを紹介している。『ICA(インターナショナルチョコレートアワード)』の受賞チョコも紹介している。

 

☛チョコレートを巡る旅

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「アケッソンズ」「アラショコラ」「エリタージュ」「オリジナルビーンズ」「シャテル」「ショコラトリー モラン」「ショコラマニュファクチュール」「チョコレートツリー」「チョコレロ」「トルタピストッキ」「ハンプストリートベーカリーチョコレート」「ユミコ サイムラ ピッコラパスティチェリア イタリア」 

☛ICA受賞チョコレート

「アケッソンズ」「カカオ研究所」「オードリー」「カカオ サンパカ」「カカオスーヨ」「カカオハンター」「グリーンビーントゥバーチョコレート」「シャテル」「ショコラティエ パレ ド オール」「ショコラトリー モラン」「チョコレートツリー」「トルタビストッキ」「パカリ」「パティシエ エス コヤマ」「バニラビーンズ」「フリスホルム」「ポドラート」「ミニマル」「ミュゼ・ドゥ・ショコラ テオブロマ」「明治ザ・チョコレート」「ユミコ サイムラ ピッコラパスティチェリア イタリア」「ル ショコラ ドゥ アッシュ」 

03.ワールドセレクトカカオ

世界のカカオ産地からカカオ豆をセレクトしてチョコレート作りを行う、国内外のブランドを紹介している。

「ウィリーズカカオ」「グリーンビーントゥバーチョコレート」「ショコラティエ パレドオール」「チュアオ」「チョコレート&ラブ」「マノアチョコレート」「ミニマル」「明治ザ・チョコレート」「ラーカ チョコレート」「カカオスーヨ」「カカオストア」「ドモーリ」「メナカオ」「ジョージア・ラモン」「ショコラティエ・M」「トヒ」「リベール」

 04.広がるカカオの楽しみ方

濃厚な味わいが楽しめるチョコレートドリンク、パンやアイスクリームに塗ったり、かけたりして食べるチョコスブレッドなど、チョコをもっと楽しむ商品を紹介している。他にも焼き菓子やカップアイス、シロップなど、カカオ豆を使って作られた商品、カカオ豆そのものや、チョコレートの手作りキットも紹介している。

「ヴェストリ」「ウィリーズカカオ」「エクチュア」「エリタージュ」「カカオ研究所」「カカオ サンパカ」「カカオストア」「カフェレル」「グリーンビーントゥバーチョコレート」「ショコラティエ パレドオール」「ショコラマダカスカル」「スローウォーターカフェ」「ダリケー」「パティシエ エス コヤマ」「パティスリーショコラトリーオーディネール」「パルー」「ビオルコム」「ピピルティンココア」「ファイン&ロー」「ポドラート」「ミニマル」「ミュゼ・ドゥ・ショコラテオブロマ」「ル ショコラ ドゥ アッシュ」

 テーマ④「ラグジュアリーなショコラトリ―」

世界にその名を轟かせるブランドから、珠玉のひと粒を、素材に、製法にこだわって、味わう人を魅了し続ける5つのショコラトリ―のチョコレートを紹介。

「フランス ラ・メゾン・デュ・ショコラ」「フランス ドゥボーヴ・エ・ガレ」「イタリア ブルガリイル・チョコラート」「アメリカ イヴァン・ヴァレンティン」「アメリカ マリベル」

 テーマ⑤「海外のパティスリー・ショコラトリ―」

並み居るシェフの渾身の力作がズラリ。チョコレートの本場から、揃いも揃った注目のブランド。いずれ劣らぬ美味の数々を紹介している。

「デジレー」「デメル」「デルレイ」「ドゥバイヨル」「パスカル・ル・ガック」「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」「バビ」「バルー」「ビーバイビー」「ピエール・エルメ・パリ」「ピエール・ルドン」「5thアヴェニュー・チョコラティア」「ブボ バルセロナ」「ブリュイエール」「ブルーノ ルデルフ」「フレデリック・ブロンディール」「マイアーニ」「ユーゴアンドヴィクトール」「レーヴ・ドゥ・ビジュー」「レダラッハ」「ローエンシュタイン」「ヴァンデンダー」「ヴェルディエ」「カファレル」「クァウテモック」「ゴディバ」「ジャン=ポール・エヴァン」「「ジャン=ミッシェル・モルトロー」「ステットラー」「ステファン・ヴァンデュパール」「セバスチャン・ブイエ」「セントー」「ダルシー」

 テーマ⑥「日本のパティスリー・ショコラトリ―」

チョコレートにかける情熱なら、本場の国々にも引けをとらない。日本が誇るシェフや名店が、独創的で繊細な感性を活かして作り上げた、日本ブランドだからこそのひと粒を紹介している。

「アシッドラシーヌ」「アンリ・シャルパンティエ」「エクチュア」「オリジンヌ・カカオ」「キャギドレーブ」「銀のぶどう」「クラブハリエ」「グラマシーニューヨーク」「五感」「ショコラブティック レクラ」「パティスリーケ・モンテベロ」「パティスリー ラヴィルリエ」「ベルアメール」「モンロワール」「ルショコラドゥアッシュ」「和楽紅屋」

 テーマ⑦「フルーツ&チェナッツ」

爽やかさと香ばしさで濃厚な甘さを引き立ててくれる、フルーツとナッツを使ったチョコレートをセレクト。味わうほどにしあわせな気持ちになりそうな楽しさいっぱいのチョコを紹介している。

「ア・サンドルチェ」「オードリー」「銀座千疋屋」「フランソワデュセ」「フルージェルbyモロゾフ」「フルフルッタ」「ボドラート」「マゼ」

 テーマ⑧「ニッポンのチョコ」

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和菓子店やショコラトリ―が手がけた、細やかな感性と巧みな技が響き合う、ニッポン発の甘美なコレクション。さらに47都道府県から、銘菓をアレンジしたチョコや老舗のチョコ菓子などを紹介している。

01.老舗の挑戦 

「和菓子 結」「サトミフジタ バイ カメヤヨシナガ」「ぎんざ空也 空いろ」「HOMARE」「鶴屋八幡」「かきたねキッチン」「マシュ&クリスピー」

02.日本の技 

「セゾンドセツコ」「クオンチョコレート」「メサージュ・ド・ローズ」「まめや金澤萬久」

03.「和の柄」

「ベルアメール 京都別邸」「ひとひら」「ゴンチャロフ 和香楽々」「京都ふらんすや」

04.47都道府県チョコ

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北海道「ルタオ」「モリモト」「柳月」「千秋庵」青森「赤い林檎」「ラグノオささき」「お菓子工房やなぎや」岩手「さいとう製菓」「嚴手屋」「花月堂」秋田「くら吉」「あきた食彩プロデュース」山形「晩菊本舗 三奥屋」「乃し梅本舗佐藤屋」宮城「バルボー」「カズノリイケダ アンティヴィヂュエル」福島「いわきチョコレート」「バウムラボ樹楽里」茨城「翁屋」栃木「ラ・メゾンデュ・マサコ」群馬「菓舗たむら」「幸煎餅」長野「春月」「いと忠」埼玉「梅林堂」千葉「やます」東京「グランプラス」「賛否両論」「ジョンカナヤ」「をかし楽市」「銀座鈴屋」「ルワンジュトウキョウ」「ドメーヌ」神奈川「ありあけ」「シルスマリア」ショコラボ」新潟「ロシアチョコレートの店 マツヤ」「夢ちえご」富山「ボン・リブラン」「富山柿山」石川「川本 金澤プレミナンス」「別所文玉堂」「御朱印」福井「五月ヶ瀬」「永平寺禅どうふの郷 幸家」山梨「澤田屋」岐阜「飛騨あずさ」「仁太郎」静岡「住吉屋」「春華堂」「ヤタロー」三重「うぶた堂」愛知「御菓子所 まつ月」京都「七條甘春堂」「大文字飴本舗」「フレーバーズ」「京西陣菓匠 宋禅」「ケーキハウス フリアン」「麩屋いとふ」大阪「宇治園」「阿部製菓」滋賀「いと重菓舗」「千年の香り 千紀園」「御菓子司 梅元老舗」兵庫「神戸珈琲」「神戸プリン」和歌山「鈴屋菓子店」「福亀堂」奈良「奈良祥樂」島根「カノザ」「彩雲堂」岡山「中山昇陽堂」「ヒルゼンミルキー」広島「やまだ屋」「天光堂」「マチルダ」山口「ロイヤル」鳥取「泊綜合食品」徳島「あづまや製菓」「川田光栄堂本店」香川「ルーブ」「ばいこう堂」高知「モンプレジール」「土佐の楽市本舗」愛媛「ポエム」「一六本舗」「多々羅屋」福岡「カフェマルシェ」「お菓子のリーフ」「千鳥屋」熊本「くまもと菓房」「清正製菓」「ショコラトリー アソフォレ」長崎「クルス」「みろく屋」「和泉屋」佐賀「エトワール・ホリエ」宮崎「日向の国 風の菓子 虎屋」大分「中津菓子かねい」「菓子禅 高田屋」鹿児島「奄美きょら海工房」「モン・シェリー松下」沖縄「琉球黒糖」「ファッションキャンディ」「ナンボー」

 

テーマ⑨「お酒チョコ」

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注目のワイナリーや蔵元とチョコブランドがコラボした阪急オリジナルチョコから、今年は泡盛を使ったチョコまで、チョコ好きはもちろん、お酒好きも見逃せない味わいを紹介している

 

01.お酒のチョコ 

「梅乃宿酒造×モロゾフ」「奥の松酒造×メリーチョコレート」「九州焼酎菓蔵」「パティスリーヤナギムラ」「ファッションキャンティ」「フジマル醸造所×ゴンチャロフ」

02.日本酒

「御菓子司 森八大名閣」「カカオ」「賛否両論」「しょこら亭」「ショコラティエ パレ ド オール」「シルスマリア」「仁太郎」「和楽紅屋」

03.ウイスキー 

「小樽洋菓子舗 ルタオ」「ショコラティエ パレ ド オール」「シルスマリア」

04.ワイン・シャンパーニュ

「キャギドレーブ」「ショコラティエ パレ ド オール」「ジョンカナヤ」「5th アヴェニュー・チョコラティア」「ミュゼ・ドゥ・ショコラ ラオブロマ」

05.その他お酒 

「エクチュア」「カカオ サンパカ」「くまもと菓房」「ブルーノ ルデルフ」「ポドラト」「丸赤製菓」

テーマ⑩「チョコのワンダーランド」

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ユーモラスなアニマルや大好きなキャラクター、そして彼のハートをくすぐるモチーフも。ワクワクするフォトジェニックなチョコに加え、会場にはメリーゴーランドも登場。

 01.ANIMALS 

「アレックス&マイケルbyモロゾフ」「ゴンチャロフアニマルショコラ」「ゴンチャロフ アンジュ」「ゴンチャロフ クッカ」「シェフベアbyル・コルドン・ブルー」「ズーロジー」「トゥット・ベーネ」「パパパ・パンダ!」「ビアンクール」「メリーチョコレート マ ブティット ミネット」

02.KAWAII 

「ゴンチャロフ」「スヌーピーbyグランフール」「スリーオクロックbyカレルチャペック」「ティーバーbyモロゾフ」「ナオトキタムラ×シャンテドール」「ムーミン×メリーチョコレート」「メサージュ・ド・ローズ ベルローズ」「メリーチョコレート ショコラーシカ」「モンルル」

03.HOBBY 

「エイジオブダイナソー」「コーヒーラボ」「ゴジラ」「ザ・ローリングストーンズ」「ジュラシックショコラ マキィズ」「スター・ウォーズ」「フーシェ オリンポス」「ビートル」「マーベル」「メリーチョコレート サブマリンジャーニー」「マキィズ レーシングチームキュー」

テーマ⑪「「阪急スイーツストリートのチョコ」

阪急うめだ本店で人気のブランドや、期間限定のブランドなど地下1階で展開するチョコレート。(ブランド名は割愛します。)

 テーマ⑫「会場で楽しめるチョコスイーツ」

会場となる阪急うめだ店9階フロアでは、その場で楽しめるチョコスイーツコーナーを充実させている。人気のソフトクリームは10ブランド、19フレーバーから選ぶことができる。その他アイスバー、チョコドリンク、焼き菓子など、その場で味わうスイーツ。毎日を充実させている。(ブランド名は割愛します)

 ◆「人=ショコラティエ」「素材=カカオ」「セレクター=さつたにかなこ」「コンクール受賞=ICA受賞」「ブランド=ラグジュアリー・海外・日本」「カテゴリー=フルーツ&ナッツ」「日本の地方発=47都道府県」「お酒=日本酒・ウイスキー・ワイン」「デザイン・モチーフ=アニマル・カワイイ・ホビー」「イートイン=ソフトクリーム・カヌレ・フィナンシェ・カカオドリンク」

●阪急うめだ店のチョコレートマーチャンダイジングに学ぼう。

詳細に2018年バレンタインチョコレート博覧会の商品構成がどのような編集切り口によって品揃えされているのかを見てきました。チョコレートという単品アイテムでここまでの品揃えができるのは、人や素材、ブランドや日本の地方、デザインやモチーフ、チョコ×〇〇といった顧客をワクワクさせる編集切り口が明快だからです。しかも、太文字で紹介したブランドはすべて新出店になります。素晴らしいマーチャンダイジングを実現しているバイイング力にも脱帽ですね。それから、イートインコーナーの充実ぶりにも目を見張るものがあります。単に商品を品揃えするだけでなく、ワクワクドキドキする体験=コト消費にも注力しています。

それでは、1月24日、博覧会会場で女性たちをウオッチングしながら、女性の最新ニーズをチェックしたいと思います。マーケターやバイヤー、商品開発担当のみなさんも、しっかり予習した上で会場を訪れることをお勧めします。

 

2017-09-29 14:15:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

以前に、「リンクルショット メディカル セラム」の大ヒットから学ぶ、女性マーケティングのヒント。というタイトルで、ポーラ化粧品が今年の1月に発売した日本初のシワを改善する薬用化粧品が大ヒットしていることについて書かせていただきました。リンクルショット メディカル セラムは、発売1ヶ月で販売計画を大きく上回る約25万個、36億円を売上げを達成。上期トータルでは62万個と想定を超える売れ行きが続いています。2017年度の当初の販売目標を100億円に設定していたものの、1月~3月の売上が好調なことから125億円に上方修正。全売上の5%を占める大ヒット商品に育っており、この新商品効果もあって、2017年12月期の売上を期初より60億円プラスの2330億円に、また営業利益は25億円プラスの335億円に上方修正するといった内容でした。その後、7月27日には、売上を2360億円、営業利益を365億円にとさらに上方修正しています。

 

 ポーラ・オルビスホールディングスは7期連続の増収増益を達成しており、今期の増収増益も確実になってきました。業績好調の背景には、創業者の孫でポーラ化粧品本舗の社長を経て、ポーラ・オルビスHDの社長に就任した鈴木郷史氏らマネジメント層の地道な経営革新があると言われています。2011年以降は、基幹ブランド、ポーラとオルビスの原価改善を徹底して収益を改善してきました。商品開発やリニューアルの度にパッケージや内容物を見直したり、販管費の伸びを抑えることで、2015年以降営業利益率の大幅改善を実現しています。また、若年層を取り込むことに成功した「ポーラ・ザ・ビューティ」ショップは、2016年末には647店に拡大し新たな販売チャネルの確立にも成功しています。さらに歴史あるポーラレディ(現ビューティー-ディレクター)は2016年に少数精鋭化し、13万人から4万人にまで絞り込んでいます。以前は地味でつまらない会社と言われていた同社は、今では経営陣が目指す「面白いことをやってるね」と言われる会社に大変身を遂げたのです。 

 

今日は、日経トレンディで連載中の「経営トップが磨く“勘と感”」の中で、鈴木郷史社長が語っていた言葉からポーラオルビスホールディングスの経営革新の背景にある考え方をみてみたいと思います。 

 

◆ビジネスマン能力より「人間力」が大事!

鈴木社長が重視しているのは社員の人間力です。企業会計やマーケティング、法務や組織運営力、分析力、交渉力といったビジネスマン能力よりも、倫理、社会常識、教養、直感、好奇心、想像力、自己の目による意味・価値判断といった人間力こそが最も重要な経営資源と考えています。人間力が重要と考える背景には「うちの会社には4000人位の社員がいるのですが、4000通りの見方、4000通りの考え方、4000通りの行動がなければ4000人いる意味はないと思っているんです。」という発言からも理解できるように、個の能力を発揮するためには個人としての人間力が問われるという考え方があることがわかります。 

 

◆企業には変な人、異分子みたいな人が絶対必要

鈴木社長は、企業には変な人、異分子みたいな人が絶対必要とも言っています。「変な人は変なことをどんどんして他の社員の刺激になってほしい」「視野が広いとか好奇心が強いといった変な人がいないと企業の未来を切り拓くことはできない」という考え方の元、競合他社がやらないことを評価軸のひとつにしているそうです。 

 

◆遊ぶように楽しく仕事をしよう

鈴木氏は、「遊ぶように楽しく仕事をすることを社員がやってくれたらうれしいを思います。仕事は甘くないが、つらいだけではナンセンス。もっと自由にやってよい」とも語り、独自の仕事感を語っています。

 

◆新たな理念を掲げて「面白いことをやっている会社」を目指す

ポーラ・オルビスHDが掲げる新たなグループ理念は、Missionとして「感受性のスイッチを全開にする」、Visionとして「ブランドひとつひとつの異なる個性を生かして世界中の人々の人生を彩る企業グループ」、さらにこれらを実現する5つの行動指針となるWayを掲げています。このミッションには、化粧品やサービスだけでなく、様々な体験、情報、文化、アートなどの独自価値の提供を通じて、人々の感受性を刺激し、人生を変えるほどのきっかけを与える存在になりたい、という思いが込められています。そのためにはまず自分たちが常に感受性と個性を磨き、輝き続ける、という決意の表れといえます。 

 

ここまでみてきたように、ポーラ・オルビスHD好調の背景には、商品力や販売力の強さはもちろん、それらを支える素晴らしい企業フィロソフィーが人間の背骨のように脈々と息づいていることがわかります。

 

 

 

2017-09-01 14:10:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。 

 

このところますます存在感を高めているドラッグストア業界ですが、今や飽和状態といっても良いくらいお店が乱立しています。また、大手企業のM&Aによって小中規模チェーン店の淘汰が進み、競合各社の競争は激化しています。 

 

◆ドラッグストア業界は首位が入れ替わる戦国時代

 

2016年度の売上では、イオングループのウエルシアホールディングスがマツモトキヨシホールディングスを抜き22年ぶりに首位の座が交代しました。さらに、2017年8月7日には、ツルハホールディングスが、静岡県が地盤の同業、杏林堂薬局(浜松市)を子会社化すると発表。9月下旬に親会社の杏林堂グループ・ホールディングスの株式を、創業家などから51%取得することで2016年度の合計売上高は6665億円となり、ウエルシアホールディングスを抜いて首位になることが明らかになりました。このようにドラッグストア業界は、まさに戦国時代といえます。 

 

◆北陸を地盤に堅実に成長する「クスリのアオキ」

 

そんな中、北陸を地盤に堅実に成長しているのが、株式会社クスリのアオキです。先日、石川県に帰省した際、お店を覗いてきましたのので、成長の秘密をレポートしたいと思います。

 

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クスリのアオキは石川県白山市に本社を置き、北信越(石川、富山、福井、新潟、長野)を中心に、群馬、岐阜、滋賀、愛知、埼玉にお店を持つ中堅のドラッグストアチェーンです。1985年1月に設立。もともとは、明治初期に創業した町の薬種商が原点で、会社設立から今年で32年。2017年5月期の売上高は1887億4400万円、営業利益は106億7600万円と北陸を基盤とする超優良企業です。北信越地区を中心中心したドミナント出店戦略で386店舗を展開。店舗面積はドラッグストア業界の常識を超える平均300坪もあり、他店と比べると売場の広さに特徴があります。 

 

◆クスリのアオキのふたつの経営方針

 

ところで、クスリのアオキには大切にしているふたつの経営方針があります。まず、ひとつめが「便利なお店づくり」。お客様の身近にあって、必要なものが一回で揃うことを目指しています。そのため、出来るだけ来店しやすい場所に出店し、お客様のライフスタイルに合わせた日用品や惣菜、生鮮食品といった食品部門を強化するなど、店舗を常に進化させることに取組んできました。 

 

次に大切にしているのが、「専門性を追求した店づくり」です。セルフケアへの関心の高まりを背景に、ドラッグストアには地域医療の窓口としての役割が求められています。そのために、地域医療の一翼を担う「かかりつけ薬局」として気軽に薬剤師に相談できる体制を整えています。 

 

◆「ドラッグストア×スーパーマーケット」の新業態店が成長を支える

 

さて。ここからが本題です。私が訪れたクスリのアオキ山代店は、一歩足を踏み入れると広い店内はほぼ2分されていて、右側にはまるでスーパーマーケットのような食品売り場が、そして左側にはお薬や化粧品、シャンプーなどの日用品のコーナーが広がっていました。 

 

いちばんの驚きは、食品スーパーマーケットのような品揃えの豊富さです。入口近くには生野菜や果物のコーナーがあり、奥に行くとお肉やお魚のコーナーもあります。また、出来立ての弁当や総菜、冷凍食品も充実しており、菓子類や加工食品、調味料等の品揃えも負けてはいません。クスリのアオキでは、お客様の便利さを追求した結果、2012年からは野菜の販売をスタートし、2014年からは肉や魚の販売にも広げてきたのです。

 

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冬は曇天続きで雪の多い北陸に暮らす人にとって、食べ物から化粧品や日用品、お薬までを一軒で買物できるお店はとてもありがたいものです。クスリのアオキはそんな北陸に住む人の潜在ニーズに応えてこの20年間で大きく成長してきました。

 

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◆もはやドラッグストアとは言えない売上構成比

 

1999年には約100億円だった売上高は、2010年には約500億円、そして2014年に1000億円と突破。2017年5月期には1887億円超と急拡大。売上構成をみると、ヘルス(医薬品・健康食品等)が237億1200万円(売上構成比12.6%)、ビューティ(カウンセリング化粧品、フェイスケア商品等)は、344億5800万円(同18.3%)、調剤(薬局で処方する医療用医薬品)が186億4200万円(同9.9%)となっていますが、売上の約6割を占めているのがライフ(食品・家庭用品等)の1119億3100万円(同59.3%)となっています。つまり、スーパーマーケット並みの食品や家庭用品の品ぞろえの強化こそがクスリのアオキの成長を支えてきたことがわかります。 

 

◆地元住民から愛されることが生き残りの条件

 

ドラッグストアー×スーパーマーケットの新業態店は現在26店舗。今後は、既存店舗の改修や新店舗の出店に合わせて新業態店が増えていくことが予想されます。地元住民のニーズを満たすきめ細かな品ぞろえや店づくりによってお客様から愛されることが、クスリのアオキの大いなる強みなのです。

 

2017-08-29 14:02:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。 

 

働く女性の増加にともなって、共働き家庭も増加しています。2001年の共働き世帯は961万世帯でしたが、2016年には1129万世帯に増加。一方専業主婦世帯は、2001年の890万世帯から2016年には664万世帯まで減少しており、今後も共働き家庭の増加が予測されます。(総務省 平成28年版(2016年版)の「国民生活基礎調査の概況」より) 

 

ところで、共働き家庭の増加は、これまでになかった様々な社会課題を生み出しています。特に大きな課題は、働く女性の健康維持と仕事と育児や家事の両立です。 

 

働きながら子育てしたり、家事をこなすためには、いかに時間を効率的に使うかにかかってきており、時間を有効に使うことへの出費は惜しまないという女性も増えています。このような時間の使い方の変化が、消費の面でも大きな変化を生み出しています。 

 

例えば、「さしすせそ」と言われる日本の伝統的な調味料「砂糖、塩、酢、醤油、味噌」の一世帯当たりの年間消費量の合計をみると、2000年には9318円だった消費が2016年には6379円とおよそ3割も減少していることがわかります。特に味噌の消費量の減少が大きく、以前のように味噌汁を家庭で作る女性が少なくなっていることが推測されます。 

 

一方で、総務省の家計調査によると、調味料全体の2016年の消費量は2000年に比べて5%増加(二人以上世帯)。中でもケチャップやマヨネーズ、めんつゆ、焼き肉のたれなどが伸びており、「つゆやたれ」に至っては3割も増加しています。調理時間を少しでも短縮したい女性にとって、すぐに使えたり、汎用性の高い調味料へのニーズは今後もますます大きくなることが予測されます。 

 

このところコンビニ各社は冷凍食品やレトルト惣菜の品揃えを強化していますが、調理の時短マーケットは拡大していくことは間違いありません。ただ今後は「本格的な料理を短時間で手間をかけずに作れる」といった、より高度なニーズへの対応が必要になってくるでしょう。