体験消費時代のマーケティングヒント

2021-05-20 17:00:00
ゴディバ・ジャパンCEO ジェローム・シュシャン氏の「幸せのつかまえかた」

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

「ゴディバ」といえば、女性が大好きなチョコレートの代名詞といってもよいくらい日本でも人気のブランドです。

 

そのゴディバが、今日2021520日付日本経済新聞朝刊で一風変わった全15段広告を掲載していました。

 

ゴディバは95年の歴史をもち、世界100カ国以上で展開、日本では約300店舗を展開するプレミアムチョコレートカンパニーです。

 

ゴディバ ジャパンでは「We create Memorable Occasions of Happiness 私たちは、記憶に残る幸せな時を届けます」というミッションのもと、質の高い商品とサービスを提供しています。

 

老舗としての伝統を守りながらも、最近はギフト用だけでなく、ドリンクやソフトクリーム、コンビニスイーツなど気軽にゴディバの世界観を楽しめる商品を開発するなど新しい試みにも挑戦。2019年の売り上げは過去最高の436億円で、2010年比で3倍以上と快進撃を続けています。

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このゴディバの成長を牽引するのが、弓道五段のフランス人経営者ジェローム・シュシャン氏です。

 

「幸せのつかまえかた」というキャッチフレーズで始まる今日の広告では、

シュシャン氏がまだ大学生だった38年前に福井県を訪れ、禅の文化に興味を持ち、永平寺の荘厳な佇まいに感動したこと。

ゴディバ・ジャパンCEO ジェローム・シュシャン氏の「幸せのつかまえかた」

 

そして今年久しぶりに福井を再訪し、シュシャン氏が改めて感じたことが書き綴られています。

 

福井は幸福度日本一の県といわれていますが、シュシャン氏は

「決して華やかな県ではないが、人に対するリスペクトを忘れずに代々受け継がれてきた歴史や技術や文化を大切にすること。

 

そして、そんな故郷の素晴らしさをこれからの世代にも伝えるように努力すること。一見平凡に見えるこんな静かな幸せこそが、実は長続きするこれからの新しい幸せなのだということを福井の人たちは知恵として知っているように思えました。

 

私たちGODIVAと福井県には共通点があります。福井が旅人さえも幸せにするようにGODIVAも味わってくださった全ての人を深い幸福感でいっぱいにしたい。

 

その根幹にあるものも同じ。人に対する愛と人生に対する敬意です。

私が福井を訪れるたびにシンパシーを感じる理由はそこにあるのだと思います」と締めくくられています。

 

新型コロナウイルス感染拡大によって、私たちの幸せの価値観も変わり始めているといってもよいと思います。

 

一見平凡に見える静かな幸せの提供こそが、これからの女性を笑顔にするキーワードになりそうです。

#幸せはすぐそばに

 

2021-05-19 10:45:00
オイシックスに学ぶ女性を惹きつけるマーケティング。

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

新型コロナウイルス感染拡大によって、昨年は食品の電子商取引(EC)元年といわれるほど、食品EC市場が大きく伸びる一年になりました。

 

2000年に創業したオイシックス・ラ・大地は、生鮮宅配で独自のネットワークや品ぞろえを拡充する一方で、同業の大地を守る会やらでぃっしゅぼーやを次々に経営統合することで成長してきました。

 

20213月期の連結売上は前年同期比41%増の1000億円。オイシックスだけでも一年間で約7万人の会員が増え、いまでは30万人以上の会員に愛されています。

 

強みは全国4000軒の生産者とのネットワーク

オイシックスの強さの源泉は全国約4000軒の生産者と会員を直接結ぶネットワークにあります。

 

野菜や果物などは天候などにより収穫量が左右され、事業者にとっては生産計画を立てにくいという課題があります。

 

例えば作りすぎると廃棄しなくてはいけません。そこで同社は、全国4000軒の生産者から届く生産現場の状況や供給量の予測と購入者データを照らし合わせて、最適な需給システムを構築しています。

 

例えば、ニンジンが採れすぎた場合、過去の購入者データをもとに、ニンジン購入の可能性の高い顧客におすすめをすることで、できるだけ売り切るとともに、それでも余ればミールキットに利用することで食品廃棄率0.2%という驚異的な数字を実現しています。

 

また、収穫量が少なく市場に出回らない珍しい野菜も直接農家から仕入れ、他社との違いを打ち出しています。

 

さらに20137月には、必要量の食材とレシピがセットになった、主菜と副菜の2品が20分で完成するミールキット『Kit Oisix』を発売。調理時間を節約したいと考える働く女性から大きな支持を得て、シリーズ累計出荷数は8000万食(20213月末時点)を突破。同社の主力商品として、新たな市場を開拓しました。

 

消費者の「おうち」が食関連ビジネスの主戦場に

2020年、新型コロナウイルス感染拡大によって、在宅勤務が広がり外食を控える消費者が急増することで、自宅でもレストランなどで味わえる本格的料理を宅配で注文する人や、自ら調理する人が増加。

消費者の「おうち」が食関連ビジネスの主戦場になりました。

 

同社も、本業の有機野菜の宅配をベースに、飲食店の味を食卓に届けるサービスや異業種とのコラボ、多様な食への対応、リアルな売り場の拡充など、巣ごもり需要の拡大を追い風にして事業を成長させてきました。

 

飲食店の味を食卓へ

新型コロナウイルス感染拡大によって、食のライフスタイルは激変しました。特に居酒屋を利用する消費者は激減し、外食産業に大きな痛手をもたらしました。

 

オイシックス・ラ・大地では、コロナを機に外食産業との協業を加速。塚田農場を運営するエー・ピーホールディングスと資本業務提携し、3月には傘下の水産卸会社を子会社化。

 

のどぐろを使った炊き込みご飯など新たなメニューを開発して、同社の取扱い商品の拡充につなげています。

 

また、8月には大戸屋ホールディングスと業務提携。大戸屋の人気メニューを自宅で楽しめるミールキットを共同開発し、今後5年で共同事業を30億円規模まで拡大させていく計画です。

 

●異業種とのコラボで客層を拡大

2020年冬にはウォルトディズニージャパンと組んで、ミールキットを発売。ミッキーマウスやミニーマウスのカタチをしたハンバーグをつくる食材や道具が一緒に届き、子供と一緒に調理する時間を楽しめる、と話題になりました。

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また、野菜の育ち方が描かれたランチョンマットやレンコンのきれいな切り方がわかるレシピ冊子を付属。「調理・盛り付け・配膳」すべてのプロセスで子どもが積極的に関わりたくなる要素を盛り込み、食育の事業領域を広げることにも注力しています。

 

多様な食への対応

201910月には、米国のヴィーガンミールキット「Purple Carrot (パープルキャロット)」の提供を開始。アメリカでは健康意識や地球環境への関心の高まりからヴィーガン食市場が拡大しています。

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ただ、アメリカでヴィーガンミールキットを利用している顧客のおよそ8割は「時々ヴィーガン」の食生活を楽しんでいる人たちです。

 

オイシックスでも、昨日はお肉を食べすぎてしまったから、今日はヴィーガンメニューを。お昼はイタリアンだったから、夜はヴィーガンメニューを。そんな感覚で「時々」ヴィーガンを楽しむ、という新しい選択肢の提供を日本でもスタートしました。

 

楽しく美味しく心と身体を整えられる新しい食の体験として、多様な料理ジャンルの一つの選択肢として、気軽に親しみ、楽しめるミールキットを提案することで未来の食文化を創造しています。

 

リアルも拡充

2016年には、移動スーパーとくし丸を子会社化。地方の過疎地などを中心に、定期的に消費者の自宅近くを廻り生鮮品などを販売しています。20213月期の売上は前年同期比54%増の165億円。こちらの事業も高齢者からの支持を得て順調に成長しており、トラック数を現在の740台から早期に1000台に増やす計画です。

 

オイシックス成長の背景にある時代や消費者の変化を読む力

食品宅配事業には、楽天やイオン、アマゾンジャパンなどが参入し、競争が激化しています。とはいえ、日本の食品EC化率はわずか3%。現在は市場を奪い合うというよりも市場を広げていく段階といえます。

 

オイシックスは、2000年の創業以来、時代の変化や女性消費者の心を読むことで成長してきました。

 

1990年代以降、欧米社会ではダイエットや健康・自然志向が高まります。

「外見はもちろん、内面から美しくなりたい」と考える女性が増加するなか、流行の先端を行くハリウッドスターたちはヨーガへ心酔し始め、ヨーガ・ブームが急速に沸き起こりました。

 

また1990年後半から、アロマ、ヒーリングなどの言葉が流行し自然派化粧品が見直され始め、2000年以降はLOHASという新しい潮流とともにオーガニックというカテゴリーのスキンケアが注目されるようになりました。

 

それに加え環境問題、食品の偽造、汚染問題などが後押しとなり、生活者の体に取り入れるものは(肌に対しても)食と同じ安全性を求めるべきという意識が芽生えはじめました。

 

このような女性の意識や価値観の変化を見抜いて、いち早く安心安全な農産品の宅配事業に参入したオイシックスはまさに先見の明があったといえます。

 

また、20137月に発売を開始したミールキット『Kit Oisix』は、働く女性の増加を先読みして開発された商品です。

 

内閣府が発表している男女共同参画白書によると2016年の共働き世帯数は1129万世帯。1980年と比較すると約1.8倍の増加となり、今後も増えていくことが予測されます。

 

また厚生労働省が発表している2016年国民生活基礎調査によると、18歳未満の児童を持つ母親が働いている比率は67.2%、約7割弱の母親が子育てしながら働いていることがわかります。

 

働く女性が増えるとともに、調理を簡便に済ませたい、でも手抜きと思われたくないと考える女性が増えていきます。主菜と副菜の2品が20分で完成するミールキット『Kit Oisix』は、そのような働く女性の潜在ニーズを先読みして見事成功した商品です。

 

オイシックスでは、時代の流れを的確に予測するとともに、会員から生の声を聞くことにも注力しています。

 

定期的にメールや電話で利用者に満足度や改善点を聞くほか、実際の顧客の家を訪問したり、利用者の子供を招いて試食会を実施したりしています。

 

例えば「カットした小松菜は、23cmが食べやすい」など、生の声がなければわからない経験を蓄積して独自商品を増やしています。

 

一方で、これまでに蓄積していた膨大な顧客データも活用しながら、顧客が「こういうモノが欲しかった」という商品を生み出すことを重視しているのです。

 

新型コロナウイルス感染拡大によって定着した「巣ごもり需要」やSDGsの浸透によって生まれてきた環境意識や食品ロスへの関心の高まりなど、女性を笑顔にするためには、常に消費者の変化を注視していくことが重要です。

2021-05-14 17:33:00
ユーザー生成コンテンツ「UGC」を活用して、女性客を惹きつけよう!

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

スマートフォンの普及やSNSの台頭で、生活者と企業の関係はインタラクティブ(双方向)なものに変化しています。

 

いまや、企業だけでなく、生活者自身が発信者となることで、社会に様々な影響をもたらすようになってきました。

 

つまり、これからのSNS時代には、発信者である生活者を味方につけるマーケティング施策が重要になってきます。

 

そのためには、

生活者と継続的につながり、商品改善やサービス向上に生活者の声を活かすこと

生活者の体験を口コミとして活用し、広告宣伝につなげること

生活者参加型のプロモーションにより、より自然にブランドとつながるきっかけをつくること

生活者のリアルな声をもとに、施策や商品をスピーディーに改善すること

 

以上の4つの軸をベースにマーケティング施策を見直していくことが必要です。

 

いま、生活者に影響を与えているのは、その人にとって身近な情報です。

 

アライドアーキテクツ株式会社が2020年に調査した結果を見ると、インスタグラムユーザーの6割がインスタの情報をきっかけにECで購入したことがあると答えています。

 

その際参考にした情報を聞いてみると、「企業のアカウント情報」と答えたが28%に対して、「友人や一般の人の投稿」と答えた人が32%で、企業が発信する情報よりも身近な人が発信した情報を参考に商品を購入している人が多いという結果となっています。

 

いまSNSの普及を背景に、一般消費者によるインスタなどへの投稿内容を商品の販促や商品開発に活用する企業が増加しています。

 

UGC(ユーザー生成コンテンツ)と呼ばれる一般消費者による投稿コンテンツは、企業の直接的な宣伝を嫌う消費者をつかむ新しい概念として認識されるようになってきました。

 

例えば、このところ女性客の心を惹きつけて、10期連続増収増益を達成したワークマンでは、自社ECサイトに顧客によるインスタ投稿を転載することで購入率を高めています。

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転載するインスタ投稿は、どれもみなワークマンの商品を着用しているものばかり。使用する写真はあらかじめ投稿者の許諾を得ており、使用料もかかっていません。

 

ワークマンでは、投稿されたインスタ画像をクリックすると商品名と価格が表示され、購入ページへ移動できるようにサイトの仕様も変更しています。

 

このようなユーザー自身が自発的に発信しているコンテンツには、その商品の使用感がわかりやすため、商品情報が伝わりやすく、説得力があるというメリットがあります。

 

また、202010月に横浜にオープンした新業態店「#ワークマン女子」は店名が示す通りUGCを前提にした店舗になっています。お客様に投稿をしてもらいやすいように、店内には写真を撮影できる場所をあらかじめ用意し、インスタグラムへの投稿を促しています。

 

同社では、UGCを分析することで、販促のほかに商品開発にも役立てるなど、お客様との共創をマーケティングの軸にシフトしています。

 

ではここで改めて、UGCを活用することのメリットをまとめておきます。

 

まず企業側のメリットとしては、企業やブランドが発信する情報に比べ押しつけがましさが低減されることユーザー目線での新しいアイデアが得られること自社で写真やコンテンツを用意する必要がなく、時間と手間とコストが削減できることがあげられます。

 

また、投稿者には、企業から転載を依頼されることでそのブランドから認められているという優越感や承認欲求を満たされるというメリットがあります。

 

そして消費者のメリットとしては、等身大ユーザーが実際に使用した情報を得られることで、使用シーンをイメージしやすく購入の失敗を減らせるという点があげられます。

 

つまり、企業にとっては新規顧客の開拓になるばかりでなく、既存顧客との関係を強化できるというメリットも享受できるわけです。

 

これまでのマーケティングは、消費者にいかに購入してもらうかということを主眼に置いてきましたが、

SNS時代は消費者にいかに「推奨」してもらうかが重要なポイントになっていきます。

 

あなたの会社やブランドでも、UGCを活用したマーケティングに取り組んでいきましょう。

2021-05-13 17:39:00
注目の新50-60代市場、50-60代女性のハートを惹きつけるためには。

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

日本の女性の半数以上が50歳以上になった今、50-60代女性が消費の主役としての存在を高めています。

 

彼女たちが青春を過ごした60年代や70年代は、ビートルズの来日やミニスカブーム、『anan』『non-no』などの女性誌が創刊されるなど、カルチャーやおしゃれ文化が花開いた時代です。

 

まさに、今の若者文化をけん引してきた世代であり、いつまでも「センスのいいもの」を探し求め、アンテナを張っています。

 

つまり、これまでのシニア世代とは異なるライフスタイルや感性を持つ新50-60代女性は、これからの日本の消費をリードしていく可能性に満ち溢れた世代です。

 

新しい60代女性市場をリードするファッション雑誌「素敵なあの人」

これからの消費の主役として注目されている60代女性。いち早く目を付けたのが、付録付き雑誌で女性誌市場をリードしている宝島社です。

 

同社は、2010年以降、3060代の大人世代に向けて「リンネル」「GLOW」「大人のおしゃれ手帖」「otona MUSE」「&ROSY」「mono Master」の6誌を発行。

 

読者ターゲットの年齢を上げ、ファッション雑誌の「大人化」を図り、大人市場に参入してきました。

 

201712月には、60歳以上をターゲットにした「素敵なあの人の大人服」をファッションムックとして発売したところ、3日で重版し累計5万部を売り上げるヒット雑誌になりました。

 

また「グレーヘア」などの社会現象も起こし、その後に発行した4冊も好調に推移したことから、20199月から、月刊誌として新たに「素敵なあの人」を創刊。さらなる大人市場の拡大・開拓を狙ってきました。

 

60代女性を笑顔にするヒント

働いている人は定年を迎え、主婦は子育てを終え、会社やママ友社会に属さなくなることで、自分の好きな洋服を選べるようになります。友達との社交も増えるので、もう一度装うことを楽しみたい60代はおしゃれの再燃期です。どんな服がおしゃれに見えるか、トレンドにも興味津々です。

 

このところアパレル各社からも、5060代女性を狙ったブランドが相次いで誕生しています。では、この世代を惹きつけるためには、どうすればいいのでしょうか。

 

脱ミセスファッション!カジュアルな日常着にシフト

従来のシニアファッションは、きちんと感やよそ行き感のある、コンサバ色が強いものが主流でしたが、世の中のファッションがどんどんカジュアルになるにつれ、60代以上もラフな普段着が好みになっています。

 

②若作りには興味ナシ!「グレーヘア」や「自然体」がキーワード

カジュアルな感覚の装いを楽しみたいけど、若作りして見えるのはイヤ!自分の今の年齢を楽しむような、より自然体なおしゃれに興味あります。

 

③外せないおしゃれのポイントは「肌触りがいい」「軽さ」「動きやすい」「着やせ」

更年期を経て、肌がどんどん乾燥して敏感になってくると、コットンやリネン、ウール、カシミヤなどの上質素材を求めるようになります。また、軽さや動きやすさも絶対条件。特に土踏まずのアーチが潰れて足幅が広くなり、外反母趾や魚の目などのトラブルを抱えがちなこの世代は、おしゃれな楽ちん靴がマストアイテムです。

 

④おしゃれも美容も健康のうえに成り立つ

巷で話題の健康食やエクササイズをすぐに取り入れるのがこの世代。お料理も、手軽に作れるけど、ダイエットや健康維持に役立つレシピに興味津々です。

 

60代以上の美容はガラパゴス化状態

新しい美容トピックに疎い大人世代は、昔の知識でスキンケアやメイクを行っている人が多いもの。より進化したスキンケアアイテムのシンプルな使い方、ビフォーアフターで違いがしっかりわかるテクニックいらずのメイク法などに関心があります。

 

⑥料理、旅行、街歩き、住まいのことなど、ライフスタイルも充実させたい

お金と時間に余裕のある60代は好きなことで贅沢もしたい。今でこそ、テレビや雑誌でも人気のコンテンツ「街歩き」は今の60代がけん引してきたもの。友人や娘、お嫁さんと共有したい情報が盛りだくさんです。

日本の女性の半数以上が50代の時代。あなたの会社でもこのおとな世代を豊かにする商品やサービスの開発に着手しましょう。

2021-05-12 16:48:00
在宅勤務の女性の心を惹きつけた、「お皿がいらないぶっかけ牛肉うどん」

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

働く女性の増加や世帯人数の減少、時短需要の高まりなどを背景に、冷凍食品の販売が拡大しています。

 

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、冷凍食品への関心は高まり、特にうどんや米飯などの一人用冷食が人気です。

 

在宅勤務が浸透し、自宅で気軽にとれるランチへの需要が高まっていることがその背景にあります。

 

冷凍食品大手のテーブルマークでは、今年の3月に「お皿がいらないぶっかけ牛肉うどん」を新発売しました。

 

この商品の大きな特徴は、袋に切れ目を入れてレンジで加熱するだけで、トレーに入った麺をそのまま食べられる簡便性。

 

それに加えて、「お皿がいらないぶっかけ牛肉うどん」では、在宅勤務をする女性需要を取り込むため、従来品よりも28%麺の容量を減らして安価にしました。

 

さらに、牛肉比率を増やし味付けをやや濃いめにして、しっかりした食べ応えにに工夫したところ、子供がいる共働き家庭の女性の購入率が大幅にアップし、発売から2か月で42万食と上々の滑り出しを見せています。

 

国勢調査によると平成27年時点で共働き世帯の数は1200万世帯を超えて、割合としては全体の64.4% となっています。つまり、全世帯中の過半数が共働きです。

 

また、男女共同参画白書によると「男性雇用者と無業の妻から成る世帯」は減少し続けており、昭和55(1980)の時点では1,114万世帯であったのに対して平成29(2017)の時点で641万世帯にまで減少しています。

 

今や日本では共働き世帯の方が多数派であり、スタンダードな家庭のスタイルになっていると言えます。

 

共働きで働く女性は、仕事と子育て、家事の両立に頭を抱えています。あなたの会社でも、共働きの女性が笑顔になる、商品やサービスを提供していきましょう。

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