体験消費時代のマーケティングヒント

2020-02-03 14:25:00

 

みなさんこんにちは。和田康彦です。

阪急うめだ本店(大阪市北区角田町)では、今年も1月22日から「バレンタインチョコレート博覧会2020」が開催されています。私も先日会場を訪れましたが、還暦を越えたおじさんも心もワクワクドキドキ。女性のこころを動かす秘訣をたくさん学んできました。 

■ワクワクドキドキポイント①圧倒されるスケール観
今年は「もっと広がるチョコレートの楽しみ方」をテーマに、約300ブランド、約3000種類のバレンタイン向け商品を、同店9階全フロア(約1000坪)と地下1・2階の食品売り場で展開しています。

 

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昨年は過去最高額となる約24億円を売り上げたそうですが、今年の売上目標はさらに1億円多い25億円。9階フロア全てがバレンタイン売場になっており、会場からは、阪急うめだ店の熱い想いや情熱がひしひしと伝わってきました。 

■ワクワクドキドキポイント②選ぶ楽しみ、探す楽しみ、迷う楽しみ。
9階会場は、独創的な6人の日本人ショコラティエをクローズアップした「ジャパンクリエーションチョコ」、カカオ豆やその生産国に焦点を当てたチョコを集めた「カカオワールド」、チョコの断面図を紹介し、多様なフィリングのボンボンショコラを楽しむ「ボンボンショコラを解き明かす ワールドチョコレートライブラリー」、ハーブや花などの植物由来のフレーバーを使ったチョコや花の形のチョコを集めた「ハーブ&フラワー ボタニカルチョコ」など8つのコーナーを展開しています。どのコーナーも個性豊かなバラエティに富んだ商品がずらりと並び、カワイイパッケージを見ているだけでも時間が経つのを忘れてしまします。

 

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■ワクワクドキドキポイント③初出店や限定商品など話題性がいっぱい。
また、米サンフランシスコ発のカカオ豆からチョコレートを作る「ビーン トゥ バー」のチョコレート店「ダンデライオン・チョコレート」は、同店限定で発売する初の「生チョコレート」(9個入り、1,728円)、兵庫県養父市で自家農園の蜂蜜を使い、「ショコラティエだけじゃなく、農家的な目線」でチョコレートを作る「ル・フルーヴ」の「ガナッシュ・パリ」(6個入り、2,529円)など、初登場店も多く出店。これまで出会ったことのない商品に出会えることでワクワクドキドキ度はさらに高まります。

 

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■ワクワクドキドキポイント④イートインコーナーで美味しいを気軽に体験。
9階にある4店のカフェでは、ショコラティエやパティシエが監修した限定メニューを提供する「カフェコラボレーション」やソフトクリームやクレープなどのチョコレートスイーツを会場で楽しむ「チョコフードホール」など、イートインメニューも豊富にそろっています。カフェ店「ア・ル・ロイック」では、コロンビアでチョコレート選別から製造を行う「カカオハンターズ」の小方真弓さんと開発した「恋する乙女のストロベリーローズ」(1,080円)が楽しめます。阪急うめだ店のイベントでは、このところイートインコーナーを充実させていますが、気軽に美味しいを体験できることで、女性のワクワクドキドキ度は最高潮に達します。

 

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■ワクワクドキドキポイント⑤色々な味を楽しめる試食サービス
また、地下1・2階会場「チョコスイーツパーク」では、昨年初登場し人気を集めた「TOKYOチューリップローズ」がバレンタイン限定商品「ボンボンショコラ」(6個入り、2,376円)などを用意。男性へのプレゼント用として購入される、日本酒や焼酎などの酒や日本茶を使ったチョコレートは、9階会場まで上がらず手軽に買えるように地下2階へ移動しました。
お店によっては、試食サービスを行っているところも多くあり、色々な味を食べ比べることができる点も女性のこころを動かすおもてなしになっています。

 

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■ワクワクドキドキポイント⑥255ページにも及ぶガイドブック
配布はすべて完了したようですが、今年も超豪華な「バレンタイン博覧会2020」の公式ガイドブックが作成されています。2年前の私のブログでも紹介しましたが、

 

 

 

www.happymk.net

 

 

 

まさにチョコレートのバイブルといっても過言ではない素晴らしいガイドブックです。チョコレートというアイテムで、これだけの品揃えができるということを教えてくれるマーチャンダイジングの教則本といってもよいと思います。編集内容やビジュアル面も素晴らしく、書店で販売しても十分に売れる内容になっています。見ているだけで幸せになる一冊。こんな価値のあるものが無料で配布されているのですから、まさに阪急うめだ店のバレンタインに対する思いが伝わってきますね。

 

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女性のこころを動かすには「ワクワク・ドキドキ」してもらうことがポイントです。阪急うめだ店の「バレンタインチョコレート博覧会2020」を見て、ワクワクドキドキの素をたくさん吸収してください。特に男性マーケターの方必見ですよ。

 

営業時間は10時~20時(金曜・土曜・2月9日~13日は21時まで、最終日は19時まで)。2月14日まで。

 

 

 

こちらの記事もご覧ください。

 

 

 


 

 

 

 

 

2020-02-03 07:31:00

なさんこんにちは。和田康彦です。 

ディスカウント店「ドン・キホーテ」などを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は21日、宮崎県で百貨店などを運営する橘ホールディングス(HD、宮崎市)を同日付で買収したことを明らかにしました。

  

PPIH20196月期の売上高は132887400万円。2019年1月に、ユニー()及びその子会社が連結子会社となったことで、前年同期比41.1%増と、大きく伸長。営業利益は6311000万円(22.4%増)、経常利益6824000万円(19.3%増)、純利益4825300万円(32.5%増)。同グループは2020年を達成年度とした「ビジョン2020:売上高1兆円、店舗数500店、ROE(株主資本利益率)15%」を目標としていますが、すべての項目を前倒しで達成と、この小売不況の中にあって絶好調を維持しています。  

 

ドン・キホーテに行ったことのある方なら誰もが、あの宝探しをするようなワクワク・ドキドキするを時間を体験していると思います。雑然とした店内は、どこに何が置いてあるのかわかりにくい。手を伸ばしても届かないような棚の上にまで陳列されていたり、足元の段ボール箱にはお買い得品が山盛りになっていたり、手書きのPOPがあらゆるところに貼られていたりと、マーケティングのセオリーからすると、とんでもない雑然とした売り場になっています。  

 

米国の年経済研究家のジェイン・ジェイコブズ氏は、整然と区画整理されてどこに何があるのかわかるような街は魅力がない。狭い曲がりくねった道で、その先にどんな店が見えてくるのか予想できないような街こそ魅力がある。曲がりくねった路地の先に何があるのか、歩くだけで楽しい気分になる。と魅力ある街について論じています。  

 

店づくりにも同じことが言えそうですね。まさにドン・キホーテは、雑然とした通路の先に何があるのか、ワクワク・ドキドキしながら買物できることが大きな魅力です。いつ行っても、何か掘り出し物に出会えるのではないかという期待感に心が動きます。 

 

女性は、買いやすさや価格、丁寧なサービス、品質に対する安心感など色々なことに期待して消費しますが、変化のない店には心は動きません。新商品の打ち出しや季節ごとの提案、売り場づくりのリニューアルなど、ワクワク・ドキドキさせる変化を感じてもらいましょう。

 

2020-02-02 15:51:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。 

古来より、日本人は、普段通りの日常を「ケ」の日、祭礼や年中行事などを行う日を「ハレ」の日と呼び、日常と非日常を使い分けていました。「ハレ」の日には、晴れ着を着たり、神聖な食べ物である餅や赤飯を食べたり、お酒を飲んで祝ったりして、特別な日を楽しみました。  

今でも、海外旅行に行ったり、高級レストランで食事をしたりといった特別な時間は「ハレの日」の行動といえます。  

ただそんな特別な「ハレの日」は毎日続くわけでもないので、多くの消費者は毎日の生活「ケ」の中にささやかな潤いや幸せを求めています。海外旅行や高級レストランでの食事といった大掛かりな幸せの追求ではなく、日々3分でもほっとする時間が多くの人にとってワクワク・ドキドキできる時間なのではないでしょうか。  

スターバックスで新発売されたフラペチーノを食べる。コンビニで買ったお気に入りのデザートを食べる。百貨店の北海道展でちょっと贅沢なお弁当を買ってみる。化粧品売り場で新しい化粧品を試してみる。年に1回のバレンタインデーで最高のチョコレートを自分にプレゼントする。などなど。  

みなさんにも経験があると思いますが、ちょっとした幸せの積み重ねの上に日々の生活があります。つまり多くの消費者、特に女性は、小さな変化やこだわりを求めているのです。日常=「ケ」の中でちょっと違う体験をする「ケの日ハレの日」体験の提供こそ、「ワク♡ドキ」マーケティングの要となります。  

東京・高円寺にある銭湯「小杉湯」は、昭和81933)年創業した老舗銭湯ですが、2016年以降20-30代の女性客が急増しています。浴槽をステージに、ミュージシャンが熱演を繰り広げる「銭湯フェス」やダンサーが前衛的踊りを披露する「踊る銭湯」、カゴメとコラボしてトマト色の湯を提供する「トマトの湯」、手ぶら女性でも楽しめる充実したアメニティや高級ドライヤー、今治タオルのレンタルサービスなど、ユニークなイベントやサービスで女性のこころと捉えました。まさに、女性の日常をちょっと幸せにワクワク・ドキドキさせることで成功した事例です。 

「ケの日ハレの日」体験をキーワードに、女性のこころを動かす「ワク♡ドキ」を創造しましょう。

 

2020-02-01 15:55:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

そもそも男と女は違う生き物です。脳の構造も違えば身体の構造も違います。つまり脳の構造が違うということは、男と女は全く違うフィルターを通して世の中を見ているということになります。最近では脳科学や医学、生物学、動物行動学など様々な分野で男女の考え方の違いや理由が明らかにされています。 

よく言われるのは、男は主に「左脳」を使って考え、女は「右と左の両方の脳」を使って考えるということです。男脳と女脳の大きな違いのひとつが、「脳梁」という左右の脳をつなぐ連絡橋の太さの違いです。女脳はこの脳梁の太さが男脳に比べて太いため、左脳で考えたことと右脳で考えことが常に行き来して、多くの情報を流せるようになっているようです。 

主に左脳を使って考えたり行動する男性は一般的に論理的でデジタル的といえます。だからどちらかというとスペックや機能を重視して消費する傾向が強いと言えるのです。 

一方女性は、右脳と左脳をバランスよく使って考えたり行動するので、男性に比べ情緒や、感情というあいまいな感覚を感じ通る力に長けているようです。男性のデジタル的に対してアナデジ的といってもよいでしょう。 

女性がおしゃべり好きというのも実はこの左右の脳をつなぐ脳梁が男性に比べて太いので、言語情報をはじめ多くの情報を次から次へと流せるようになっており、脳が次から次へとポンポンと言葉を発することができるようになっているのです。 

☛最近女性に人気のブランドやショップを見ていると、デザインやセンスを磨いてますますおしゃれになっていることがわかります。特に成長を続けている100円ショップの「セリア」や北欧家具の「IKEA」などはその典型といえます。これらのブランド以外でも、現在元気のいい企業はみなデザイン力の強化を掲げ、おしゃれなイメージを作り出すことで女性客の支持を得ていると言ってもよいと思います。

 ☛つまり、女性客に選ばれるためには「機能や品質といったロジック」よりも「センスがいい、楽しいといった感情」に訴えることが重要なのです。男性はスペックを比較し性能や品質の優位性で購入する人が多いのに対し、女性は品質や性能はもとより、その商品を自分の生活に取り入れた時に、どれだけ今までの生活より素敵になるかということをイメージできることが重要になってきます。

 ☛このところ若い女性に大人気のSNS「インスタグラム」はまさに、心地よい感覚を求める女性の脳をハッピーにするメディアとして多くの女性を虜にしていると言えるのではないでしょうか。

 ☛男女の生活行動の違いは、これまで説明したこと以外にも、女性は安心・安全好き、男性はチャレンジ好き。女性は過程を重視し、男性は結果を重視する。女性はあいまい、男性は明確。など色々あると思います。女性脳を理解して、女性をワクワク・ドキドキする商品やサービスを生み出しましょう

 

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