女性客の心をつかむヒント

2024/02/01

カーブス流、シニア女性の心をつかんで成長する方法。

カーブス流、シニア女性の心をつかんで成長する方法。

みなさんこんにちは、和田康彦です。

 

以前にもお伝えしましたが、http://womanmarketing.net/info/5361994ライザップが運営する会員制フィットネスクラブ「chokoZAP(チョコザップ)」の勢いが止まりません。20227月の一号店オープンからわずか1年強で1000店舗を突破、会員数はすでに100万人を超えています。同社は26年までに2000店舗を目指し、引き続き店舗拡大を加速していくようです。

 

一方で、2005年に日本で1号店が生まれた女性専用の30分フィットネス「カーブス」も、20238月期の売上が前年比9.1%増の300億円、営業利益は前年比40.4%増の38億円とコロナ前を超えて過去最高を達成しています。会員数も80.9万人、店舗数も1971店(202311月末)と前年と比較しても順調に伸ばしています。

 

▪ターゲット層の明確化が成功のポイント

カーブスがここまで成長してきた要因で最も重要なことは、日本の高齢化社会の到来を先読みして、ターゲットを60歳以上のシニア女性層に絞り込んだことです。

 

ターゲットを絞り込むことで、潜在顧客のニーズが見えやすくなります。

 

シニア女性は、健康に対する不安や心配が年々高まり、運動の必要性は感じているものの、実際には運動していない人が大半です。

 

60歳以上の女性がフィットネスジムに求めていることをカタチに

そこでカーブスは、60歳以上のシニア女性専用のフィットネスジムをコンセプトにすることで、出店するのは女性たちが徒歩や自転車で通える生活圏内に限定しています。また利用者は女性だけ、スタッフも女性だけなので、男性の目を気にすることなく、メイクもせずに通えます。つまり「気軽に通いやすいフィットネスジム」を求めていた、シニア女性の潜在ニーズを満たすことに成功したわけです。

 

そして、ハードなトレーニングではなく、負荷の少ない30分限定サーキットトレーニングを採用することで、汗もさほどかくことなく「気軽に続けやすい」というベネフィットを提供しています。また、ジムにはミラーはなく、自分の体形を気にすることなく運動に集中できるのも、シニア女性に対する気の利いた配慮です。

 

カーブスでは、女性のコーチが常駐して継続して続けられるよう会員をサポートしているので、入会後は安心して続けることができます。また月に1回は体脂肪率などを計測して継続の効果を見える化して、会員のモチベーションを高めています。

 

さらに、コーチは会員を下の名前で呼んでくれるので、大切にされているという自己重要感も味わうことができます。

 

そのうえ、1週間行かないとコーチから電話がかかってきて、背中を押してくれるという温かいコミュニケーション術も会員にはうれしい限りです。

 

このようにカーブスでは、シニア女性がうれしいと思うコンテンツやサービスを次々に提供することで、今では、シニア女性が活き活きと生きていくためのコミュニティの場に進化しています。

 

カーブス入会へ入会した人の半数以上が紹介やクチコミがきっかけとなっており、顧客満足度の高さを物語っています。

 

「フィットネスジム=運動してダイエットする、健康づくりをする」という機能的ベネフィットを満たすだけでなく、シニア女性がフィットネスジムに求めていた潜在ニーズを読み解いて、情緒的ベネフィットを一つ一つカタチにしていったことが、カーブス成功の要因です。