体験消費時代のマーケティングヒント

2022-01-28 13:04:00

みなさんこんにちは、和田康彦です。

 

先日のコラムでは、「今すぐ欲しい!」という需要にこたえる『クイックコマース(Qコマース )』に目を向けよう。http://womanmarketing.net/info/4367825というタイトルで、食品や日用品を30分など「分単位」で届けることをうたう「クイックコマース(Qコマース)」が注目されていることをご紹介しました。

 

食料品や日用品の宅配需要が高まる中、明治や森永乳業、雪印メグメルクなど乳業各社の宅配事業も好調に推移しています。

 

牛乳宅配は、1928(昭和3)年、明治が生産工場のあった東京・両国周辺で始めたことがきっかけとされており、その後全国に広がりました。

 

明治乳業の牛乳宅配は、ピークの1970年代半ばには契約件数が350万軒を誇りましたが、この頃からスーパーやコンビニエンスストアが台頭。牛乳は店で手軽に買える商品になり、80年代には120万軒に減少。存続の危機に陥りました。

 

90年代に入ると、宅配でしか買えない専用商品を各社が開発。健康志向の高まりとともに、消費者の心を捉えて市場は再び活気づきます。

 

明治でも、ヨーグルトの「R-1LG21」栄養食品「メイバランス」など市販の人気ブランドの成分を強化。毎日続けやすい味にした宅配専用商品を次々に投入することや新型コロナウィルス禍による巣ごもり傾向も追い風に、現在は250万軒とV字 回復しています。

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また高性能の保冷受け箱を導入したり、配達を毎日から週2-3回にして空いた時間を新規顧客の開拓に充てていることも、利用者を増やしている背景にあります。

 

現在の利用者は60代以上が約7割。高齢者と日々接点を持つ牛乳宅配事業は他の宅配サービスにはない最強のインフラに育ってきています。

 

人口減少時代に生き残っていくためには、強い独自商品を持ち、地域に密着して、お客様とつながっていくことが大切です。

 

牛乳宅配好調の裏にも、市販の人気ブランド商品の成分を強化した独自商品を武器に、地域に密着してお客様とのつながりを築いていったことが見て取れます。

 

あなたのお店や会社でも、どうすればもっとお客様に近づき、つながりを築ていけるのかを真剣に考えていきましょう。