体験消費時代のマーケティングヒント

みなさんこんにちは。和田康彦です。
前回は、ニューノーマル時代になぜD2Cビジネスモデルが注目されているのかについてお話しさせていただきました。http://womanmarketing.net/info/3652998
今回は、今アメリカで急成長中のD2Cブランド、「パブリック・グッズ(PUBRIC GOODS)の特徴についてご紹介させていただきます。
同社は、2016年、モーガン・ハーシュ(Morgan Hirsch)とマイク・ファーチャック(Michael Ferchak)が共同で創業。良質でエコ、ミニマルな商品を中間マージンを省いたD2C(Direst to Consumer)で販売するビジネスモデルを強みとしています。当初は、ハウスホールド(家庭用品)とパーソナルケア(個人のグルーミング用品)からスタートしましたが、2017年には、クラウドファンディングで約7000万円を調達。その後2019年にも、クラウドファンディングで約4300万円調達し業容を拡大。現在は、食品カテゴリーを追加し品揃えを充実させています。
◆パブリック・グッズ(PUBRIC GOODS)6つの特徴
① 会員制のサブスクリプションモデル
年会費59ドル(約6100円)を支払った会員だけが商品を購入できるサブスクリプション(定額制)メンバーシップサービスを採用。
② リーズナブルな価格でサスティナブル商品を販売
安定的な利益を見込めるサブスクスタイルにすることで、エコ商品は高いというイメージに反し、リーズナブルな価格でサスティナブルな生活用品を販売。
③ Z世代が支持
サスティナブルで、ノントキシック(毒性のない)、オーガニックな商品を好むZ世代(1996年から2010年までに生まれた世代)が支持。
④ コロナ禍のもとで成長
ニューヨーカーは、物を大量に消費するより、SDGs(国連サミットで採択された持続可能な開発目標)に沿ったサスティナブルな暮らしにシフト。20年2月以降、会員数は2倍に、売り上げは5倍に急増。
⑤ 250種類の豊富な品揃えとリーズナブルな価格
パラベンや硫酸塩などの有害な化学物質を含まないヘア&ボディー用品をはじめ、詰め替え用のレフィルも豊富に用意。また、再生紙やバンブーを使用したツリーフリー(木から採取されるのではない)紙でできたトイレットペーパーやキッチンペーパー、生理用ナプキン。食品はオーガニック&フェアトレードが基本です。
⑥ インテリアの邪魔にならないミニマルなデザイン
写真のようなシンプルなボトル類のデザイン。素材には、環境への悪影響を低減するため、プラスチックの使用は可能な限り避け、サトウキビベースのバイオプラスチックに頼っているものもある。
サステイナブルな商品をリーズナブルな価格で提供する同社の公式サイトでは、「地球を守るためにスーパーヒーローになる必要はない。私たちの小さな選択が大きなインパクトをもたらす」「私たちが直面している問題は、使うことを選んだ商品による結果だ」などのメッセージを発信。「サスティナブル」「健康」「美しい」の3つをブランドプロミスとして掲げています。
今年からは、全米に展開する大手ドラッグストチェーン「CVS」と提携し、一部店舗でテスト販売も開始。更なる成長を目指しています。
地球環境問題に消費者の関心が高まる中、サスティナブルなライフスタイルを提供する「パブリック・グッズ(PUBRIC GOODS)」からは、社会的意義に配慮したこれからのブランドのあり方が学べます。