体験消費時代のマーケティングヒント

2020-12-08 11:12:00
顧客ファーストを実現するために。アマゾンの「リーダーシップ14か条」

 

 みなさんこんにちは。和田康彦です。

前回は、アマゾンの驚異的な強さの源泉は、愚直なまでの生活者視点の追求にあるというお話しをさせていただきました。http://womanmarketing.net/info/3649421

 

では、どのように、徹底した生活者視点の追求を実現しているのでしょうか。

その鍵を説くのが、アマゾン流の「リーダーとして行動するための14カ条」にあります。

 

アマゾンでは、社員1人ひとりがリーダーとみなされており、共通点は顧客中心主義、つまり顧客にフォーカスしていることです。アマゾンにおけるリーダーとは何か、それがこれからご紹介する『リーダーシップ14カ条』に定義されています。

◆アマゾン流「リーダーとして行動するための14カ条」

英語でOUR LEADERSHIP PRINCIPLESと表記されているリーダーシップに関する定義は、創業期から存在していました。そして常に見直されていて現在では14カ条になっています。

以下にその全項目をご紹介しますが、まず最初の項目が、「Customer Obsession」であり、「リーダーはカスタマーを起点に考えて行動します。カスタマーから信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合に注意を払いますが、何よりもカスタマーを中心に考えることにこだわります。」

と、顧客基点で考えて行動することが謳われている点は、さすがアマゾンですね。

Our Leadership Principles

リーダーとして行動するための14カ条

Customer Obsession

リーダーはカスタマーを起点に考えて行動します。カスタマーから信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合に注意を払いますが、何よりもカスタマーを中心に考えることにこだわります。

Ownership

リーダーにはオーナーシップが必要です。リーダーは長期的な視野で考え、短期的な結果のために、長期的な価値を犠牲にしません。リーダーは自分のチームだけでなく、会社全体のために行動します。リーダーは「それは私の仕事ではありません」とは決して口にしません。

Invent and Simplify

リーダーはチームにイノベーション(革新)とインベンション(創造)を求め、常にシンプルな方法を模索します。リーダーは状況の変化に注意を払い、あらゆるところから新しいアイデアを探し出します。それは、自分たちが生み出したものだけには限りません。私たちは新しいアイデアを実行する上で、長期間にわたり外部に誤解されうることも受け入れます。

Are Right, A Lot

リーダーは多くの場合正しい判断を行います。強い判断力を持ち、経験に裏打ちされた直感を備えています。リーダーは多様な考え方を追求し、自らの考えを反証することもいといません。

Learn and Be Curious

リーダーは常に学び、自分自身を向上させ続けます。新たな可能性に好奇心を持ち実際に追求します。

Hire and Develop The Best

リーダーはすべての採用や昇進において、パフォーマンスの基準を引き上げます。優れた才能を持つ人材を見極め、組織全体のために進んで人材を活用します。リーダーはリーダーを育成し、コーチングに真剣に取り組みます。私たちはすべてのメンバーのために新しい成長のメカニズム(例:Career Choice)を創り出します。

Insist on the Highest Standards

リーダーは常に高い水準を追求します。この水準は高すぎると感じられるかもしれません。リーダーは継続的に求める水準を引き上げていき、チームがより品質の高い商品やサービス、プロセスを実現できるように推進します。リーダーは不良を下流に流さず、問題を確実に解決し、再び同じ問題が起きないように改善策を講じます。

Think Big

狭い視野で考えてしまうと、大きな結果を得ることはできません。リーダーは大胆な方針と方向性をつくり、示すことによって成果を導きます。リーダーはお客様に貢献するために従来と異なる新たな視点をもち、あらゆる可能性を模索します。

Bias for Action

ビジネスではスピードが重要です。多くの意思決定や行動はやり直すこともできるため、大がかりな分析や検討を必要としません。計算されたリスクをとることも大切です。

Frugality

私たちはより少ないリソースでより多くのことを実現します。倹約の精神は創意工夫、自立心、発明を育む源になります。スタッフの人数、予算、固定費は多ければよいというものではありません。

Earn Trust

リーダーは、注意深く耳を傾け、率直に話し、人に対して敬意をもって接します。たとえ気まずい思いをする事があったとしても間違いは素直に認め、自分やチームの間違いを正しいと言ったりしません。リーダーは常に自分たちを最高水準と比較、評価します。

Dive Deep

リーダーは常に各業務に気を配り詳細も認識します。頻繁に現状を確認し、メトリクスと個別の事例が合致していない時には疑問を呈します。リーダーが関わるに値しない業務はありません。

Have Backbone; Disagree and Commit

リーダーは、賛成できない場合には、敬意をもって異議を唱えなければなりません。たとえそうすることが面倒で労力を要することであっても例外ではありません。リーダーは、信念をもち、容易にあきらめません。安易に妥協して馴れ合うことはしません。しかし、いざ決定がなされたら、全面的にコミットして取り組みます。

Deliver Results

リーダーは、ビジネス上の重要なインプットにフォーカスし、適正な品質で迅速にそれを実行します。たとえ困難なことがあっても、立ち向かい、決して妥協しません。

あなたの会社でも、この14か条を参考に、リーダーシップのとれる人材を育てていきましょう。人財こそ、貴重な経営資源になります。