体験消費時代のマーケティングヒント

2020-08-30 13:35:00
D2C(ダイレクト トゥ コンシューマー)ビジネスの特徴とは?

みなさんこんにちは。和田康彦です。

前回は、「ニューノーマルの時代は、個人が主役のD2C(ダイレクト トゥ コンシューマー)が拡大する。というテーマでお届けしました。 http://womanmarketing.net/info/3474624

 

そもそも、D2Cというキーワードが出てきたのはここ数年の話。主にファッション商品から広がってきましたが、その意味するところを正確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。そこで今回は、D2Cビジネスの概念や特徴について解説しておきたいと思います。

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D2Cとは、基本的には店舗を持たず、EC専売でダイレクトに顧客に販売をする業態をいいます。

 

原価率を比較的高く設定し、セールや中間マージン、店舗費用などを省くために販売価格はかなりお手頃になります。

 

本来ファッション商品の場合、セレクトショップなどに卸すと集客をしてくれるわけですが、自分で販売まで行うD2Cの場合は、拡散力やファンをつけるだけの他にはないブランドストーリーが欠かせません。

 

つまり、ファンとの距離感がこれまでとは異なるわけですね。例えば、音楽業界ではこれまではライブハウスが集客を担っていましたが、今はアーティストにファンがつく時代です。これと同じように、ファッション業界でもお店やブランドにファンがつくのではなく、これからはデザイナーやクリエイター、プロデューサーといった個人にファンがつく時代に変わりつつあるのです。

 

もう一つの特徴は気軽にトライアルができることです。例えば、D2Cの場合は、SKUあたりの生産数は50着ほどでスタートすることが可能です。これは大量消費の時代には考えられないロット数ですが、いろいろな商品をテスト的に販売し、顧客の反応を見ながらロット数を増やしたり、商品を改良することで、少しずつ利益を上げていく仕組みがつくれます。

 

その結果、工場とブランド、顧客そして社会がハッピーになれる関係を構築することが可能になります。直接販売によりコストを削減しながらも、売れ行きなどのデータをもとに商品ラインアップを効率化していくことこそが、D2Cモデルの醍醐味といえます。