体験消費時代のマーケティングヒント

みなさんこんにちは、和田康彦です。
人口減少時代に入り市場が成熟する中でも、私たちは売上を伸ばして、企業を成長させていかなければいけません。
ただ成熟時代とはいえ、売上を伸ばしていくために変わらない真実は、売上=顧客数×顧客単価×購入頻度という昔から変わらない方程式です。
では、どうやって市場が成熟し低成長の時代に、顧客を増やし、顧客の購入単価を上げ、購買頻度を高めていけばよいのでしょうか。
そのためには、顧客がお金を払いたくなる「顧客便益」に徹底的にこだわることが必要になります。
▪商品が提供できる顧客便益を絶えず進化させる
ファミリーマートが、コンビニコーヒー「ファミマカフェ」を発売したのが2013年。この10年の間に累計34億杯を売り上げてきました。
店頭で、本格コーヒーを手軽な価格でテイクアウトできるサービスは、当時の消費者にとって驚きであり、美味しいコーヒーを手軽に飲みたいという潜在ニーズを満たしてコンビニエンスストアの看板商品に成長してきました。
成長の背景を見ていくと、そこにはファミリーマートが商品を絶えず進化させてきたことがわかります。
2019年10月には、高級ラインとして「モカブレンド」を発売。もっと美味しいコーヒーを手軽に飲みたいという顧客ニーズを満たすことで、購入単価のアップにも成功しています。
そして、翌年2020年2月には、世界一美味しいコーヒーをつくるために、世界№1バリスタの粕谷哲氏との共同開発に取り組み、2022年11月には、「モカブレンド」を刷新しています。
▪商品の独自性とほんもの力に磨きをかけて、顧客数を増やし顧客単価をアップさせる
2023年6月27日、世界№1バリスタの粕谷哲氏との共同開発によるスペシャルティーコーヒー「アイスモカブレンド」(税込160円)を沖縄を除く全国のファミリーマート1万6200店舗で販売を始めました。
アイスモカブレンドは、エチオピア産の最高級豆を使用。豆の持つ香りを最大限に引き出す香る焙煎技術を採用するなど、豆選定、焙煎、抽出などすべてにこだわって開発。
ファミリーマートでしか味わえない独自の美味しさと、これまでになかった素晴らしい「うまい」を提供することで、愛用者=顧客数を増やし、同時に顧客単価のアップも狙った戦略といえます。
客単価をアップさせる取り組みとしては、6月27日から7月10日の期間限定で、焼き菓子や和菓子を購入すると、アイスモカブレンドSと モカブレンドMが次回30円引きで購入できるレシートクーポンの配布にも取り組んでいます。
▪購入頻度を高めるためには、顧客とつながる仕組みが重要
さらに、購入頻度を高めるために、ニュースアプリ「スマートニュース」との共同企画にもチャレンジしています。
コーヒーは比較的嗜好性が高い商品であり、生活習慣の中で、出勤前に購入する比率が高い商品です。
そこで、スマートニュースの新規ダウンロードとクーポン機能「ディスカバリークーポン」の利用で、「アイスモカブレンド」が最大5杯まで無料になるキャンペーンを展開。新規顧客の習慣化=リピート購入を促進します。
ディスカバリークーポンは、ユーザーの行動やエリア、時間、天候などのシグナルに基づいて最適なクーポン配信を行うことができるサービス。今後はエリアに応じた配信も可能になるため、ユーザーのエンゲージメントを高める仕組みとして注目しておきたいと思います。
▪顧客数×顧客単価×購入頻度を高めて会社を成長させよう。
さまざまなマーケティング論が展開されていますが、売上を創造する方程式は「売上=顧客数×顧客単価×購入頻度」です。
私は、この真実の方程式をどんな時も忘れず、顧客数を増やすこと、顧客単価や購入頻度を高めることに従業員が一丸となって取り組むことできっと未来は拓けていくと確信しています。
とはいえ、顧客数を増やしていくためには、顧客からみて唯一独自の存在になり、顧客から選ばれなくてはいけません。
また、顧客単価を上げてこうと思えば、品質に磨きをかけ、絶えずほんもの商品に進化させていくことが重要です。
さらに、購入頻度を高めていくためには、顧客とのつながりを醸成していく仕組みづくりが大切になってきます。
いずれも、推進していくのは従業員であり、取引先の協力なくしては実現することができません。
そのためには、企業の一体化を目指すことが最重要課題になります。
強い企業は、トップを中心に一体化されています。一体化とは、トップの指示や想いが中間で霧散霧消することなく、現場で確実に実行されている状態です。
ファミリーマートエグゼクティブ・ディレクターの足立光CMO兼マーケティング本部長は、ファミリーマートから世界一美味しいコーヒーを提供したい、という熱い想いから、今回のアイスモカブレンドの発売を実現させました。
顧客数を増やし、顧客単価や購入頻度を高めて売上を成長させていくためには、まずはトップの熱い思いと大きな目標が重要になってきます。
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