体験消費時代のマーケティングヒント

みなさんこんにちは、和田康彦です。
このところ、小売の現場や商品で男女の垣根を低くする取り組みが始まっています。
2022年7月29日に改装オープンしたトイザらス伊丹店では、これまで男女別だった売り場を融合。同社初の試みとなる売場「ヒーロー&キャラクター」では、戦隊ものやお姫様の人形が同じ棚で隣同士に並ぶ取り組みを始めました。
同社では、2021年前半から「ボーイズ」「ガールズ」と性別で分けた売場の見直しをスタート。児童が性別に関係なく興味のあるおもちゃを自由に選べる売場づくりを研究してきました。
学生服メーカーのトンボ(岡山市)では、ジェンダーレス制服の販売を2015年から開始。生徒が自由に選べるスカート、スラックス、ジャケット、ネクタイ、スカーフなどを開発。2021年には、1000校を超える学校が採用しています。
ファッション業界でもジェンダーフリーに向けた取り組みが広がっています。
丸井グループは、性別を問わず男性の体型に合わせたオーダースーツの採寸ができる店舗「FABRIC TOKYO」の運営を始めました。
また、ジュエリーのヨンドシーホールディングスでは男性も女性も楽しめる宝飾品「4℃ HOMME+ (ヨンドシー オムプラス)を販売。女性だけでなく男性も一緒に指輪やネックレスを買う20代のカップルが増えているといいます。
女性向け下着メーカーのワコールでは、従来女性向けとされてきたレースを男性下着に採用することで話題を呼んでいます。
「レースボクサー」とネーミングされた商品は、女性下着を主力とするワコールの男性向けブランド「ワコールメン」が2021年末に発売。販売すればすぐに完売してしまう人気商品です。
レースと言えば女性のイメージでしたが、ワコールではフロント部を除く全面に花柄のレースをあしらった男性向け下着を開発。開発段階から商品部の4人の男性が試し履きして、男性でも快適なレースを使った下着づくりに取り組んできました。
発売すると「セクシーだ!」とまとめ買いする人が続出、再販売してもすぐに完売してしまう話題の商品です。
価格は3960円(税込)、色は赤、黒、青、茶、水色の5色から選べます。今秋には増産分の入荷が始まり完売状態が解消される見込みだそうです。
Z世代を中心に、ナチュラルに自分らしく、性別の垣根を越えた自己表現が広がってきています。これまでの常識を覆すジェンダーフリーな動きは今後もますます広まっていきそうです。あなたの会社の商品や売場でも、ジェンダーフリーな取り組みにチャレンジできないかを考えてみましょう。