体験消費時代のマーケティングヒント

2022-01-21 11:33:00

みなさんこんにちは、和田康彦です。

 

長引くコロナ禍のもと、在宅ワークや外出自粛など人々のライフスタイルは大きく変化し、食生活にも影響を及ぼしています。

 

外出自粛により、外食で味わっていたものを自宅で再現したり、レジャーが楽しめない分を食事でちょっと贅沢したり。新型コロナウィルスの蔓延は、人々に「非日常性を再現したい」という気持ちや「プチ贅沢を楽しみたい」という欲求を生み出すきっかけになりました。

 

ホットペッパーグルメ総研が202111月に全国の2030代の男女2000人を対象に実施した調査結果をみても、1日の平均運動量が減った」が約半数、「13食を毎食しっかり食べることは食べ過ぎだと感じる」が約4割、「1日のうち1食は『おやつ以上食事未満の軽食』(17割程度の分量)に変えたい」が約半数を占める結果となりました。

 

同研究所では、このような傾向を新たな食生活のトレンドと捉え、1回あたりの食事量を少し控えた、1食7割程度の分量の間食・軽食を「0.7食」と名付けています。

 

2021年に流行ったと思うグルメ」TOP10をみると、「マリトッツォ」や「フルーツ大福」が上位にランクインしており、「0.7食」を象徴するトレンドとみることができます。

 

また、「コロナで食生活の意識が変わったこと」の項目では約34%の人が「健康に気を遣うようになった」と回答しており、元々あった健康志向がコロナ禍によってより加速していることが推測できます。

 

■コロナ禍で生活が変化したことによって、食べ物や食生活の意識で変わったことはありますか?

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「オートミール」や「低アルコール飲料」「糖質ゼロビール」「発酵食品」などが、2021年に流行ったと思うグルメ」TOP10にランクインされており、健康志向がますます高まっていることが読み取れます。

 

ただ、ランキングで「0.7食」に該当するものは比較的カロリーが高めのスイーツが多く、「健康」と相反する内容がランクインしているのも人間心理を反映した面白い傾向といえます。

 

■「2021年に流行ったと思うグルメ」TOP10

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コロナ禍のもと、内食、中食、外食のボーダーレス化が加速しています。利便性や健康を求めるお客様、非日常感を求めるお客様、プチ贅沢を求めるお客様等、生活者の気持ちに寄り添ったメニュー開発やサービスの提供、店づくりでコロナ禍を乗り切っていきましょう。