体験消費時代のマーケティングヒント

2021-06-10 12:05:00
消費者はモノではなく「価値・ベネフィット」を買っている。

 

みなさまこんにちは。和田康彦です。

 

前回は、マーケティングとは、「顧客を創造し、維持するための活動」であることをお話ししました。

マーケティングとは、「顧客を創造し、維持するための活動」 - 女性を笑顔にするマーケティング研究会 (womanmarketing.net)

 

今回は、顧客を創造し、維持するために重要なキーワードをお話ししたいと思います。

 

そのキーワードとは、ずばり「価値」です。あなたもふだん何気なく「価値」ということばを使うことがあると思いますが、「価値」についてきちんと把握しているでしょうか。

 

たとえば、化粧品を買う女性をイメージしてみましょう。化粧品原料の主なものは油脂・ロウ類をはじめとする油性原料、界面活性剤、保湿剤、防腐剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、色材類、香料などです。

 

また、ビタミン、アミノ酸、ホルモン、天然抽出物などの特殊添加成分もあります。それらが、お肌をうるおす、使い心地や機能性を上げる、品質を安定させる、メイクアイテムの色数を増やす...など、さまざまなはたらきをしてくれています。

 

つまり化粧品は、いろいろな原料を組み合わせて製造した「物質(モノ)」なのですが、それを購入する女性は、果たして化粧品という「物質(モノ)」を買っているのでしょうか。イメージできなければ、奥さんや娘さん、周りの女性に聞いてみてください。

 

答えはきっとこのように返ってくると思います。「きれいになるためよ。・・・・」

 

そうなんです。女性は化粧品がもたらしてくれる「美しくなるという価値」を買っているのですね。

 

つまり女性は、化粧品という商品、モノを買っているのではなく、きれいになることにお金を払っているわけです。

 

この「きれいになる」ということがまさしく女性にとっての「価値」になります。

 

つまり、私たち企業が提供する製品・サービスは、顧客が抱えている「問題」を解決するための手段ともいえるわけです。

 

「価値」はどちらかというと企業視点の言葉ですが、顧客視点でみたときは「ベネフィット(便益)」と置き換えるとわかりやすいと思います。

 

マーケティング界の巨匠、セオドア・レビットは「顧客はドリルが欲しいのではなく、穴が欲しいのだ」とベネフィットの重要性を指摘しました。

 

ドリルが商品・製品で、ドリルによって空けられる「穴」がベネフィット(価値)です。企業が消費者に提案すべきはベネフィット(価値)であり、顧客が得られるベネフィット(価値)が分からずに製品・サービスを販売することはできません。

 

また、ベネフィット(価値)は一つの製品につき、一つのベネフィットというわけではありません。

 

ビールであれば、「のどを潤す」というベネフィットに加え「爽快感を得る」「ストレスを解消する」「美味しく食事をする」というベネフィットも得られますね。

 

つまり、顧客が享受するベネフィットが大きく、そのベネフィットに対して顧客が支払うコストがリーズナブルであると顧客が感じた時に初めて財布の紐を緩めるわけです。

 

このように、顧客を創造し、維持していくためには、顧客の期待を超えるベネフィット(価値)を提供し続けていくことが重要になります。

 

次回は、「価値・ベネフィット」について、もう少し詳しく学んでいきましょう。

 

女性を笑顔にするマーケティング研究会では、新しい女性客を創造し、維持するための活動をサポートしています。お気軽にお問い合わせください。

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