体験消費時代のマーケティングヒント

2021-04-26 17:15:00
ファンづくりのマーケティング「お客様に思い出してもらう!」

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

一度来てくれたお客様がその後一度も来てくれない。

何回かリピートして来てくれていたお客様がその後ピタッと来てくれなくなった。

 

あなたのお店でも、思い当たることが多いのではないでしょうか。

 

せっかく一度利用してくれたお客様がその後利用してくれなくなることを「顧客が流出する」、といいますが、顧客の流出は経営にとっての一大事です。

 

お客様はあなたのお店や会社にとって大切な資産であることは、いつも言っていることですが、顧客が流出するとは、まさにこの大切な資産を水に流しているようなものです。

 

とはいえ、お客様をつなぎ留めておくことも至難のわざです。なぜなら、お客様、つまり人間ってすぐに忘れてしまうからです。

 

一度食べに行ったラーメン屋さんも、2.3日するともう忘れている。あなたにも経験があると思います。

 

私も先日、車で走っていると、以前良く利用していたレストランを目したのですが、そのレストランのことをすっかり忘れてしまっていることに気づきました。

 

それがきっかけでもう一度行ってみよう、という気になったんですが、人間なんて所詮、忘れやすい動物なんです。

 

つまり、お客様をあなたのお店のファンにしていくためには、まず忘れさせない、つまり思い出してもらうための努力が大切になってきます。

 

来店してもらったら3日以内にはサンキューレターを出す。誕生日や記念日にはお祝いのDMやメールを送付する。どんなことでもよいので、忘れているお客様に思いだしてもらうアプローチが必要なんです。

 

そのためにも、以前にもお話した「顧客リスト」の収集は必須になります。氏名や住所、電話番号はもちろん、メールアドレスやLINEアカウントを教えてもらうことも有効です。また、誕生日や結婚記念日などの情報も教えてもらえるとお客様が喜ぶいろいろなアプローチが可能になります。

 

山田養蜂場の「思い出してね」作戦

 

私が以前利用していた山田養蜂場からは、毎年誕生日前に、心がこもったダイレクトメールが送られてきます。

 

私は、山田養蜂場さんから見れば休眠会員。また復活してほしいという願いが込められているんですね。

 

花のブーケをデザインした封筒には、「おめでとうございます。」とメッセージが書かれ、中を開けると、従業員が「お誕生日おめでとうございます。」というパネルをもった表紙の二つ折りリーフレットが入っていて、中面には私と同じ月に生まれた従業員の顔写真とともに手書きメッセージが書き綴られています。

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例えば、コミュニケーターの藤田美恵子さんは「三人きょうだいの末っ子でよく晴れた心地よい日に生まれました。健やかで笑顔いっぱいの一年になりますようお祈りいたします。」と素敵なメッセージを書いてくれています。

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おひとりおひとりからいただいたメッセージを読んでいると、なんか気持ちがほっこり。山田養蜂場さんの温かな企業風土に触れることができた思いです。

 

そして、もう一枚のリーフレットには「お誕生日記念 20%割引券」が印刷されていて、お誕生日専用注文ハガキと一緒に同封されています。このDMをきっかけに私たち(山田養蜂場)のことを思い出してもらい、もう一度お付き合いしていきたいという気持ちの表れですね。

 

もちろん商品パンフレットも同封されていて、休眠復活作戦へのストーリーは万全です。

 

そして、実はもう一つ同封されているものがあって、それは「花の種」なんです。今年は「キキョウ」の種でした。私には、これまでにも送っていただいた花の種をまいて、きれいな花を咲かせてきた思い出があります。。

 

ですから、私にとっては「花の種=山田養蜂場」というポジティブなイメージが出来上がっているわけです。

 

現時点では、妻がパンフレットを見て、あれこれ検討しているようですが、山田養蜂場さんの「思い出してね」作戦は、本当にあっぱれです。

 

花の種というささやかなプレゼントでも、お客様と一緒に素敵な思い出をつくることができます。

すぐに忘れてしまうお客様に「思い出してもらう」作戦は、ファンになってもらうためにとても重要なアプローチです。

 

あなたの会社でもできることから実践していきましょう。