体験消費時代のマーケティングヒント

2021-04-15 15:48:00
ファンづくりのマーケティング「サブスク化でお客様と継続的にお付き合いしよう」

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

近年、成長している市場が、サブスクリプション、略して〝サブスク〟です。

 

サブスクリプションとは、「料金を支払うことで、製品やサービスを一定期間利用することができる」形式のビジネスモデルのこと。もともとは予約購読や定期購読を指し、日本でも新聞や定期購読の雑誌などが主たる例として知られていました。

 

そこまで馴染み深い言葉ではなかったものの、近年はおもに動画配信サービスや音楽配信サービスで知られ始めました。特に、「Apple Music」や「Spotify」、「Amazonプライム」、「Netflix」などが有名です。

 

このように、サブスクリプションモデルはデータやソフトウェアを利用するといったデジタル領域で広まりましたが、最近は洋服や家具、車、サプリメントや食品など、非デジタル業界の製品にもサービスが増えてきました。

 

現在の市場規模は、約1.2兆円と言われています。ここ数年間は、毎年、約1000億円ずつ伸びていると言われています。最近、特に伸びているのが、サービス業のサブスク化です。それにより、従来のサービスを受けて、対価でサービス利用料を支払うビジネスモデルより、持続的成長が出来て、高い収益性の実現をしています。

 

ところで、サブスクの企業・事業者のメリットとしては、①継続的な収益を上げられる ②顧客の利用状況や細かなデータが把握できる ③新規獲得のハードルが低く、利用者数を増やしやすい ④アイデア次第でいろいろな商材に導入できるということが挙げられます。

 

また利用者・ユーザーは、①安価なものが多いため、利用開始のハードルが低くコストパフォーマンスがよい ②購入・所有する必要がなく、管理が不要 ③定額制なので、サービスを利用するたびに料金を支払う必要がない ④トライアル・お試し期間があるサービスが多く試しやすい ⑤いつでも解約ができるというメリットがあります。

 

最近では、ホテルニューオータニ(東京)が1日あたり12時間の日中利用が、30日間であれば何度でもできるというテレワーク用のサブスクリプション(定額)プラン(30万円~)を販売。

 

また、そごう広島店(広島市)は「デパ地下」でパンやおにぎり、焼き菓子などを月額のサブスクリプション(定額課金)で毎日受け取れるサービスを始めています。

 

自動車の表面を美しく保つカーコーティングを手掛けるアペックス(宇都宮市)は毎月、一定額を支払い、定期的にコーティングや洗車などのサービスを受けられるサブスクリプション(定額課金)サービスをスタート。車の美しさにこだわる消費者のニーズを取り込みます。

 

さらに、スマホアプリで登録すれば、月額2700円で自販機から飲料を毎日1本選んで受け取れる日本コカ・コーラの自動販売機を使った飲料のサブスクリプション(定額課金)サービスや乳幼児用おむつのサブスクリプション(定額課金)サービス、冷凍した魚を月2回届ける「おさかなサブスク」など、次々にサービスが生まれています。

 

サブスクモデルは、サービスの継続利用を上げて、安定的に新規を増やしやすいことから、高収益なビジネスモデルを実現できる可能性が高いことが特徴です。それには、単品利用、単品購買から、定額の継続利用のサービス転換することがポイントとなっています。

 

今後、これらのようなサブスクモデルの流れが、サービス業だけではなく、小売業、飲食業、不動産業でも、起こっていきます。そして、そのビジネスモデルが、従来のビジネスモデルより、高い成長と、高い収益性を実現してきています。次の成長のため、自社の商品・サービスを利用して、サブスクモデルを検討してみてはいかがでしょうか。

 

サブスクリプションモデルでお客様と長く深くおつきあいしていく仕組みづくりこそ、これからの時代のファンづくりの主流になります。