体験消費時代のマーケティングヒント

花王は、「楽天市場」に新設された「新商品コレクション」を通じ、お客さまと一緒に商品を創っていく「クリエイターズ商品」として、へそごま除去パック『SPOT JELLY(スポットジェリー) へそごまパック』、足用石けん『ARGINISTA(アルギニスタ) 足ラボ石けん』を数量限定で発売した。
これらの商品は、花王発のオープンイノベーション・プラットフォーム組織「ファンテック Lab&Biz(ラボ&ビズ)」が企画・開発したもので、楽天市場のレビュー機能などを活用し、お客さまのリアルな声を収集。“へその汚れ”と“足のニオイ汚れ”という悩みの解決に向けて、さらに検討を重ねながら本発売をめざしていく。
「ファンテック Lab&Biz(ラボ&ビズ)」は、従来の枠にとらわれずにアイデアや技術を公募し、それらを結び付けるハブとなり新しいワクワクを提案することをめざしている。
今回は、これまであまり目が向けられてこなかった、個の深い悩みに焦点をあてて満足度を高める「N=1(エヌワン)起点のサービス開発」をスタート。
アイデアや技術を社内の研究所から公募し、第一弾として、一人ひとり異なるへその形状に対応して汚れを除去するへそごま除去パックと、足のニオイ汚れに悩む方に向けた足用石けんを商品化した。
これまでの商品開発では、悩みの幅に個人差もあるため、一般的には少数派の悩みには目が向けられにくいとされていた。
今回の取り組みではネットでの限定販売を通して寄せられた顧客の声を今後の商品づくりに反映させ、さらなる満足度の向上を図り、本発売をめざすというものだ。
また、オフラインの接点として、4月12日~5月9日まで「b8ta Tokyo – Yurakucho」 に2商品を出品。同店での顧客の反応なども、本発売のための貴重な情報として活用していく。
大手メーカーのこれまでの商品開発は、多くの人に共通する悩みを解決するマス市場に向けた商品が主流だった。今回の花王の取り組みは、新たなインサイトをもとに開発した商品を顧客にダイレクトに届け、顧客の声を聞きながら進化させていく、D2C(ダイレクト トゥ コンシューマー)の手法を取り入れたものだ。
顧客の声を聞き、顧客を巻き込みながら商品を共創してくD2Cの手法は、中小企業こそ取り入れたいこれからのマーケティング手法だ。