体験消費時代のマーケティングヒント

みなさんこんにちは。和田康彦です。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、生活者の意識や価値観は大きく変わり、それに伴って、人々のライフスタイルも大きく変化しています。
レジャーもその一つです。海外旅行などに依然制約がある中、キャンプや登山などのアウトドアレジャーが注目されています。
人気の背景には、感染リスクが低い近場の屋外で手軽に非日常が楽しめることがあります。
◆アウトドア市場は、3年で27%拡大
矢野経済研究所の調べによると、2019年度の国内のアウトドア市場規模は5169億円で、2016年と比較して27%増加しています。2020年度は19年比5.3%減と予測していますが、他のレジャーに比べるとコロナ禍の影響は少ないといえます。
アウトドアメーカー大手スノーピークの2020年7~9月のアウトドア関連商材の国内売上高は前年比37%増と、コロナ禍の中でも大きく伸ばしています。
◆アウトドア市場の中で存在感を高める「ガレージブランド」
ところで、このように成長を続けるアウトドア市場の中で、「ガレージブランド」と呼ばれる小規模メーカーの存在感が年々高まってきています。
「ガレージブランド」とは、その名の通り、車庫でつくるような小さなメーカーのこと。創業者の多くは、アウトドア愛好家で、大手にはできない隙間をついた商品開発で消費者の支持を集めています。
例えば、リバーサイド・ランブラー社は、約30グラムと軽くて、短時間で水を沸騰させられる簡易コンロを開発。また、フリーライト社は軽くて撥水効果が持続するテントを開発するなど、ユーザー目線(生活者視点)で機能を磨き上げ、ファンを獲得しています。
両社ともに、販売はネット通販が中心のD2C「Direct to Consumer」ブランドで、このところアメリカや韓国からの問い合わせも増えているといいます。
英ユーロモニターによると、世界のキャンプ場の市場規模は2020年に156億ドル(約1兆6000億円)になると見込まれており、日本だけでなく世界的にも大きな市場が広がりつつあります。
インターネットを通じて世界中がつながる時代。小さな会社でも、ニッチ市場を極めて、世界的企業になれる可能性が身近に迫ってきています。