体験消費時代のマーケティングヒント

みなさんこんにちは。和田康彦です。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、生活者の意識や価値観は大きく変わり、それに伴って、日々の生活スタイルも急激に変化しています。
例えば、キャッシュレス決済の普及もそのひとつです。
日本経済新聞社の調べによると、キャッシュレス決済の利用経験率が、2018年の調査から2年間で20ポイント近く上昇し、6割に達しました。
キャッシュレス決済については「頻繁に利用している」が33%の最多で、「利用したことがある」(26%)と合わせた利用経験率は59%という結果に。
18年調査では40%。19年調査では消費税増税に合わせてキャッシュレス決済の優遇策を導入し50%に高まり、今回はコロナ禍によって利用が一段と拡大しました。
■最多は30代の80%
年代別にみると30代が80%と最も多く、10~20代と40代も7割を超えています。10~20代と30代は「頻繁に利用」が50%に上ります。一方で高齢者は現金を使う傾向が強く、70代は33%、80代以上は15%にとどまります。また、10~20代はキャッシュレス決済に浪費してしまう不安を持ちやすいとの指摘があり、利用経験率が30代よりも低かった要因とみられます。
世界銀行などのデータに基づいて17年に各国の年間支払金額に占めるキャッシュレス比率を調べた調査によると、最も高い韓国は97.7%だった。中国の70.2%や米英仏の40~50%台に比べて日本は21.4%と大幅に下回りますが、今後はさらに普及していくことが予測されます。
キャッシュレス決済には、人との接触が減るためコロナの感染防止に役立つ。小売店のレジなどでは少子高齢化による人手不足を軽減できるなど、生活者にも企業側にも幅広い利点があります。
経済産業省によると訪日外国人の7割はクレジットカードが使える場所が多ければ「もっとお金を使った」と答えており、消費喚起にもつながります。
ポストコロナの成長戦略を考える上で、小さな会社やお店でも、キャッシュレス決済の導入は重要な選択肢の一つになります。