体験消費時代のマーケティングヒント

2020-10-21 11:57:00
世界ブランドランキング2020、優れたブランドになるための3つのテーマとは?

  

みなさんこんにちは。和田康彦です。

前回は、世界ブランドランキング2020の中から、日本のランキング企業の取組みについて見てきました。今回は、インターブランド社が分析する中から見えてきた、優れたブランドに共通する3つのテーマについて見ていきます。

 

インターブランド社は、世界ブランドランキング2020の分析の中で、一つの重要な疑問が浮かびました。どのようにしてブランドは、エコノミックレジリエンス(経済的回復力)を向上させ、個人との信頼関係を築き、人々にとってより良い未来の可能性を高めることができるのかという課題です。同社は今回の分析の中から以下の3つの重要な項目の連鎖が明らかになっていることを明らかにしました。

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Leadership:混乱や混沌の先に、価値のある目的と強力なアンビションを定めることは、ブランドの将来を示す旗印となる。

Teslaが掲げたブランドの将来を示す旗印は、当初から需要と支持を呼び起こし、さらに個人投資家の忠実な支持を集め、保持することにより、莫大な流動性資産を得ることに成功しています。

 

Engagement:優れたブランドは、消費者と対話し相互の関係を形作ることによって、消費者がそのストーリーの一部になりたいと思うようにする。

Salesforceは、コミュニティに耳を傾け、顧客の成果を共有することで爆発的な成長を遂げました。顧客と絶えず会話を交わすことで、顧客とともに「旅」をしているのです。

 

Relevance:優れたブランドは、消費者を無関心から解放し、消費者の選択を意味のあるものにする。

Paypalは、詐欺に関する顧客の懸念を軽減する取り組みを行い、また顧客のお金を安全に保つため、セキュリティ技術に巨額の投資を行うことにより、最も信頼される決済代行ブランドの1つとなりました。不安が高まり、経済の見通しが不確実な時代において、これ以上重要なことはありません。

 

LeadershipEngagementRelevanceは、急速に変化するビジネス環境の中でブランドが前進していく際に一貫して見られる3つのテーマです」とインターブランド グローバルCEOのチャールズ・トリヴェイルは述べています。

 

「これらは、現在の危機的状態から解き放ち、顧客の信頼とビジネスのレジリエンスを構築するための鍵となります。強力なアンビションを掲げ、勇気と誠実さをもってそれらを追求することにより、ブランドは、私たちが前を向き混乱を理解し、将来を望むことができる、新しい可能性に満ちた10年をもたらします。」