体験消費時代のマーケティングヒント

2020-10-21 11:44:00
世界ブランドランキング2020、日本の高成長率企業は「Nintendo」と「Sony」

 

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

前回は、世界ブランドランキング2020のランキングから、世界で成長率の高い企業の取組みについて見てきました。今回は日本のランキング入り企業の取組みについて見ていきます。

 

Toyota】:7位、516億ドル(前年比-8%

Toyota CASE の時代に合わせたビジネスモデルの転換を図り、「モビリティカンパニー」へのフルモデルチェンジを宣言CES2020 では「コネクティッド・シティ」プロジェクトを発表しています。業界を超えたアライアンスにより、「人」が中心となる未来の実現に向けた活動を着実に進めています。2020 年、愛車サブスクリプション「KINTO」の本格的開発支援の一つとして、ヨーロッパにも展開することを発表、また RAV4 は、トヨタ車としては9年ぶりに CAR OF THE YEAR JAPAN 2019-2020 を受賞するなど、2019 年の第 3 四半期で売上は前年度を上回り、Toyota は日本の企業として初めて 30 兆円企業となっています。

 

Honda】:20 位、217 億ドル(-11%

Honda は、主軸である二輪、四輪事業のビジネスで苦戦する一方で、ラリーや Honda Jet などでは成功を収め、本田技研工業の直下に R&D 部門を移行するなど、事業一体の R&D に注力しています。Honda はまた 2025 年までにヨーロッパで販売されるすべての四輪を電気自動車に置き換えることを宣言しました。「人のココロとつながるクルマ。」がコンセプトの BEV(バッテリー式電気自動車)「Honda e」は、Red Dot Design Awards で、年間の最高賞である Best of the Best 2020 を受賞。日本で展開された企業 TV 広告「Go, VantagePoint.」は、YouTube で視聴回数(1,500 万回)を獲得し、消費者との高いエンゲージメントを築いています。

 

Sony】:51位、120億ドル(+14%

Sonyは、エレクトロニクス企業から創造的なエンターテインメントブランドへのシフトを加速しています。エレクトロニクス事業やゲーム&ネットワークサービス事業に加え、イメージング&センシングソリューション事業が成長をドライブしています。2019年度の見通しは2018年度に及ばないものの、近年の財務業績は安定しており、20201月には、ITバブル期以来となる時価総額1兆円の突破も果たしています。Sonyは、コロナ禍において、最前線の医療に従事する人々、遠隔で学ぶ子供や教師、エンターテインメント業界全体に携わる人々を含む、Covid-19の影響を受けた世界中の人々を支援する1億ドルの救援基金を創設するなど社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

 

Nissan】:59位、106億ドル(-8%

Nissan は、2019 年度通期のグローバル全体需要は、中国市場の減速や、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、第 4 四半期に各市場が低迷したことを受け、前年比 6.9%減の 857 万台となっています。その状況下において、Nissan は、「事業規模の最適化」「選択と集中」の推進による事業基盤改革と市場をリードしてきた電気自動車と運転支援技術などをベースに、新しいモビリティへのチャレンジを続けています。

 

Canon】:71位、81億ドル(-15%

Canonは、エントリーユーザー向けのカメラやレーザープリンターの市場縮小の加速が反映され、景気低迷の影響も受け、売上、純利益ともに大きな影響を受けています。またCovid-19の 影響により、オフィス向け複合機とレーザープリンターやカメラ市場はこれまでの縮小傾向がさらに強まっています。インクジェットプリンターは、一部の新興国では減速が見られる中、先進国と中国では在宅勤務や在宅学習向けに需要が高まりつつあります。医療機器は、Covid-19の影響の長期化による移動制限などにより、販売活動が影響を受ける見通しです。

 

Nintendo】:76位、73億ドル(+31%)

コロナ禍で、自宅で過ごす時間が増え、ゲームサービスへの需要が爆発的に高まりました。ゲームとフィットネスを合わせた、NintendoRing Fit Adventure ゲームは、都市封鎖の間、一時は在庫がなくなり、79.99ドルが250ドルの値がつくほど最も需要が高まったゲームのひとつです。コロナ禍の初期、「あつまれどうぶつの森」は、過酷な状況から逃避できるゲームとして、1,100万人以上がプレイし、世界で一番多く楽しまれたゲームとなりました。

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Panasonic】:85位、58億ドル(-6%

Panasonicの業績はコロナの影響を受け減収・減益となりました。しかしながら、新中期経営計画では、「くらしアップデート」を実現する企業という新たな方向性を打ち出し、「基幹事業」、「再挑戦事業」、「共創事業」を中心とする事業ポートフォリオ改革を行い、売上成長と収益性改善を目指しています。B2C事業では、サウンドシステム、ノイズキャンセリングイヤホン、一眼レフカメラなどインスピレーションあふれる製品を開発し、顧客の新たなニーズに対応しています。一方、B2B事業ではToyotaTeslaとの自動車用電池のコラボレーション、コールドチェーン、プロジェクションマッピング、ファクトリーオートメーションなど社会的に期待される技術を生み出しています。