体験消費時代のマーケティングヒント

2020-10-17 10:45:00
ファーストリテイリング社柳井正氏の今後の展望から、ニューノーマル時代に生き抜くヒントを学ぶ。

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

ファーストリテイリングが1015日に発表した20208月期決算は 売上収益が対前期比12.3%減となる288億円、営業利益同42%減の1493億円の大幅減収減益となりました。

 

新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大で売上に急ブレーキがかかった一方で、第4四半期では回復も見られ、レジリエンス(復元性)の強さをみせています。

 

218月期は、売上収益2兆2000億円(同9.5%増)、事業利益は2650億円(同55.9%増)、営業利益は2,450億円(同64%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,650億円(82.6%増)と、増収大幅な増益を予想しています。

 

以下、決算発表で柳井正代表取締役会長兼社長が語った今後の展望をご紹介したいと思います。

図1ユニクロ.png

  今までの常識は通用しない

世界はいまコロナに端を発する、経済活動の停滞など、これまでの常識が通用しない状態にある。お客が求めるものが変われば、商品も変わり、売場も変わる。この状況に立ち向かうには、私たちが変わらなければといけない。

 

  グローバル化は決して止まらない

グローバル化の流れは何があっても変わらない。世界でスマホの台数は50億台を超え、世界的に11台がスマホを持つのが当たり前の時代となった。世界中の人々がスマホという高性能コンピューターを手に、あらゆる情報を得て、自在に発信できるようになった。だから、グローバル化が進むのは必然であり、どんな大きな力を使っても改めることはできない。

 

  すべてのプロセスを国を超えて一体化する

そのような信念のもと、デジタル、ロボティクス、全自動化という考えをてこに、事業プロセスを大胆に変えていく。

 

ライフウェアは日常生活を豊かにするあらゆる人のためのもの。製造開発、リサイクルまで自社で一貫して行っている。

こうしたことに取り組んでいる企業は私たち以外ない。この領域で社会を支えるインフラになるのが使命であり、存在意義だ。

 

  新たな需要をつくり出す

時代の変化を体現した服を、その売り方で提供するために、首都圏に3つの店舗をオープンし、店舗での販売、接客のやり方を根底から変えていく取り組みを進めている。

 

  危機をチャンスに変え、良い社会を作る

コロナの業績への影響は大きく、世界の経済・社会への影響も深刻で、その出口は見えていない。また、大国の間で政治的対立が激化し、それがビジネスにまで影響を与える危機的状況となっている。この事態に直面し、必要なことは、「危機をチャンスに変えてよりよい社会をつくる前向きな発想と具体的な行動」だ。これを持てるかで未来は変わる。

 

  情報を「智恵」に変える。「智恵がこもった服」をつくる

価値ある情報を一元的に持ち、すべてのプロセスを自社で行っている当社は、ビジネスを通じてより良い社会を作るという理念を明確に貫いている。世界中から優秀なデザイナーやクリエイターが集まり、名だたるグローバル企業と協業ができる。

 

  信じるに足る企業か

消費者は今後、社会に本当に役立つ会社でしか商品を買わなくなる。企業がどこに向かおうとしているのか、お金を払う価値のある会社かどうかを厳しく見ているのだ。

 

  信念に基づいて発言し、行動する

自らの信念に基づいて行動する時代であり、経営者はとくに、正しいと信じることを勇気を持って行動することが求められている。

 

  真にグローバルなプラットフォームつくる

私が描く夢は、優れた個人・企業と連携し、国や民族の垣根を取り去り、国家に変わる真にグローバルなプラットフォームを作ることだ。これは夢(物語)ではない。社会のためになる企業しか生き残ることできない、これこそが現実だからだ。世界中の消費者はこうした企業を応援してくれると確信している。

 

いかがでしたか、今までの常識が通用しないニューノーマル時代、世界の最先端をいくファーストリテイリング社の柳井氏から学べる点は多くあると思います。