体験消費時代のマーケティングヒント

2020-08-25 10:46:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

飲食店向け予約/顧客台帳サービスを手掛ける株式会社トレタの顧客管理サービスを導入する全国1万店のデータによると、来店客の回復は「ランチ」「住宅街立地」「少人数」ほど早かったという記事が、2020825日付日本経済新聞に掲載されていました。

全国1万店のデータを細かく見ていくと、

  消費者が予約の際に指定した来店時刻などから推計すると、81016日は午後911時台の来店客数が前年同期比55%のマイナス。緊急事態宣言が出ていた4月下旬の98%減よりは回復したものの、38%減まで戻したランチ(午前11時~午後2時台)と比べると苦戦ぶりが目立つ。東京都などが8月に入って午後10時以降の営業自粛を要請している影響も大きいが、自粛と関係ない午後58時台も48%減と回復が遅い。消費者が感染防止のため、滞在時間が長くなりがちな夜の外食を避けている状況がうかがえる。

   人口の密集する東京都内で調べると、代表的なオフィス街である千代田区や中央区は81016日の来店客数が前年同期比6割前後のマイナス。両区の飲食店はビジネスパーソンが主要顧客で、コロナ禍で在宅勤務が浸透したことが重荷となっている。対照的なのが住宅の多いエリア。高級住宅街の自由が丘などがある目黒区は25%減で、3月上旬と同水準まで回復。成城や二子玉川といった人気エリアを抱える世田谷区は8%減まで戻り、前年並みが視野に入っている。以前は仕事帰りにオフィスの近くで飲食していた人々が、家族と自宅近くの飲食店を訪れるようになったとみられる。

  感染リスクが高いとされる大人数での宴会も、前年と比べるとほとんど開かれていない。81016日は12人での来店が前年比21%のマイナスまで回復したのに対し、35人のグループは41%減、610人は65%減だった。11人以上の大人数になると82%減という深刻な状況が続く。

このように消費者行動が変化する中、飲食各社は変化に対応する取組みを早めています。

例えば、「塚田農場」を運営するエー・ピーカンパニーは6月、新業態「つかだ食堂」の展開をスタート。特徴は定食やおかずメニューの充実です。居酒屋としての性格が強い塚田農場の一部を、家族連れなどがランチでも訪れやすい店舗へと順次転換していく計画です。

またプロントコーポレーションは7月末、東京・港にワイン居酒屋「ディプンティーナ」の1号店をオープン。仕事帰りの女性が1人で立ち寄れる店、というのがコンセプト。少人数での来店を意識し、大皿ではなく小皿で1人分の量を提供するメニューを充実させています。高めのテーブルで立ち飲みもでき、来店客の滞在時間も30分程度と短いケースが多いようです。

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トレタのデータからは、常連客の大事さも浮かび上がって来ました。81016日の客層を分析すると、その店を訪れるのが3回目以上のリピート客の数は前年同期比18%減にとどまっていたのに対して、初めて訪れるいちげん客は40%となっています。

このデータからも、苦境にあるときこそ、なじみの店を支えたくなるという消費者心理が見えてきます。つまり、今後は広告宣伝を投じて新規顧客を開拓するより、つながりを深めて常連になってもらう努力がますます重要になってくるといえます。

 

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