体験消費時代のマーケティングヒント
みなさんこんにちは。女性を笑顔にするマーケティング研究会の和田康彦です。
女性には、周りを幸せにする笑顔があります。
逆境を楽しむアイデアがあります。
愛するものを守る根っこがあります。
個性を恐れない柔軟さがあります。
自由に羽ばたく翼があります。
生活実感をベースにした女性たちの細やかな気づきや大胆な行動力は、
男性社会にはびこっていたルールや壁を乗り越え、社会にイノベーションをもたらします。
新型コロナウイルス危機は、女性の力なくして乗り越えることは出来ません。
日本を変える5つの女子力 ③はぐくむ力
1986年に施行された男女雇用機会均等法から30年以上。女性の社会進出が進んだとはいえ、今もなお女性管理職の占める割合が少ない日本。昇進や仕事の成功を追い求める、いわゆる「バリキャリ」に比べ、プライベートを優先したいと望む女性が多いのも事実です。
けれど、企業のマネジメント層に女性が増えることは、多様性を受け入れる企業文化をはぐくみ、大きく成長させることにつながります。長時間労働や同質化がつきものだった旧来の男性社会のあり方に風穴をあけ、柔軟な発想で人を活かしてチャンスを与え、励まし、伸ばす。そんな女性リーダーの背中は、私たちの希望です。
女性リーダーが珍しかった時代や分野において、立ちはだかる困難にひるむことなく、先陣切って男性社会に飛び込んで来た女性たち。部下を育て、後に続く女性たちに道を拓いてきた女性も数多くいます。子供を産み、育てるDNAが今日に伝える「はぐくむ」本能、女性にしかない母性や包容力が、人を育て働きやすい職場を生み出します。
●日本の女性管理職比率は16年時点で12.9%。米国の43.8%、フランスの32.9%に遠く及ばない
総務省が2019年6月30日に発表した2019年6月の労働力調査では、女性の就業者数が初めて3000万人を突破したことがわかりました。女性が出産や育児で仕事を辞め、30代を中心に就業率が下がる「M字カーブ」が解消してきたことが主因です。35~39歳女性の労働力率は76.7%となり、過去最高に近い水準に。1999年は30~34歳の労働力率が56.7%、35~39歳は61.5%と、どちらも今より10ポイント以上も低かったものの、現状は30代の労働力率が大きく上昇し、欧州のような台形に近づいています。
総務省労働力調査より
男女合わせた就業者は6747万人となり、前年同月比で60万人も増加。増加分の9割近くが女性。人口減少が進むなかで女性の労働参加は安定した経済成長に欠かせませんが、課題も残ります。
その1つは非正規が多いことです。女性の雇用者のうちパートら非正規労働者が55%を占め、男性の2倍以上になっています。
一方、正社員でも能力のある女性が活躍できる機会をいかに増やしていくかという課題があります。労働政策研究・研修機構によると、及びません。東京商工リサーチの調査(18年)では、上場企業3490社のうち女性役員がいない企業は60%を超えています。
女性が働きやすいように仕事と家庭を両立できる環境をつくり、性別や働き方にかかわらず能力や成果を適切に評価することが現在の日本の課題です。さらに付加価値の高い仕事にシフトし、主要7カ国で長く最下位の労働生産性を高めていくことが息の長い経済成長に必要不可欠な条件といえます。
●ジェンダーギャップ指数は153カ国中で現在121位。
世界経済フォーラムが2019年末に発表した「ジェンダー・ギャップ指数」を見ると、153カ国中で日本は現在121位。18年の110位から順位を落としています。この指数は社会で女性が活躍している度合いを測る尺度の一つ。日本は歴代首相に女性がいないことや、閣僚レベルや企業の経営幹部に女性が少ないことも、低いランキングの一因となっています。