体験消費時代のマーケティングヒント

2018-07-10 14:54:00

みなさんここんにちは。和田康彦です。

 

ネット販売が売上を伸ばす中、ネットとリアルを融合させた次世代小売り事業モデル「ニューリテール」づくりの実験が始まっている。

 

提唱するのは、中国アリババ集団の馬雲会長。同社が運営する通販サイト「天猫(Tモール)」や電子決済アプリで集めたデータと店舗を結び付けて新しい買い物体験を提供する。

 

アパレル大手のストライプインターナショナルは、アリババ集団と連携してこの10月にも中国国内に60㎡のスマートストアを開設する。

 

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同社の主力ブランド「アースミュージック&エコロジー」の新しい店舗では、まず来店者に会員登録してもらいデータベース化する。その上でアリババTモールでの購買履歴データとマッチングさせ一人一人の購買特性を販売に活かしていく。

 

また店内では、来店者が手に取ったことを感知するセンサー付きのスマートハンガーを採用。個別商品に対する興味関心の高さを測定することで品揃えの制度を向上させる。

 

さらに、来店者が手に取った商品の色違いを次々と映し出すスマートミラーを採用することで、顧客の色の好みにも対応していく。

 

店内には客層の年齢・性別等をデータ化する顔認識用のカメラも設置。店舗は顧客一人一人のデータを収集する場所へと変化する。つまりリテール(小売)とテクノロジーを組合せて総論的に売上を上げていく仕組みが「ニューリテール」の目指すところだ。

 

今やオンライン、オフラインを分けて考える時代は終わった。スマートフォンが普及し、「消費の形」が多様化する中、一人の顧客とあらゆる接点で関係性を築き、エンゲージメントを上げていくことが重要になっている。

 

特に少子高齢化、人口減少がトレンドとなる国内では、オンラインとオフラインを融合させて一人の顧客のLTV(ライフタイムバリュー)を上げていくことが生き残りのカギとなる。