体験消費時代のマーケティングヒント
みなさんこんにちは。和田康彦です。
新型コロナウィルスの影響で、消費者のライフスタイルや消費の面で大きな変化が生まれています。3月以降、成長力が鈍化していたドラッグストアやホームセンター、コンビニエンスストアが売上を伸ばす一方で、国内百貨店の売上は軒並み30~40%減少。また、観光地やレジャー施設からは人影が消え、居酒屋やレストランからも消費者の足は遠のいています。いわゆる不要不急の消費は厳しい状態が続いており、消費者も厳戒態勢を余儀なくされていることがわかります。
また、新型コロナウィルスの感染拡大により、大人も子供も家で過ごす日々が続いていて、人びとの生活パターンやライフスタイルが大きく変化しています。それに伴って、家事や育児で外部の人の手を借りる人や新たに便利グッズを買う人など、従来とは異なる消費の波が生まれてきています。例えば、子供の学習用ドリルや運動不足解消のためのトランポリン、料理の作り置きや育児を代行してもらうシッターサービスなどが売上を伸ばしています。
東日本大震災後もそうでしたが、社会の変化やデジタル技術の進化は、人びとの価値観を大きく変えるきっかけとなり、消費者の行動にも大きな影響を及ぼします。今回の新型コロナも、市場や働き方でデジタル化を加速させることは間違いありません。
テレワークなど、ネットを使って代替できるものへのシフトが劇的に進む一方で、家族で楽しむアウトドアや友人と一体感を味わうライブのエンタメ、リアル店舗での対話を通してのショッピングなど、アナログなワクワク感への興味や関心が再評価されていくのはないでしょうか。
新型コロナ後の消費者心理は大きく変化することが予想されます。今の内から、変化を先読みして柔軟に対応していきましょう。