体験消費時代のマーケティングヒント
みなさんこんにちは。和田康彦です。
株式会社ドン・キホーテは、海外を中心としたアパレルメーカーやブランド、小売店などが大量に抱えている余剰在庫や、廃棄・焼却などの方法で処分される予定の商品などを買い付けて再販売する、オフプライス事業を開始すると発表しました。1号店は、2020年3月24日(火)に「オフプラMEGAドン・キホーテUNY大口(おおぐち)店としてオープンします。
近年、国際的に廃棄物に関する注目度が高まっているなかで、アパレル業界の廃棄・焼却処分は大きな環境問題としてクローズアップされています。アパレル業界は根本的な構造として、商品の企画・製造から販売に至る期間が長いので、毎年の流行を予測した上で、売り逃しを避けるために必要以上の商品を生産しているのが現状です。これらの商品は、通常販売に加え、セール販売やアウトレット販売などで一定量が消費されているものの、売れ残ったものは、多くの場合、廃棄・焼却処分されています。
ドン・キホーテでは、今回のオフプライス事業を廃棄・焼却処分など環境に対する社会的な問題を解決する“循環型社会を形成するサステナブルな活動”として位置付け。魅力ある商品を買い付けて、高い値引き率で販売することで、顧客に宝探しのような感覚で『ワクワク・ドキドキ』しながら、お気に入りの一点を見つけてもらうことを狙っています。
オフプライスストア1号店となる「オフプラMEGAドン・キホーテUNY大口店」は、メンズ・ レディース向けカジュアル衣料やスポーツ衣料のほか、キッズ衣料、シューズ、バッグ、アクセサリーなど、約 33,000 点のアイテムを展開。有名ブランドの商品の他、一点物や日本未発売のレア物など多数の掘り出し物も用意して、宝探しをするような感覚で買い物を楽しめる環境を提供します。オフプライス事業は、2020 年中に複数店舗を出店する計画。
このところ米国では、ブランドの余剰在庫を大幅値引きで販売するオフプライスストアが、定価販売を主体とする大手百貨店の業績を凌駕するようになっています。日本国内でもワールドが昨年9月に、子会社を通じて運営するオフプライスストア「アンドブリッジ(&BRIDGE)」の1号店を大宮市の郊外に出店。今年3月には2号店を神奈川・相模原に7日オープンしました。西大宮店はオープン(19年9月)から約半年がたち、「計画通り」で進捗。年間売上高は計画比10%増の3億3000万円を見込んでいます。相模原店の計画は年商2億円。21年3月期は3店舗の出店を計画。今後は関西圏や地方なども視野に、3年後に30店舗体制を目指しています。
低価格で割安なブランド品や一品モノを宝探し感覚で見つけることができる「オフプライス業態」。米国での成功を背景に、日本国内でも出店拡大していくことが予想されます。