体験消費時代のマーケティングヒント
みなさんこんにちは。和田康彦です。
地方に出かけたり、海外旅行に行った時、女性は地元のマルシェ(市場)を訪ねるのが大好きです。どこにどんな商品が売っているかわからなくても、細い路地を宝探し感覚で歩き回って、自分のお気に入りを見つける。お店の店主に値段交渉してみたり、テイクアウトして出来立ての名物を頬張ったり・・。それだけで女性は幸せホルモンに満たされるのだと思います。
そんな女性が大好きなマルシェ(市場)をコンセプトにて誕生した新業態店が、ベイシアフードセンター前橋吉岡店です。ネーミングもMARche+Beisiaで「MARsia=マルシア」と名付けているところがおしゃれです。
マルシアは、市場のように鮮度を重視した仕入れ、豊富な品揃え、活気に満ちた演出などで、これからの食品スーパーを牽引する1号店として開店。具体的には、①新鮮で安心・安全な食材を提供。②賑わい、楽しさなどのエンターテイメント性を表現。③友達や知人、家族と一緒にくつろぐ場所。等々、従来のベイシアの「より良いものをより安く」の考え方に商品や売場を通じての活力や魅力をたくさんプラス致しています。
青果では、鮮度を重視した調達方法に改善。以前から人気の地場野菜コーナーを更に充実し有機野菜の取扱いも始めました。鮮魚では、海鮮丼の専門店「彩香路」がデビューし、自慢の海鮮丼が勢揃い。精肉では、群馬の銘柄牛「赤城牛」を品揃え。第1号店となる「デリ ヴィアンド」肉惣菜(グリル)店では、店内で焼き上げた格別なローストチキンを販売。スーパーデリカテッセンでは、豚肉の「万葉亭」、鶏肉の「千羽鶏」、海老の「寿老舗」、中華の「厨華味源」に加え、新たなジャンルとしてフレンチの「ボン・ルパ」(惣菜店)を導入しています。
「ボン・ルパ」(惣菜店)は、今回の目玉で、「ワンコイン」以下の手頃な価格で提供するフレンチ料理。アミューズ、サラダ、オードブル、スープ、魚料理、肉料理、デザートのフルメニューを品揃えとして加えています。
その他、人気のHanaCafeはさらに品揃えを強化。ベーカリーではフランスで人気のクロワッサンやバケットを品揃えするほか、ハンバーガーやサンドウィッチ、コッペパンなどの軽食も充実。さらにスイーツ、カットフルーツなど美味しい食材とくつろげる空間も提供。このところ話題になっている生食パンも品揃えに加えるなど、新たな食の楽しさを提供しています。
☛今後は少子高齢化で市場が先細りし、ますます競合が激化していきます。そんな中で生き残っていくためには、他社と差別化を図り、新しい客層を開拓できる店をつくる必要があります。単身世帯や高齢世帯、共働き世帯の増加に対応した、美味しくてリーズナブルで毎日飽きさせないワクワクする総菜の開発と品揃えが、これからの食品スーパー生き残りの鍵となります。