体験消費時代のマーケティングヒント

2020-02-20 09:38:00

みなさんこんにちは。和田康彦です。

 

ファッション業界においても、環境問題やサステイナビリティへの意識が高まる中、フランスでは、売れ残り商品の廃棄を禁止する新たな法律 “Projet de loi relatif à la lutte contre le gaspillage et à léconomie circulaire(廃棄物と循環型経済への戦いに関する法案)”が2020210日に施行されました。 

 

 

内容は、製造業者、輸入業者、代理店、「Amazon(アマゾン)」を含むeコマースサイトに対し、売れ残りの洋服や非飲食品の廃棄を禁止し、チャリティーなどへの寄付を推進していくというもの。また、この法令に違反した場合、15,000ユーロ(約178万円)という多額な罰金が課せられます。 

 

 

フランスでは年間10億ユーロ(約1180億円)相当の商品が廃棄されています。日本でも、アパレル業界から廃棄される衣類の量が年間で100万トンに及ぶとされています。その中には、新品のまま焼却処分される衣類もあります。現在消費されている衣服はおよそ13億点なのに対し、供給されている衣服は27億点近く。つまり、売れ残る余剰在庫は14億点にも上っていることが予測されます。 

 

 

フランスでは今回の法案以外にも、マイクロプラスチックごみが川から海に直接流れ込むのを食い止めるため、洗濯機にフィルターを付けることを義務付けることを推進。また、フランスで販売される全ての衣料に、環境や社会的な問題への影響に関する情報が含まれているタグを付けるよう、現在急ピッチで開発を進めているようです。 

 

 

ファッション先進国フランスの取り組みは、日本のファッション業界にも大いに参考になりそうです。人びとに夢を売るファッション産業だからこそ、持続可能な社会を目指して、消費者にワクワク・ドキドキを永遠に届けられる仕組みを作らなければいけません。